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#日本文学史

推理小説の歴史(日本編)

推理小説の歴史(日本編)

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日本における最初の推理小説は黒岩涙香の短編「無惨」である。19世紀の作品としては、他に「あやしやな」(幸田露伴)、『活人形』(泉鏡花)がある。
日本で推理小説が本格的に書かれるのは1910年代以降で、その嚆矢となったのは岡本綺堂の『半七捕物帳』シリーズである。次いで、1920年に谷崎潤一郎が「途上」を書いている。この頃、小酒井不木が登場し、実作の傍ら江戸川乱歩らを見出す。江戸川乱歩は「二銭銅

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