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やまとみずほの国に生まれて

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大和は倭にあらず大きくなった和です。阿波は邪馬台国やソロモンの秘宝など伝説の宝庫。「やまとみずほの国」に生まれて「おおやまと」に暮らす弥真都満穂が熱く古代ロマンを語ります。
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#週刊少年マガジン原作大賞

桃太郎はなぜ桃から生まれた?

やまとみずほの国に生まれて  第三話挿話 第三話「桃太郎は木眉津彦か和歌岳彦か」にて、思いっきり「桃太郎」の話は書きましたが、「桃太郎」は冒頭から古代生活の真髄を語っていると気づきました。そう「お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯へ」です。生命は水が無いと生きていけないのは当たり前ですが、いくら平野が広くて水に恵まれ水田耕作しても、煮炊きする柴が無いと生米は食べられません。 モアイ像で有名なイースター島は、人口爆発による森林破壊が滅亡の原因との説が有力です。阿波邪馬

天照と素戔嗚の誓約は女王と男王の確執

やまとみずほの国に生まれて  第十話 魏志倭人伝原文 倭女王卑彌呼與狗奴國男王卑彌弓呼素不和 日本語訳 倭の女王卑弥呼は、狗奴国の男王卑弥弓呼と旧より不和である。 第九話の「倭女王卑彌呼與狗奴國男王卑彌弓呼素」は、最初に卑弥呼が朝貢した西暦238年から10年経った248年の記録で、同時に卑弥呼の死も記されている。「三貴子の誕生は邪馬台国連合国家の誕生」の後も邪馬台国の女王ツクヨミと長国王スサノオは確執があったのだ。不和ではなく確執であることは原文を簡略した「女王男王不和」

倭女王卑彌呼與狗奴國男王卑彌弓呼素

やまとみずほの国に生まれて  第九話 「天照覧す 尽く黄泉 朱砂の王」において、卑弥呼はツクヨミと書いた。表に出てくるアマテラスは卑弥呼の弟なのだ。アマテラスが実在の人物なら最初から神ではなかったはずだ。太陽神なのは縄文時代から続く自然崇拝に習合されたのに違いない。「三貴子の誕生は邪馬台国連合国家の誕生」とはイザナギがツクヨミ・アマテラス・スサノオの名付け親であるとも書いた。 イザナギが阿波北部の粟国を建設したと既に書いたが、ツクヨミは女王国の女王、即ち剣山を中心とする阿

天照覧す 尽く黄泉  朱砂の王

やまとみずほの国に生まれて  第八話 第六話「三貴子の誕生は邪馬台国連合国家の誕生」を閃く前から、ツクヨミが卑弥呼ではないかと妄想していた。アマテラスが太陽だからツクヨミが月とはあまりにも安直であり、月読ならツキヨミだろう。ミステリーでも思いがけない犯人でないと駄作だし、日本神話は天皇家の正統性を顕し、阿波を隠すため壮大な虚構を構築しているから、物語としても面白いに違いない。 卑弥呼は忌み王ではと最初は妄想した。伊勢神宮に奉仕した未婚の内親王を斎王と呼ぶが、その歴史は古く

三貴子の誕生は邪馬台国連合国家の誕生

やまとみずほの国に生まれて  第七話 黄泉比良坂は墳墓ハウツー物語にて、イザナギが黄泉比良坂をイザナミから逃げながら戦い、最後は封じ込めたことを祟りが怖いから祟られないようにするための墳墓作成マニュアルだと書いたが、文字が無ければマニュアルを物語にして語り継ぐのは大変有効である。しかし物語にするからには実際にイザナギはこのルートを辿ったからこそ物語になったと考えるべきだろう。 阿波邪馬台国説では高天原は剣山を中心とする山岳地域であると比定する。今も「ソラ集落」「ソラ世界」

黄泉比良坂は墳墓ハウツー物語

やまとみずほの国に生まれて  第六話 日本神話においては出雲の黄泉比良坂から日向の阿波岐原まで逃げるのだが阿波邪馬台国説はゆかりの地名が阿波に残るとして、神話の舞台は阿波であると主張する。イザナミは別名「阿波富士」地元民から「オコーツァン」と親しみを込めて呼ばれる高越山に葬られ、追いかけるイザナミやその軍団を追い返し、現在の阿南市にある橘湾まで逃げてから三貴神を生む禊を行う。 「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」と現代語訳では訳されるが、原文では筑紫は竺紫であり単に尽きた地

神生みは神様オールキャストの主役

やまとみずほの国に生まれて  第五話 「吉野川は邪馬台国のナイル川」即ち阿波邪馬台国説を前提条件にして、「国生みは壮大な王権拡大プロジェクト」を古事記の最後まで追いかけると 「桃太郎は木眉津彦か和歌岳彦か」では八咫烏は和歌山かもと妄想できた。その妄想は「紀伊は木の伊の国にして狗奴国」にてさらに膨らみ、八咫烏は狗奴国であり邪馬台国の南から東へ海を千里渡った紀伊に移ったと書いた。 八咫烏の名前は消されており、そんな簡単に分かるはずないと思っていたが卑弥呼が誰かを特定した同じ手

紀伊は木の伊の国にして狗奴国

やまとみずほの国に生まれて  第四話 吉備氏と言えば吉備氏の乱だ。第三話の「桃太郎は木眉津彦か和歌岳彦か」にて、吉備氏の里は和歌山だと書いた。このときは第21代雄略天皇の御世で中央政権が進んだと評価される。夢枕を利用して豊受大神宮を伊勢神宮の外宮へ遷座させている。第一話「国生みは壮大な王権拡大プロジェクト」に書いた宗像三女神と同手法で、羽衣伝説の残る丹波勢力の力を削いだのだ。言葉悪くなるが「お前らの神様は俺たちの神様に下ったから従え」である。 能力が同じだからと稲荷神(宇