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「つくって売る」ということ

先日書いた記事の「つくって売る」ことについて、私にとっての始まりを振り返って書きたいと思います。

「つくって売る」最初の体験

見習い時代の大きな怪我で、私の木工職人時代は短期間で終わってしまいましたが、環境教育から木工へ転向したことで、私は木育という手法を知ります。

木育とは、木のものづくりをする過程で森や樹(木材),つくっている道具の周辺の文化や歴史・意味などについて体験的に学ぶことができる森林環境教育の手法の一つです。

岐阜県の県立専修学校で、私は自然観察に使う虫眼鏡とメモ用の小さな画板を合わせた商品を開発しました。開発した商品は、自分で製作し、年度終わりの展示販売会で実際に売り出します。これが私にとって初めての「つくって売る」体験となりました。

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アクティビティの学びを加速させる小道具

インタープリター(「人と自然をつなぐ人」など)は環境教育のアクティビティの中で小道具を使うことがあります。

小道具とは、アクティビティの参加者の“好奇心を高めるもの”とあります。そのほか、望遠鏡やアクティビティをサポートする道具も含まれます。

人は好奇心を感じたものに注目する。小道具は好奇心を高めるもので、特に好奇心を煽るような使い方をすると一層効果が上がる。(『インタープリテーション入門』小学館 より)

その小道具からヒントを得て、私は、アクティビティの学びを加速させる小道具をつくりたいと思うようになりました。

川で使う小道具をつくるアクティビティ

奥羽旅人ネイチャーセンターのこれまで活動の多くは水と深い関わりがありました。
本社のある山形県庄内地方に、鳥海山という大量の湧き水を蓄える水瓶のような山があったからなのかもしれません。
活動の中心となるテーマは湧き水と淡水魚が特に多く、そこから、私の関心は川へ移っていきました。

「そうだ。川の生き物を観察する時に使う箱メガネを使って木育のアクティビティをつくろう。」
実はこのアイデアは、岐阜県の学校にいる時にすでにアクティビティとして実施している先輩がいたのですが、私はそのアイデアを使わせていただき、箱メガネのキットづくりを計画し、子どもたちにつくらせ、実際に川で使ってもらうことにしました。
私の手は故障していて自分で製作することができなかったので、キットづくりは木工ができる仲間に依頼しました。
企画して、アクティビティを実施し、キットを売る部分が私の仕事です。

小道具がつなぐもの

アクティビティの一連の流れの中で様々な文脈に触れることができます。
川の文化・習慣,人との距離…。多くのものが昔に比べると失われてしまったような気がします。
例えば、川漁師が減った,川魚の料理人が減った,川魚を食べる人が減った,川で遊ぶ子どもが減った,川が汚くなった,川に石や泥が溜まって浅くなった,川の石が利用されなくなった…。様々なことが因果関係でもつながっています。

川に関心を持つ子どもを増やすことが、全ての課題の解決につながる。
私はそのように考えています。

そして、「つなぐ川プロジェクツ」というプロジェクト名をつけて活動を始めました。

箱メガネのキットづくりから活動を広げていき、いずれは川と人との距離が近い先進地域から、川のキーパーソンをお呼びして講演会を開いたり、カヤックに乗って川を降ったり、様々なアイデアが浮かんできています。
少しずつ実行に移していきます。

【宣伝】サークルをつくりました。


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