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映画『たそがれ清兵衛』を久しぶりに観た

『たそがれ清兵衛』は藤沢周平の短編連作小説を『男はつらいよ』で有名な山田洋次が監督した時代劇だ。
2002年公開。主演 真田広之、宮沢りえ。
現在は動画配信サービスHuluで視聴可能である。

僕は約20年ぶり2度目の視聴でTSUTAYAでレンタルした。

あらすじ

庄内地方海坂藩の下級武士、井口清兵衛は病気で妻を亡くし、痴呆の母と娘2人の世話をしながら借金を抱えて貧しく暮らしていた。
同僚の誘いも断り、勤めが終わると家族の面倒を見るために帰宅する彼を『たそがれ清兵衛』と名付けて周りは嘲笑った。
ある日、幼馴染で親友の飯沼倫之丞と再会する清兵衛。倫之丞の妹、朋江は嫁いだ先で夫の暴力に遭い離縁させられた事を知る。
それ以来、朋江は清兵衛の家を訪ねるようになる。娘たちの面倒や家事を手伝い、清兵衛の家で交流するうちに心を癒す朋江。次第に親しくなる2人はやがてお互いを意識するようになる。
酒に酔った朋江の夫、甲田は離縁させられたことに腹を立てて兄の倫之丞に果し合いを申し込む。その場に居合わせた清兵衛が代わりに引き受けて、木刀であっさりと甲田を倒してしまう。
清兵衛の剣術の腕前が藩内に広まり、その腕を見込まれて一刀流の使い手・余吾善右衛門との決闘を命じられる。藩命に逆らえない清兵衛はこれを受け、余吾と決闘をすることになる。
ヤマタカ

良かったところ

清兵衛の人間性

武士としての身分が低く、妻が亡くなり、母と娘の面倒を見なければいけない。こんな不幸に見舞われても楽しそうに生活する清兵衛に好感が持てる。
日々を一生懸命に生きる姿は武士の誇りを感じる。

殺陣

ラスト、清兵衛と余吾善右衛門の決闘は見ごたえがあった。
余呉を演じた舞踏家 田中泯はこの作品が役者としてのデビュー作になる。
清兵衛との決闘は一見の価値がある。

寅さんっぽいロマンス

飯沼から妹の朋江を嫁にしないかと提案される清兵衛だが、身分の格差から清兵衛は一旦断ってしまう。
しかし、いざ決闘というところで清兵衛は意を決して朋江に結婚を申し込む。
だが、朋江はすでに他の武士からの結婚を受けてしまうという、いかにも山田洋次っぽいすれ違い。

残念だったところ

笑いが古くさい

家族の面倒のため、自分の身なりを顧みない清兵衛は藩主から「臭い」と言われ、武士として身なりを整えるように言われる。これが城内で噂になり、上司や親せきから恥ずかしいと怒られるシーンがある。この一連の流れが古くさい笑いに感じた。昭和の映画を見ているようだ。

決闘の必然性

ラストの決闘に物語的な必然性があったらと思った。ただ藩命だからという理由だけでは無く、清兵衛が自ら決闘に向かう理由があればもっと惹きつけられた。

まとめ

『たそがれ清兵衛』は時代考証もされており、細部にまでリアリティを追求したと言う。
寅さん同様に誰が観ても楽しめる作品だと思う。
ずいぶん前の映画だが、この機会に観てほしい作品である。

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