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100マイル走で確認できたこと ②マッサージfor 脚の『重さ』

初めましての方もそうでない方もこんにちは。

やま施術院代表の山本と申します。

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前回の「テーピング」編はこちら

ランニングでダメージを受ける部位を確定

今回は長距離の運動でダメージを受ける部位が確定できたことを書いていきます。
改めて解剖生理学的な特性を考えると「なるほどね」となりますが、実際にやってみるとより腑に落ちました。

先に答えを書いてしまうとダメージを受ける部位は筋肉実質ではなく、筋膜及び筋間の膜繊維の癒着ではないかと推測できました。
ダメージと聞くと「ちぎれる」「破れる」といったイメージが先行しやすいですが、それよりも「拘縮」「伸縮性を失う」「動きが悪くなる」感じです。(良い表現が思いつきませんでした。)

つまりは筋肉そのものよりも「膜」組織への負担がかかることで表題の『脚が重い』感覚が出ると思われます。

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前回もそうですが、筋肉そのものよりも筋膜含む膜組織への負担が大きいのは長時間同一動作を繰り返すエンデュランス種目ならではの特徴だと考えられます。

ゆっくりとした同一動作での繰り返しは「膜」への負担
瞬発的な動作は「筋肉そのもの」への負担

と大別できそうです。

筋膜の1つの特徴

前回にも少し書きましたが筋膜は同一動作の繰り返しにより伸縮性が上がったり下がったりします。それゆえ、不良姿勢を繰り返す(悪い姿勢で日常を過ごす)ことで筋膜に癒着を起こし正しい姿勢から逸脱します。

日常生活とは負荷量が違いますが、ランニング動作含むエンデュランス種目は基本的に同じ動きの繰り返しです。そして、瞬発的な動作が必要になることはそこまでありません。

今回のトレイルランニングのような種目になると階段があったり、ステップを刻みながら下るなどやや運動内容が変わりますが、サッカーやバスケに比べると大した動きの幅ではありません。しかも走ったEast Mouintain100のコース、東山一万歩コースはほぼ整備された登山道。舗装路のウルトラマラソンと変わりません。
それ故、筋肉そのもの以上に膜への負担が増えた、と推測されます。

ゆったりと動きを認識しながら走り続けることで肉離れはよっぽど起きません。(修練度合いにもよりますが)
どちらかと言うと急なターン動作で「バチっ」と切れますね。

『脚が重たい』への対処法

やはり走り続けると脚が重たく感じられてきました。大体80km地点くらいだったと思います。

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「痛くはないけど、重い」という感覚です。この感覚になると走れるけど走りたくなくなるんですね。ちょっとした坂道でも歩いちゃう感じです。

前回のテーピングでハムストリングの調子がすこぶる良くなった経験で筋膜か筋肉間の膜が不調の原因だとわかっていました。
部位は上記画像の赤丸部分。大腿直筋と内側広筋の間です。

エイドでの休憩時にこの部分をセルフマッサージしました。

揉むマッサージというよりかは筋膜リリースのようにクリームを使ってじっくり押し伸ばす施術です。皮膚の摩擦が痛くならないように当院でも使用しているPhiten社のメタックスクリームを使用。

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時間で言うと両足で5分程度でしょうか。
ハムストリングに関してはセルフ筋膜リリースが難しかったのでテーピングで処置しましたが、太もも前面に関しては手技で緩められたのでテーピングは無しにしてみました。

セルフマッサージの結果

これもすこぶる良好。その後、最後まで快適に走れました。
もちろん、途中眠気もあったりしてペースが落ちる場面もありましたが脚自体は健康。全身の疲労もあり、ストライドが小さくなりすり足に近い走り方になってきたので更に負担が少ない状態のままゴールまで走れました。

今回はゆっくり走ったペースなので筋肉そのものへのダメージが少なく、膜組織への負担だけで済みましたがこれがトップアスリートのように速いペースで走るとなると負担がかかる部位が筋肉そのものに変化してくると考えられます。

そうなるともしエイドで処置をするなら処置の方法そのものを考えなくてはいけません。

同じコース・同じトレイルランニングといえどもペースによって負荷がかかる部位が変化していく、と学びました。

やはり自分でやってみると色々見えてくるものがありますね。

人体実験は続きます。

では


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やま施術院 山本将也

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