高齢者にこそワークアウト

高齢者にこそワークアウト!!

タイトルでは高齢者に限定してますが実際はそうではなく、全ての人に当てはまります。

治療やリハビリをする時に

「あ〜、これ以上もう無理」
「こんなにリハビリしたら痛くなりそうだからもうやめます」
「この痛み、一生治らないですよね・・・」

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などネガティブな言葉をクライアントから聞くことがあると思います。

慢性的な痛みが続くとその痛みがある状態がデフォルトになってしまうので「諦め」の境地に至ってしまう。どんどん悲観的になっていく。

それに合わせて治療やリハビリをする人も

「じゃあ、今日はここまでにしましょうか」
「重りを軽くしてみましょう」

など対応をしてしまいがちです。『ペーシング』と呼ばれています。

時と場合にもよりますが、基本的にはこちら(治療家・リハビリスタッフ)が主導で行うべきです。

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痛みや疲労の間隔はもちろんその主訴である部位の問題はあるのですが、実際には脳が勝手に疲労を感じて、行動にストップをかけていることが多いです。

カラダ的にはまだまだ動けるのに慢性的な痛みや疲労を(脳が)感じているがために「もう動けない」と錯覚してしまう。

その錯覚に合わせるペーシングをしてしまうと段々と負荷が減ります。
カラダそのものは元気なのに負荷を減らしていくので効果ももちろん減ります。

ある研究によると正しく漸次的に負荷を上げていくリハビリや運動をした群は患者の感覚に沿ったペーシングによるリハビリをした郡よりも機能向上など効果が高かった結果が出ています。

つまり、患者が「疲れた」「痛い」などと言っていた時にそのネガティブな言動を受け止めつつ、ポジティブに変換していくことが結果に結びつきます。

しかし、なんでもかんでも運動負荷を上げればいいわけではない。

クライアントの感覚を正しく認識してそれに見合った負荷を与えることができるかどうかがセラピスト側の腕の見せ所。

そこには正しい解剖学の知識はもとより運動生理学や行うリハビリの選択、はたまた痛みがある場合にはなぜその痛みが出るのか?手技治療で解決できるものか?など対応すべきことは山のようにある。

その上でポジティブに「ちゃんと治りますよ!」「もう少しだけ重くしてみましょうか!」とやる気にさせる言動をする。

ただ、元気なだけではなく知識に基づいた発言をすることでクライアントとの信頼関係が生まれ、治療やリハビリが順調に進んでいく。

個人的な経験ですが一時期高齢者向けの体操教室をしていたことがあります。

その中では腕立て(テーブルに手を置く斜めの体勢で)やスクワットなどをガンガンやりました。中には90代の方もいらっしゃいましたが事前にカラダのチェックをした結果上記の運動ができると判断できたのでどんどんやりました。

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運動中は

「先生、もうつらいわ〜」
「明日、筋肉痛になりそう〜。」

など僕にとっては黄色い声援が飛び交っていました(笑)

それを定期的に続けて行なった結果、半年後には

「階段の上り下りが楽になった」
「歩いて買い物行くのが億劫でなくなった」
「旅行で歩き通してもそこまで疲れなかった」

などとおっしゃっていました。これはペーシングを安易に行わなかった結果です。

医学的根拠(エビデンス)も大切。ナラティブ(患者との対話)も大切。

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必死に勉強をした上で、一人一人じっくりと向き合って最適な方法を「対話」する。

それがこれからの『医療』です。




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