新しい商品やサービスの市場普及に役立つ『イノベーター理論』について解説

新しい商品やサービスを市場に普及させるにあたって、市場全体を拡大していくための戦略を立てることは必要不可欠です。本記事では『イノベーター理論』というマーケティング論を解説しながら、市場に商品やサービスを普及させる上で押さえておきたいポイントを5つの消費者タイプに分けてご紹介します。

イノベーター理論とは

『イノベーター理論』は1962年スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャーズ教授によって提唱された、市場への普及率に関する理論です。彼は新しい商品やサービスを普及する上で、購買者を以下の５つの層に分類しています。５つの層の特徴を理解しながら、どの層に焦点を当てた戦略を行っていけば効果的か見ていきましょう。

イノベーター(革新者)
アーリーアダプター(初期採用者)
アーリーマジョリティー(前期追随者)
レイトマジョリティ(後期追随者)
ラガード

１．イノベーター(革新者)

イノベーター(革新者)は情報通で好奇心が強く、新しい商品やサービスに関するアンテナを張り巡らせている層です。新しいものや市場に普及していないものであれば、高コストであっても採用するだろうと考えられます。市場全体では約2.5%の割合を占めています。

２．アーリーアダプター(初期採用者)

アーリーアダプター(初期採用者)は市場全体の約13.5%を占めている層で、イノベーターに次いで流行りに敏感な層です。流行しそうなものやサービスに対する感度が高く、SNS等で良いと感じたものを拡散するインフルエンサーや人々に影響を与える存在になりえるオピニオンリーダーとなる可能性が高いのがこのアーリーアダプターです。他の層への影響力も大きいため、５つの層の中で最重要視する層だと考えられています。

３．アーリーマジョリティー(前期追随者)

アーリーマジョリティー(前期追随者)は流行に対する関心が比較的強いにもかかわらず、新しい商品やサービスを導入する際には慎重となる層です。市場全体では約34%を占めています。アーリーマジョリティーはアーリーアダプターの影響を強く受けるのが大きな特徴です。アーリーアダプターがいかにアーリーマジョリティーに対し説得力のある商品・サービス紹介ができるかが重要となります。

４．レイトマジョリティ(後期追随者)

レイトマジョリティ(後期追随者)は市場の約34%を占め、新商品やサービスについて関心が低く導入が遅い層です。多数がこの商品やサービスを利用しているという実証があれば自身も導入する特徴があります。レイトマジョリティを取り込むためには市場への普及率を高めなければいけません。

５．ラガード

ラガードは市場の約16%を占める層ですが、5つの層の中で最も保守的で単なる流行ではなく伝統となるまで商品やサービスの導入には動かないという特徴を持っています。ラガード層を獲得するためには、他の商品・サービスよりいかに定番であり安心感があるかを証明することが鍵となります。

製品やサービス普及のポイント

この５つの層の中で最も重視すべき層がアーリーアダプターになります。他の層に対する影響力が最も大きく、自身が良いと感じた商品やサービスを広く宣伝してくれるところが大きなメリットです。アーリーアダプターに訴求した魅力的な新商品・サービスを提供できるかが重要です。アーリーアダプターに情報をシェアしてもらいやすいよう、商品やサービスの使用方法やアピールポイントなどを分かりやすく解説したガイドやウェブページを準備しておくと良いでしょう。アーリーアダプター層を取り込むことができれば、他の層への波及効果も考えられ、市場への普及効果が大きく高まることが予想されます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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