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贈る言葉

どうも。

釜石シーウェイブスの山田龍之介です。

先週末のトップリーグ決勝をもって日本のラグビーシーズンは一区切り、最後のトップリーグが終わってしまいましたね。。

なんて感慨に耽っている時間はなく、僕たち釜石シーウェイブスは再来週
くらいから、ぼちぼちチーム活動を再開します。

トップリーグのプレーオフトーナメントへの出場を逃した僕たちは4月初旬からオフに突入していたとは言え、あっという間のオフだったなあ。。

特に今年はコロナ問題もあって、長期で旅行したり県外にお出かけしたりすることは自粛していたのでこれといった思い出のないオフでした。

それでも近場で1泊旅行したり、岩手の自然で季節を楽しんだり、子ども達の成長を感じたり、何より家族共々健康で過ごせたので上々のオフでした。

ってオフを振り返りたいのではなく、、、今回は昨シーズン限りで釜石シーウェイブスを退団したみんなに贈る言葉を綴りたいと思います。

やっぱりこういうのは新チームが始まる前にね、けじめとして。

チームから発表がある前に書いておいて、発表後すぐに公開すればよかったですね。(筆無精)

贈る言葉

この「贈る言葉」という文化は、僕が前に所属していたNECグリーンロケッツにあったものです。

退団者からのメッセージだけでは伝わらない、チームメイトから見たその人のキャラクターとかも垣間見えていいですよね。

僕は見る側だけでなく、贈る側も贈られる側も経験したのですが、これまた中々いいものです。涙そうそう。僕が妻夫木だったら鼻つままなきゃなんないです。

少し恥ずかしいですが僕の退団時のものを載せておきます。

NEC時代にはシーズン終わりの納会で退団者の挨拶に泣き、シーズンオフのフルタイム勤務中にグリーンロケッツのHPをチェックして「贈る言葉」を読み、また泣くというのが恒例行事でした。(仕事しろ)

もしかしたら「LINEで送れよ」というような内容になるかもしれませんが、
こういうのって面と向かって言うのは恥ずかしいし、LINEで送るのですらちょっと憚られるんですよね。

ということで「読まれるかな?」とドキドキするこの距離感でいきたいと思います。

半年間〜2年間という短い期間でしたが、一緒にラグビーをしたかけがえのない仲間だと思っています。

髪は切ってしまいましたが、山田金八からの贈る言葉です。

こちらが昨シーズンの退団者です。

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佐々木 和樹

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高校生ラガーマンが思い浮かべるプロップ像、そのまんまでしたね。

よく食べよく飲みよく寝る、フィットネスは遅い、スクラムは強い。

間違っても今の時代の、走れて、放れて、ともすれば蹴れてしまうようなスーパープロップなんて柄ではなかった。

でも、それでいて今の時代のラグビーを最前線で渡り合っていたんだから和子はやっぱりすごい。

めちゃくちゃなフォームのウエイトトレーニングや、腕力だけでゴリ押ししてくるレスリングがその下地となっていたのでしょう、あと農業。

農家とラグビー選手とゴリラの三刀流と見せかけて、農家ゴリラとラグビー選手ゴリラの二刀流だった和子さん、無茶苦茶なパワーはもう発揮しなくていいですよ。

Take it easy.

自分の体を大切に。

岩手の農業を大切に。

酔っ払ったときの、かわいいけど暴力的な一番危ない顔だけはこれからもたまに見せてください。

おつかれさまでした。

吉原 陸飛

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コロナ禍もあってほとんど同じ時間を過ごすことはなかったけど、1年だけでも釜石を選んでくれたことには感謝しています。

一緒にラグビーができた時間もごくわずかだったけど、ぎこちなさMAXのハンドリング練習では笑わせてもらったし、FW合宿では初めての対外練習でのスクラムでコテンパンにされて悔しそうにしている陸飛の姿にすごく刺激をもらいました。

まだ若過ぎるくらいに若いんだから、これからの人生に釜石での経験がちょっとでも活きたのなら嬉しいです。

残った僕たちは、陸飛と同じようにして入ってくる高卒の若い選手にとっていい環境を、いいチームを作っていけるように頑張ります。

1年間ありがとう。

佐々木 拓磨

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先公という唯一無二のキャラクターがチームを去ることになりとても寂しいです。

もちろんチームにとっても、小学校で担任を受け持ちながらプレーする選手がいたことには大きな価値があったと思います。

ラグビー選手としてはだいぶおじさんながらも、誰よりも謙虚で誰よりも学ぶことに貪欲でいた先公は、教育者として、人として本当に尊敬できる存在でした。

公称173cm(そんなにある?)の身体でもラインアウトジャンパーの道も決して諦めずに、自主練を続けていた姿は是非とも小学生に見せてあげたい。
向き不向きはあるかもしれないけど、向き合わなきゃいけない不向きもあるんだよって。

また酔っ払った先公もといジモンも見たいので遠野ホップ収穫祭で会いましょう。それかBBQ。

22時過ぎまでクラブハウスに残る必要もなくなるんだから、家族の時間も大切にするんだよ。

おつかれさん。

金子 峻大

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ネコは8月頃にチームに合流したんだったかな。
短い期間だったけど、誰からもイジられ、チームに溶け込んでいたのが印象的でした。
多くのチームを渡り歩いてきた経験と、ネコの人柄の賜物だね。

この半年ちょっとの間に、金髪になったり吉川になったりと忙しなかったけど最後はマルコメに落ち着いてホッとしました。

色々なチームに所属した経験があるからこそ、すごくチームの和を大事にしているなと感じました。
それだけフリが利いていたので寝坊した時の落ち込みっぷりが最高でした。

個人的にはすごくプレーしやすい選手だったので残念です。
もしかしたら、多少のプレーしにくさを感じさせるくらいの我を出すのも、SHとしてのちょっとしたスパイスになるのかもね。

次のステージでもネコらしく頑張って!

前川 絋

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ゲンちゃん2年間ありがとう。

そして高校卒業してから5年間かな?お疲れ様でした。

なかなか出場機会に恵まれない中でも、個人練習をしたり、ランメニューで先頭を引っ張ったり、その姿勢は間違いなくチームに貢献していたと思います。

ノンメンバー練習でのプレーも見ていましたが、自分にベクトルを向けて、チームのために自分ができることを一生懸命やる姿勢はまさしく「撓まず屈せず」の釜石人だな。

ゲンがシーウェイブスでプレーしたことで、たくさんの人に喜びや誇り、勇気などポジティブな感情を与えたと思います。
そのことに誇りを持ってこれからも頑張ってほしいと思います。

いつも勝手に走り込む僕を信じてパスを放ってくれてありがとう。

またいつか一緒にラグビーできたらいいね。

オリバー・ポルソン

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ポルソンくん

1シーズンだけでしたが、Oliと一緒にプレーできたことは嬉しかったし誇りに思います。

Oliは外国人枠の問題もあって試合に出場できない時でも、常にハードワークをしてくれました。

そのことがチームのスタンダードを上げたと思うし、シーウェイブスを支えていたと思います。

コロナの問題があって、一緒に飲みに行ったりチームパーティーをしたりできなかったのが残念です。

釜石には素晴らしいお店や自然や食べ物がまだまだたくさんあるので、いつかまた是非遊びに来てください。

これからもOliの活躍はチェックするので、次のステップでも頑張って!
またどこかで会いましょう!

伊藤 優駿

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マサくんおつかれさま。

徹底的な安定志向から生まれる堅実なプレースタイルとは真逆のチャレンジングなシーウェイブス生活でしたね。大変なことがたくさんあったと思います。

教員という仕事柄、平日の日中練習にはなかなか出られなかったな。

寒さの厳しい釜石では、チームの全体のことを考えると仕方ないことだけど、仕事が終わってから一人でトレーニングやフィットネスに打ち込む姿は胸が痛かったし、頑張らないとな、と思わせてくれました。

でもやっぱり何度見ても足は短いです。

これからも会うたびに短足ネタをマサの近くに置いておくので、その都度拾ってください。

対抗馬の鈴木健太くんはあまり拾ってくれないので、やっぱり大本命はマサでしょう。優駿だけにね。

2年間ありがとう。

サム・マルコム

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マルちゃん

釜石での生活はどうでしたか?

コロナの問題があって、できないことがたくさんあってストレスが溜まることも多かったと思います。

でもMalcsが日本や釜石の文化、シーウェイブスのことを知ろうとしてくれる姿勢はすごく嬉しかったです。

1シーズンだけでしたが、一緒にプレーできたことを誇りに思っています。
いつも身体のケアやストレッチ、練習への準備を怠らず、練習でも問題がクリアされるまで入念に確認をするプロフェッショナルとしての態度はすごく尊敬していました。

いつか一緒にカツ丼でも食べに行きましょう。

Malcsのは少し小盛りにしてもらいましょう。

またね。

スコット・ピアース

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スコットおじいちゃん

僕のシーウェイブスでのこれまではスコットとの2年間だったと思います。

スコットは誰よりも釜石に誇りを持っていました。
選手たちが誇りを持ってプレーしないとき、スコットはいつも怒っていましたね。

何年在籍しているとかそんなことは関係なく、釜石シーウェイブスであることへの誇りを求める姿勢は、釜石出身の選手よりも釜石のレジェンドよりも、スコットが一番だったと思います。

だからスコットの言葉はすごく僕に響きました。

スコットのことを「自分勝手だ」とか「何を考えているか分からない」という人もいましたが、スコットはいつでもチームマンだったと思います。

自分勝手な人は早く来て掃除をしたり、みんなの負担が減るように練習の準備をしたりはしません。

それに、ちゃんと誇りを持ってプレーしている選手には、その誇りを損なわないようにすごく気を遣っていました。

たくさんのことをスコットから学ばせてもらいました。

この学びをこれからの人生に活かしていきたいと思います。

また会いましょう。

Thank you my only KAMAISHI coach.

山口 大輔

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ダイスケはん、2年間ありがとう。

初めて会ったとき、僕はまだ若いS&Cコーチという存在に対して理解がなくて「こんなシュッとした兄ちゃんで大丈夫なのかな・・・?」と思ったことを覚えています。

今では色々なチームに若いS&Cコーチがいるし、何より大輔の実力を知ることができたので、これからもっと僕のパフォーマンスアップを助けてくれると思っていたので残念です。

知識もしっかりとしていて、引き出しも豊富な大輔に、年長者として少しだけアドバイスさせてもらえるなら、もっとコーチ側からウエイトでもランでも、パフォーマンスというものにトータルしてアプローチしてくれると選手としてはありがたいと思うよ。大輔の美しいクリーンやスクワットのフォームを知っていればすごく説得力があると思うし。

次のステップも応援しています。

またきっとグラウンドで会えるでしょう。

おわりに

やっぱりこういうのを書くと少しおセンチな気持ちになりますね。
NECにいたときも退団者を見送るのは寂しい気持ちでした。

シーウェイブスではまだ2年間しかプレーしていませんが、NECのとき以上に退団者を見送るのが辛いです。

それと同時にシーウェイブスに来てくれる人への感謝の気持ちもNECのとき以上だと感じています。

それはたぶん、多くの人にとって他のチームに行くことよりも厳しい選択だからでしょう。

厳しいけどチャレンジしに来た、という人をすごく尊敬するし感謝します。

その一方でそういう人を見送らなければならないのはとても辛いです。

シーウェイブスって近年はすごく人の出入りが多いチームになってしまっています。

もちろんいろんな事情がありますが、チームにとっていいことではないのは確かだと思います。

タマゴが先かニワトリが先かみたいな話ですが、結果を出せるチームなら人の入れ替わりは少なくて済むと思うし、結果を出せるチームになるためには、多くの人が希望を持ってある程度の期間を過ごせるチームである必要があると思います。

新リーグも始まります。

みんなの希望にならないとなあ。

ひとまず、退団者のみんなが釜石のためにプレーしてくれたことに、改めて感謝の意を表して結びとしたいと思います。

みんなは一生釜石人。

<山田 龍之介 やまだ りゅうのすけ>
1991.10.12生 釜石シーウェイブスに所属するラグビー選手
東京都立大泉高校でラグビーをはじめる
その後立教大学、NECグリーンロケッツでプレー
2019年釜石シーウェイブスに入団
2020年4月からはプロ選手としてチームに所属
北海道・釧路町出身 岩手県・釜石市在住

最後まで読んでいただきありがとうございます!スキもサポートも嬉しいです!これからもラグビーの空き時間に投稿していきます!