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【読書感想】『特別な人生を、私にだけください。』はあちゅう

【説明】
ユカ、33歳、専業主婦。一人で過ごす夜に耐え切れず、ツイッターに裏アカウントを作る。毎晩違う香水の匂いをまとって帰る夫への不満は、ナンパ師アカウント「圭太」とのやりとりで紛らわす。表で「普通の人」でいるために、裏で息抜きを必要とする人々。特別で在りたい欲望と誰かとつながりたい寂しさに溺れながらも、前に進む力を摑む物語。

【感想】
小説家・はあちゅうさんが好きです。

自分が同性、同世代だからこそなのかもしれませんが、はあちゅうさんの小説はとことん都会的で、著者を連想させる華やかで美人な登場人物も多く、「おしゃれな都会人」の固有名詞で溢れていて、田舎者としては読んでいて「共感」はできないものの、「こんなお洒落な主人公でもこんな心情になるんだな」と、非常に興味深く読んでしまいます。
言うなれば、女性誌の「1ヶ月コーデ」を見るようなもので、都会ってこういう時タクシー使うのねえ、あらら、そんなに頻繁にネイルサロンに行くのね、、と、ほぉーっと感心して眺めるような感じ。

そんなわけで、今回書店で『特別な人生を、私にだけください。』を見た瞬間即レジに。
(いいタイトルだなあ)

「ツイッターの裏アカ」を描いた物語。

1話目の脇役が2話目の主役に、と、視点が変わっていくのも面白いです。
知らない世界を覗き見れたようで、ワクワクしました。

個人的に、今まで意味不明だったナンパ師用語がわかるようになったことが収穫でした。
・・使い道はまったくないのですが。

八代くんの危ない純愛にほだされる「ねね」の話が好きでした。

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