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雑草マルチにつぐ雑草マルチ

山に介入するようになって困ったことは、とにかく雑草。
特に夏場はあっという間に背丈90センチの2歳児の目の高さまで育ってこどもたちを身動きできなくさせてしまう。大人だって歩きにくい。草むらに紛れるカエルや蛇を踏んだら恐ろしい。毎回恐る恐る鎌を片手に分け入る。

去年の夏が終わった頃夫は耐えきれなくなって通路の部分にだけ除草剤を撒いた。
確かにそれは効果を表し一本の道を作ったけれど、通路の側に植えたばかりのソメイヨシノの木にも引っ掛けてしまって瀕死状態になってしまった。まあまあ長い道に未来永劫そこそこ高い薬剤を撒き続けるのか?なんか思ったのと違うな。
除草剤を撒くと、雑草をすみかにしていた虫やそれを捕食する動物にも影響がありそうな気がする。持続可能でもないし、生物や植生の多様性も台無しである。

そこで我が山に導入されたのが草刈機である。
バッサバッサと雑草を倒してはその場に放置する。
最初は堆肥用に集めて堆肥置き場に溜めていた。それもよかったがそこらじゅうに生えている雑草を1箇所に集めてくるのも、出来上がった堆肥を栄養を補給したい場所に持っていくのも大変な重労働だ。
そこで、「雑草マルチ」である。まず草刈機で雑草を刈る。刈った雑草をその場に置いておくことでその下から出てくる雑草に日光を当てないようにする。刈り終わった雑草で次の雑草が育つのを防ぐ。要は雑草によるマルチングだ。
下から全く雑草が生えてこないか、と言われるとかなり疑問だが、除草剤を撒くよりは経済的に負担が少なく、刈った雑草を集めるより労力も少ない。なにより嬉しいのは土地全体の土壌の質が改善し始めたことだった。

実は山の土地を買ったばかりの時は水はけが悪くてネチネチした土だった。毎回長靴を履いて、ネチネチした土と共にお家に帰って玄関のたたきを土だらけにしていた。最近は生えては倒される雑草のおかげか、ふかふかして歩きやすい土に変わってきた。
綺麗な靴のまま帰れることのありがたさ。案外土壌改善は山ライフのクオリティーを上げてくれるようだ。

ふんだんに生えてくる雑草を利用して、最近は畑作りもいろいろと工夫している。

夏の間マクワウリを育てていた小さな畑。
ほとんど放置していたが、マクワウリは二つ収穫できた。
秋からえんどう豆を始めて越冬する試み。
来春は養蜂を頑張りたいので、蜜源としてお花畑も一緒に作っていきたい。

2023.10.22 私の新たな畑


えんどう豆の畑に雑草マルチを施す
2023.10.23 夫の新たな大根畑

夫は新しい手法「盛り土農法」という方法で畑を作った。
枠の中に土を盛って畝を作り、そこに種を蒔いた。栄養豊富な土壌が流れ出さないように木枠を高めに作ったそうだ。

自宅から山の土地は車で2時間ほどかかるので、多くても週に一回くらいしか手入れをすることができない。

刻一刻と変化していく作物の管理は到底無理だと思っていたが、最近は「雑草マルチ」に希望を持っている。
雨が降らなくても、雑草マルチが土壌の乾燥を防ぎ、作物が枯れないように水分を保ってくれるらしい。最低限の手入れで少しでも作物を収穫できればそれほど嬉しいことはない。

ちなみに雑草マルチをはじめ土作りや畑作りの参考にしている本がこちら↓

我が家のバイブルとして家の真ん中に鎮座している。人間の営みと多様性のある自然の共存するユートピアを想像させてくれる。個人的には胸が希望でいっぱいになる一冊だ。

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