#21_オンラインレジデンス_2021年公開予定映画『Songs For My Son』制作日誌

『Songs For My Son』制作日誌 vol.21
2020年11月20日 投稿者:監督・和田昌宏

なんだか最近コロナ感染者数がすごい勢いで増えていて、一気に東京で1000人とか行きそうな感じもしていますが、テレビや医者は気を付けましょうと言っているのに、いまだに政府はGOTOとか言っていて、どっちだよと思いながら悶々と過ごしています。

さて、現在映画のまとまった撮影は、来年2021年の4月ごろまでは一旦ストップして、それまでは一度今までの素材を編集して、何の素材が他に必要かを検証しようと思っています。ただ、その前にいくつか展覧会と1月には個展もあるので、そちらにも集中していきたいなと思っています。

最近は、11月後半からベトナムでの展覧会があり、現在はそちらの準備を進めています。このコロナが無かったら、本当は10月~11月はハノイにあるHeritage Spaceというところにアーティストインレジデンスとして一か月ほど滞在して、現地で作品制作、発表の予定だったのですが、現地滞在は中止となり、あいにく今回はアーティストトークや、ラウンドテーブル、作品制作などすべてオンラインを通して行われています。

そんなオンラインレジデンスという感じで、そんな事可能なのかな、と思っていたのですが、やはりなかなか難しいです。そもそも、体が向こうに無いのに、気持ちはやはりなかなか行けないという感じで、例えば元々大好きな人としばし遠距離恋愛になってしまったとかなら、オンラインでも気持ちは繋げられるかもしれませんが、ベトナムに行ったことがなく、現地の状況についてよくわかっていないにもかかわらず、気持ちを現地に滞在させる事がなかなかできません。

日本にいると、日々の生活や仕事、制作など圧倒的な日常に追われてしまい、なかなかミーティングやトークに参加することも難しく、申し訳ないなあと思いながら現地スタッフの方々とやり取りをしています。ただ、向こうのスタッフの方々は、ホント色々と一生懸命動いて、このプロジェクトを成功させたいという気持ちが伝わってくるので、余計申し訳なく感じてします。まあ、ただこのような事情なので、今回はしっかりした作品を作るというよりかは、リサーチに近い形でこのプロジェクトに参加しようと思っていました。

今回、展覧会のテーマ(このレジデンスプログラムには、毎年違ったテーマがあるそうです。)は、ブルー(青)がテーマで、そのテーマについても色々考えて制作してね、というのがあり、ブルーといえば労働者の色ということがまず頭に浮かんだので、もし行けたとしたら、現地の日本語学校で学び、将来的に外国人技能実習制度で、意地悪な言い方をすると、日本に技能実習という名目で労働力として働きに来る予定の人たちについてインタビュー、リサーチをしたいと思っていました。(もちろん本来の目的は違うし、しっかりと技能実習を行っている企業もたくさんあると思いますが。)それも、今回の映画で村田峰起さんに演じてもらっている、フンさんという役はベトナムから技能実習制度で山間の農家にやってきているという設定なので、日本に来る前の彼らはどんな気持ちや事情でやってくるのかを深く知りたいと思ったことがきっかけでした。また、もし行けるのであれば、村田君を現地に連れていって撮影も出来たらなあと当初は考えてもいました。が、それも難しくなってしまったので、今回はオンラインで、現地で日本語を学んでいる方々へのインタビュー映像を少し加工するリサーチ的な映像になると思っています。

制作としては、すでに現地の方々へのインタビューは終わって、現在はそのインタビューをまとめているところです。現地での撮影は、スタッフの方に手配してもらい撮影スタジオを借りて、背景にグリーンバックを付けてもらい、カメラとピンマイクを準備してもらい、僕はzoomで現地のスタジオと繋いでもらいながらインタビュー撮影を行いました。インタビューさせてもらえる方も、全部で7名ほど現地のスタッフの方が探してきてくれました。皆さん、とても日本語が上手で、僕が当初考えていた日本語学校に通う方ではなく、ハノイ大学というおそらく優秀な大学の、日本語学科の学生、卒業生の方々が中心で、外国人技能実習制度で来る方たちというよりは、研究者や日本企業への就職を考えている、どちらかというとホワイトカラーの方が多い感じでした。

当初の意図とは異なってはいましたが、彼らの意見が聞けて、なぜ日本に興味を持ち、働こうとするのかなど、少しだけ理解ができた気がします。初めましてで、お互い気を使いながら話す中でこういった少しセンシティブな問題を話すには、もう少し時間が必要だなと思いました。また、彼らが日本に来た時や、自分が現地に行く機会があれば引き続き彼らと話したいなと思っています。

最後に、報告としまして、前回の10月20日の制作日誌で書いた、文化庁の文化芸術活動の継続支援事業の申請が先日無事通過しました!非情に面倒くさい手続きで、5回程書類の差し戻し&再提出などを繰り返して、嫌がらせて諦めさせようとしているのではないかと思い、くじけそうになりましたが、この予算がないと映画の完成が難しくなっているので、なんとか踏ん張ってホント良かったです。ただ、また面倒くさそうな報告書をしっかりと提出しないと申請金額がもらえないので、まだやる事はかなり残っていますが。。。

実際、映画の予算はほとんど底を着きそうになっていて、再撮やポスプロの予算がほとんど残っていない状況でしたが、これでまた提出する報告書が問題なければ何とか来年に向けて制作が続けられそうです。ただ、超低予算でやっていても、役者やスタッフの方に謝礼をお支払いしていくと、人件費だけで撮影1日で10万円近く飛んでしまうので、それでも予算に余裕があるとは到底言えません。

もっと他の助成金なども申請していかないと、またすぐ干上がってしまいそうですので、もし助成金情報に詳しい方がいらっしゃいましたら、何か情報を教えていただけるとありがたいです!よろしくお願いいたします!

(和田)

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山奥プロダクション 
Songs for My Son 制作実行委員会

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