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LJL'21夏前半をデータで振り返ろうの会 -全チーム全選手主要スタッツ付きスペシャル-

ということで、早くも21夏の前半戦が終わったLJLの各チーム状況をデータで見てみようといういつもの試みです。「完全体」となったDFMが出だしにつまづく中、奇策のシャコJGスパムで調子を上げてきた一方、Blankロスながらも昨季まあまあだったSGがここにきて大失速等波乱もあったりなかったりななかですが、チームのデータ、個人のデータをみてあーだこーだ言うといういつものアレです。

ただ時々少し虚しさというか寂寥感というかそういったものを最近感じたりも。もしかしたら”LJL”をしっかりスポーツとして見てるのは俺だけなんじゃないか、という不安。面白くもねえコピペを貼りあうことで帰属心を満たしてプロにマウント取ってケチつけてストレス解消、そんなLJLのクソコメキッズが正しい見方で俺が間違ってるんじゃないかって。これマイナーゲームにはある意味つきものな話で、格闘ゲーム界でもかつて「ときど」がその不安を吐露し、そのうえで「それでも梅原大吾だけは俺の挑戦を真正面で受けてくれるはず」という全幅の信頼を寄せているインタビューもあります。

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ウメハラの歩いてきた孤独な道を猛追するときど、という図のなか、このインタビューから1年後、TOPANGAチャンピオンシップのインタビューでの様式美の発言を見るとなかなかに感慨深さを感じられる。

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そう、かつてときどが「梅原大吾」というたった一人に対して向けていた熱量、それが派生していく様が「アツイ」と思うわけで。今回のトパチャンを見て心震わせたプレイヤーはきっといるはずで、そうやって情熱が伝播していくってのは良いサイクルだなと思うわけで。こう見るといまのLJLに必要なのはこの「情熱」じゃないかなとか。かつてCerosはプレーオフ優勝で涙したし、YukiもRJ残留を決めて涙したわけだが、1戦にそれだけの情熱をもってプレイしている選手いまLJLに何人おるんやろ、と長年見ていて気になるところで。もちろんみんな「表に出さないだけ」かもしれないけど、もっと出していく、見てる側に伝えられる選手とか出てきたらいいかもねとか。

とまあ余談も済んだところでデータを見ていきましょう、例によって下位から。そして例によって敬称略。丸数字はチームの数字なら8チーム間での順位、選手なら同じレーンの8人の中での順位。あと集計サイトの都合断食セナの場合はBOT両方ともノーカンとします。数字が変になるので。データのもとはhttps://gol.gg/esports/home/より。みなさん念のため主催者発表のモノをご確認ください。

7位タイ 戦国ゲーミング 1勝7敗

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チームキル平均7.3⑧/デス平均14.9⑦ タワーゲット2.8⑧/ロスト8.3⑧
ドラゴン獲得平均2.25⑥/率46.7⑤ ヘラルド獲得平均0.88⑥/率43.8⑤
試合時間平均33:35②  金銭差/分-243⑧ 15分段階金銭差-1004⑦

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最下位だけあって指数は軒並み低調。特に問題がありそうなのが攻撃面で、チームキル7.3は7位のBCと約3離されてのダントツ最下位。試合時間が短いという言い訳もあるかもしれないが、さらに短い平均時間30:51のV3が1ゲーム13.3キルしているのを考えればだいたい半分しかキルが取れていない計算になる。この攻撃面の弱さはFB率にも表れており8チーム中唯一のFBゼロ。

かといってロースコアにゲームを進めるわけでなくデスは物凄い嵩んでいる。数少ない指数的な健闘点はドラゴンやヘラルドをそれなりにとれているところ。ただ、それがタワーに一切繋がっていない。15分段階の金銭でも大負けしており、そこから一切巻き返せず試合が早く終わってしまっているのを考えると、まずはレーンの強化、JGとレーンの連携あたりだろうか。

TOP Paz
KDA(2.0⑦/2.8⑦/2.5⑧)KP62.9%⑤ DPM393⑦ GD15:-184⑥ 
対面CS勝率37.5%⑦ DMG%26.0%① GPM346⑦ 視界スコア0.90⑥

長年TOPでEviが苦戦する相手で名前を挙げているPazだがここまでスタッツは芳しくない。レーン戦から苦戦が見られ、ダメージも低調。ダメージ率チーム1位だが、393で26%は完全に不調のチームに押し出されての数値。不調のチームにおいて苦戦はあれど大崩れこそしていないのが救いか。

JG Crash
KDA(1.0⑧/3.8⑥/3.9⑧)KP75.9%⑤ DPM208⑧ GD15:-293⑧ 
対面CS勝率50%④ DMG%13.4%⑧ GPM307⑧ 視界スコア1.35⑥

昨季そこそこ活躍していたCrashだが今期は一転大不調、平均2.5キルが1.0キルに、DPMは平均300から200に攻撃面が大弱化。原因の一端は春得意にしていたタリヤやヘカリム(3回ずつピックでKDA18.0/9.3)といった機動力に富んだチャンプが使えないせいか。夏ジャングルの環境に苦しんでいる模様。

MID Ramune
KDA(1.9⑦/3.1⑧/2.8⑧)KP71.9%⑤ DPM308⑧ GD15:-388⑥ 
対面CS勝率50%⑤ DMG%21.3%⑥ GPM327⑦ 視界スコア0.84⑧

LJL2018春にはDPM608、LJL全体でも4位のダメージを出していたRamuneだが、19のDFMサブ時代以降当時の輝きを取り戻せずにいる感がある。特に深刻なのがMIDにしては低すぎるDPM。また、視界スコアもMID1位Naehyun の半分。ダメージか、あるいは割り切ってサポート寄りか、どちらにしてもチームが苦しいだけにある程度の数値が欲しいところ。

ADC Gango
KDA(2.3⑦/2.4⑥/3.3⑦)KP78.4%③ DPM528⑦ GD15:+178③ 
対面CS勝率62.5%② DMG%32.6%③ GPM402⑥ 視界スコア1.19⑧

かつてLCKに見初められKT移籍を果たしたGangoだが、当時のコンビ復帰のはずがここまで低調な数値。レーン戦では善戦しているが、その後のダメージが物足りない。チームのダメージソースを一手に担っており狙い撃ちされるはずの中でデス数を抑えていたりと頑張っている面も見えるが…。

SUP Enty
KDA(0.1⑧/2.9⑤/5.1⑧)KP70.6%⑦ GD15:-317⑦ 
視界スコア2.36⑥ ワード破壊/分0.31④

LJLを席巻したBOTDUO再来、のはずが数値的には低調な状況に。普段は状況を変える攻撃的な一手が目立つEntyだが今期はそういった面が鳴りを潜めているような。得意のスレッシュをピックした試合は存在感もあったが、スレッシュが得意な選手が増えてきたのもピックを難しくしている感も。


7位タイ Burning Core 1勝7敗

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チームキル平均10.1⑦/デス平均13.6⑤ タワーゲット3.8⑦/ロスト8.3⑧
ドラゴン獲得平均2.25⑥/率41.0⑧ ヘラルド獲得平均0.63⑦/率31.3⑦
試合時間平均35:45⑦  金銭差/分-166⑦ 15分段階金銭差-354⑤

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こちらも下位に沈むだけあって指数はどれも低調。ただ良いところを探すなら相対的にデスは抑えられており、15分段階≒レーンでの金銭差はまだ十分巻き返せる程度に粘れている。となると問題はその後の集団戦だろう。キル数10.1はSGに比べればだいぶマシに見えるがそれでも6位のV3が13.3なのを考えると「大きく離されての7位」と言ってもいい。

ただ、レーンでの金銭差がある程度抑えられている一方、ドラゴンやヘラルドといったオブジェクトを犠牲にしているという点も浮かび上がってくる。攻撃的なJG、OnceということもありFBこそ50%で取れているが、結局オブジェクト管理が出来ずに試合時間が過ぎるほどにだんだん不利になっているというのが数字から見て取れる。

オブジェクト放置のこの姿勢でいくならばBANPICKから超アーリーゲームに寄せて25分で試合を畳むくらいの心意気で攻めるとか、なにか思い切った策がないとこのままではプレーオフ進出は苦しいと思われる。

TOP RayFarky
KDA(3.4③/3.6⑧/3.3⑦)KP57.9%⑥ DPM425② GD15:-46④ 
対面CS勝率50%④ DMG%21.6%⑤ GPM348⑥ 視界スコア0.86⑧

TOPキャリー戦略を使いがちなBCだけあってキルやダメージはTOPレーナー上位。ただその役目を担うにしてはデスで消えている時間があまりにも勿体ないのでは。チーム的には生存力を上げ、継続してダメージを出し続けてほしいところだと思われる。

JG Once
KDA(2.6⑥/3.0④/5.8⑦)KP83.0%① DPM410② GD15:+238③ 
対面CS勝率62.5%① DMG%21.2%② GPM344④ 視界スコア1.31⑦

攻撃的ジャングラーのOnce、今期も攻撃面はそこそこ好調で序盤のファームも快調とスタッツを見れば悪くないが、この視界スコアの低さとチームのオブジェクト獲得率の低さは関連性があるだろう。ビジョンワード数もJG1位のMoojinの0.4と比較して約半分、割とぶっちぎりJG最下位となっている。それならば「そこそこ」でなくBugiくらいのゲーム破壊力が欲しいところ。

MID Gariaru
KDA(1.6⑧/2.5⑥/5.5⑤)KP74.0%④ DPM381⑥ GD15:-437⑦ 
対面CS勝率37.5%⑥ DMG%19.6%⑦ GPM323⑧ 視界スコア1.21③

TOPやJGが攻撃的、ということは小規模戦を多発させたいと思われるBC、そして突発的小規模戦に即参入できるTF、ガリオが得意なGariaruは良い補強、と思われたが実際の運用を見る限り噛み合っている様子は見られない。サポーティブMIDでもBCなら噛み合えばいけるはずだが…。

ADC Yuhi
KDA(1.8⑧/3.0⑦/3.3⑦)KP62.2%⑧ DPM559④ GD15:-619⑦ 
対面CS勝率37.5%⑥ DMG%29.1%④ GPM379⑦ 視界スコア1.50③

TOP/JGがいくら攻撃的とはいえこのキル、アシストは物足りない。ただ、ダメージ自体は出ていないわけではなく、平均試合時間が長いのもあるがYutapon以上に出ていて全体で日本人2位。問題はその出したダメージがチームキルに繋がっていない状況だと思われる。フィニッシュの精度か。

SUP Proud
KDA(0.4⑥/2.1①/6.0⑦)KP73.4%⑤ GD15:+153①
視界スコア2.65③ ワード破壊/分0.29⑤

スタッツ的には決して悪くない。サポートとして出来ることは十分やっている感があるが、いかんせんBCの場合キャリー陣の生存能力が軒並み低く世界を救えていない感がある。個人的にはProudのえぐいプレイを見るたびにサポートの限界を感じて少し悲しくなるので、彼の頑張りに報いるべくチームが奮起するのを期待したいところ。


6位 ソフトバンクホークスゲーミング 4勝4敗

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チームキル平均13.6④/デス平均12.6④ タワーゲット5.3⑥/ロスト5.9⑥
ドラゴン獲得平均2.63②/率51.7④ ヘラルド獲得平均1.25②/率62.5③
試合時間平均34:41⑤  金銭差/分+38④ 15分段階金銭差+542③

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6位だが指数を見ていくと4や3といった数字も目立つ。キルやデスは平均帯の4位、ドラゴンやヘラルドに関しては確実に上位と言ってもいい形となっている。金銭差もプラス、15分段階では+542と上位3位に食い込んでいる。

では何が悪いか、ひとえにタワー周りの数値の悪さが足を引っ張っている。記憶だがSBはどこかでヘラルドを結局使えなかった試合もあったような気がするが、その影響もあったりすると思われる。ヘラルドが獲得できてもタワーが取れないといったこのアンバランスさ、これがSBがこの順位にいるすべてなのでは。15分段階では上位の金銭差をつけながら、試合時間が伸びている、というのも、もったいないアンバランスさだと感じられる。

TOP apaMEN
KDA(2.1⑥/2.4⑤/4.9⑥)KP45.6%⑧ DPM414③ GD15:-126⑤ 
対面CS勝率62.5%② DMG%23.0%② GPM372④ 視界スコア0.88⑦

ベテランだが意外に好不調の波が大きいイメージのapaさんだが今期はどうやらスタッツ的には裏の予感。対面CS勝率の高さはさすがの一言だが、その有利を後半の集団戦などに十分還元できていないというのをKPが物語っている感も。

JG Tussle
KDA(1.6⑦/3.4⑤/7.6①)KP71.9%⑦ DPM291⑥ GD15:-164⑥
対面CS勝率50%④ DMG%15.0%⑥ GPM324⑦ 視界スコア1.48④

お馴染み長年在籍により日本人枠のTussle。デビュー当時の攻撃的姿勢はすっかりなりを潜めているが今期はアシストで存在感を出している。ダイアナやランブルといった攻撃的ピックもあるがスタッツ的にはタンキー寄りのボリベアが圧倒的に良い数値だったりもする。

MID Dasher
KDA(4.8①/1.6③/4.8⑥)KP67.7%⑦ DPM543① GD15:+451② 
対面CS勝率62.5%③ DMG%29.2%① GPM415① 視界スコア1.21③

かつてLJL最強MIDの呼び声高かったDasher、今期は特に攻撃面のスタッツではライバルAriaを上回る数値を叩き出している。決して攻撃一辺倒でなくサイラスやリサンドラピックもあってこのスコアは立派。個としてのスタッツは十分非の打ちどころがないだけに今の順位は歯がゆい感があるだろう。

ADC Zenit
KDA(4.6②/2.3④/5.6④)KP80.3%② DPM461⑧ GD15:+59⑥ 
対面CS勝率37.5%⑥ DMG%25.4%⑧ GPM437② 視界スコア1.22⑦

とにかく評価が難しい。キル数は十分、KPも高い、後半ファームもできてる、それでもなぜかダメージは低い。ただ、MIDのDasherとキャリー2人として見れば、出してるダメージは十分か。あとは助っ人として考えると序盤のレーンに若干不安ありといったところ。

SUP Corporal
KDA(0.7③/2.6③/8.9⑥)KP78.0%② GD15:+124②
視界スコア3.02① ワード破壊/分0.43①

オーストラリア1位の実績を引っ提げてLJLにやってきた彼だが、今期の視界周りのスコアではサポートの中でも1位となり面目躍如といったところ。彼を日本人枠で使えるだけでかなりのプラスと言ってもいいだろう。あとはこの視界を適切に運用してくれればもう少し上位が見えるはずだが…。


2位タイ Crest Gaming Act 5勝3敗

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チームキル平均13.8③/デス平均15.9⑧ タワーゲット6.4③/ロスト5.5⑤
ドラゴン獲得平均2.25⑥/率45.6⑥ ヘラルド獲得平均0.63⑦/率31.3⑦
試合時間平均35:23⑥  金銭差/分-46⑥ 15分段階金銭差-1534⑧

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毎年毎年なぜこの順位にいるチーム大賞を獲得しているCGAだが今回もその座は揺るがないだろう。この指数を見て「同率2位」と分かる人はほぼいないのではないだろうか。キル数やタワーゲット数こそ上位だが、それ以外の数値は軒並み低調。とくに15分段階での金銭差は7位のSGからさらに500G離されている。ちなみに15分段階でいちばん金銭差をつけているDFMが+1730、ざっと3000G差、一人当たり靴とアーマー1枚分くらい差があるのだが、それでも同じ5勝3敗というのが恐ろしい。

数字からは見えてこないが、CGAが勝ちを拾っているのはひとえに集団戦のうまさにある。粘って試合時間を伸ばしてデカい集団戦で決めるのがCGAの形になっている。これでまた恐ろしいのが、ドラゴン獲得率も低い、すなわち相手にドラゴンを渡して金銭差をつけられてなお、集団戦で巻き返しているということになる。デス数も8チームで1番だが、「潰れ役がきちんと潰れている」という点が強さの秘密だと思われる。このあたりは個人の成績を見ると少し見えてくるかもしれない。

TOP Nap
KDA(3.8①/2.6⑥/5.8⑤)KP69.3%③ DPM413④ GD15:-186⑦ 
対面CS勝率50%④ DMG%20.8%⑥ GPM359⑤ 視界スコア1.06①

TOPのキル1位は意外にもディフェンシブなイメージのあるNap。前半15分のマイナス、スロースターターぶり以外は大きな穴もなく安定している。キルだけでなく視界スコアといったサポーティブな面でも数字を残しTOPからチームを支えていると言える。

JG Cassin
KDA(2.9④/4.4⑧/7.4③)KP81.1%② DPM391③ GD15:-144⑤
対面CS勝率62.5%① DMG%19.5%③ GPM349③ 視界スコア1.11⑧

捉えどころのないCGAのなかでもスタッツ的に特に捕えづらいのがこのCassin。ボコボコデスするし視界も取らない、がバトルには駆け付けダメージは出し切る。スタッツ的にOnceと似ているが、チーム的にもドラゴンヘラルド周りが弱いあたりも共通しておりひとつ課題と言えるかもしれない。

MID Naehyun
KDA(2.6⑥/1.8④/7.8②)KP75.5%② DPM472④ GD15:+104④ 
対面CS勝率62.5%③ DMG%23.4%④ GPM397③ 視界スコア1.66①

21の大物助っ人Naehyun。前評判ほどの爆発的な数字こそ見せてはいないものの、チームにマッチさせたのか気の利いた通好みのスタッツが並ぶ。特に視界スコア1.66はMIDでダントツ。カルマからゼドまで飛び出す剛柔自在の姿勢はチームワークが熟成していくにつれ脅威度が増すはず。

ADC Milan
KDA(3.8④/3.5⑧/5.4⑥)KP62.8%⑦ DPM584③ GD15:-876⑧ 
対面CS勝率25%⑧ DMG%28.4%⑥ GPM378⑧ 視界スコア1.32⑤

今年デビューと考えると序盤のレーンの負けもある程度想定内か。特筆すべきはむしろダメージを出した量で、DPM584は日本人1位、もちろん新人なので改善点はあるだろうが、それでもこれだけダメージ源となっているのは今季の好調CGAを支えていると言ってもよさそう。

SUP Alchemy
KDA(2.7②/3.6⑦/9.1④)KP79.2%① GD15:-430⑧
視界スコア2.28⑦ ワード破壊/分0.28⑥

キル数が高いが、ダメージはサポ3位でそこまででもない。集団戦ではキルを譲る余裕がないわけで、後半の集団戦を得意にするCGAのスタイルがここに反映されていると思われる。アシストも十分な数字だが、序盤の金銭マイナス、そして視界スコアには不安を残すと言ってもいいだろう。


2位タイ AXIZ 5勝3敗

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チームキル平均15.3②/デス平均14.1⑥ タワーゲット6.0④/ロスト4.8④
ドラゴン獲得平均2.63②/率52.1③ ヘラルド獲得平均1.13③/率56.3④
試合時間平均33:56③  金銭差/分+23⑤ 15分段階金銭差-565⑥

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今季意外にも、と言ってはもはや失礼か、快進撃を続けているのがこのAXIZ。数値からはアグレッシブな姿勢が見えてくる。キル数は2位、ドラゴン獲得もヘラルド獲得も上位、でありながら試合時間は短め。とにかく仕掛けて仕掛けてレーンでのマイナスを強引に引き戻している、と見ることが出来るだろう。

レーン戦でかなり負けていながらも、その後プラスに転じているあたり、CGA同様後半型のチームと見ることが出来る。ただCGAよりも当たって砕けろ感が強いように思えるが、それでもキルデスの収支をプラスに持って行っているのはさすがの一言。またAXIZが数字的にも立派だと言える点は、現在8試合終了で、首位RJと2回戦ってなおこの数値だという事。LJLはリーグが14試合で終わるため、もうRJと当たることはない。上位と目されるチームをひとつ消化済みで後半に突入となればさらに数字の良化も期待できる。バンピックもブリッツAIに評価されているとなれば躍進が期待されるが、勝ち慣れていないチーム、後半に生まれるプレッシャーとの戦いが一つポイント。

TOP Ino
KDA(1.6⑧/1.5①/6.4④)KP49.5%⑦ DPM313⑧ GD15:-590⑧ 
対面CS勝率37.5%⑦ DMG%14.7%⑧ GPM344⑧ 視界スコア1.06①

今季躍進のAXIZ、その立役者の一人と言ってもいいのがこのIno。ハッキリ言ってしまうと攻撃面でのスタッツは壊滅的だがとにかくセーフティに立ち回り、なんならサポート的なスタッツに仕上げている。日本人有力選手が集うTOPで新人が生き残るためのムーブともいえるが、チームが勝てているのだからこの選択は正しいといってもいいのだろう。

JG Hoglet
KDA(4.4①/4.1⑦/7.3④)KP78.8%③ DPM477① GD15:+239②
対面CS勝率62.5%① DMG%23.8%① GPM355① 視界スコア1.66②

今期躍進AXIZの頭脳がHoglet。今期は攻撃面でほぼJGトップのスコアを軒並み叩き出し、さらに視界スコアも良好。唯一の問題としてはAXIZの攻撃面を担っていることは他チームから把握されており、デスが嵩んでいるところか。彼が落ちた瞬間にAXIZの迫力は半減するため慎重な対応も求められる。

MID Megumiin
KDA(3.0⑤/3.0⑦/7.4③)KP60.4%⑧ DPM379⑦ GD15:-600⑧ 
対面CS勝率62.5%② DMG%18.4%⑧ GPM367⑥ 視界スコア1.08⑤

LCK経験者や日本人ベテランが並ぶMIDに挑戦する新人、ということでさすがに相手が悪い。対面CSの低さや、序盤でのマイナスの大きさは苦戦を物語っている。一方アシスト7.4はすごい。キャリー力はJG/ADCで十分なので、サポーティブなピックでも問題なさそうだが、そういうピックに限って負けている感があるのが面白いところ。

ADC Honey
KDA(5.6①/1.8②/6.8③)KP81.8%① DPM781① GD15:+436①
対面CS勝率62.5%② DMG%37.2%① GPM473① 視界スコア1.92①

キル5.6は全体ダントツ1位、DPM781も抜けた1位と大ブレイク。おまけに視界まで取るし死ににくいしまさにAXIZの心臓といってもいいだろう。ただ、おそらくブレイク期間に各チームがこの状況に気づいてHoneyを狙ってくるはず。より一層マークがきつくなると思われる中、AXIZを上位に導けるか。

SUP Nemoh
KDA(0.6④/3.8⑧/11.0①)KP73.1%⑥ GD15:-50⑥
視界スコア2.58④ ワード破壊/分0.27⑦

誰が予想しただろう、現段階でLJLのアシストキングはAXIZの新人日本人Nemohの手にある。もちろんデスが嵩んでいたり、ワード破壊が不十分な感があるが、このアグレッシブな姿勢が今期のAXIZの推進力となっているのは確かだろう。新人で相方は外国人でこれ、というエグさ。

2位タイ V3 Esports 5勝3敗

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チームキル平均13.3⑥/デス平均10.9② タワーゲット6.0④/ロスト4.4②
ドラゴン獲得平均2.63②/率62.9① ヘラルド獲得平均1.38①/率68.8①
試合時間平均30:51①  金銭差/分+100③ 15分段階金銭差-+398④

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昨年夏の覇者V3も現段階では好位置をキープ。キル平均こそ6位だが3位から6位までが0.5差にある団子状態で実質3位と見てもいいくらいの数値、となると指数的には流石の上位といえる数字が並んでいる。

特にオブジェクト、ドラゴンヘラルドを重要視しているチームだというのがよくわかる、一方タワーについてはあまりゲット数が多くないという一面もある。また、8チーム中1番早く試合を畳むチームながらドラゴンを重視している、というのも若干のちぐはぐさを感じる。そのあたりが数値的に上位ながら取りこぼしてこの順位といった感じに影響しているのかもしれない。

TOP cogcog
KDA(2.5⑤/1.9②/7.1②)KP72.9%① DPM438① GD15:+128③ 
対面CS勝率75%① DMG%22.2%③ GPM373③ 視界スコア0.91⑤

ベテランながらV3移籍後スタッツの数字を上げてきたCogocogだが今期もその傾向は顕著。75%で対面にCSで勝ち、TOPで最もダメージを出し、KPは70パーを超え、かつ生存力も高い。TOPに欲しい数字をどれも高い位置でまとめている印象がある。

JG MooJin
KDA(3.4②/1.9①/6.5⑥)KP74.5%⑥ DPM355④ GD15:+54④
対面CS勝率37.5%⑥ DMG%18.3%④ GPM354② 視界スコア1.44⑤

スタッツ的にはデス数以外飛びぬけたものはないが、どれも良いあたりにまとめられてる分セーフティで良いのかもしれない。特にV3ドラゴンバロンゲット率の高さは各レーンの強さ、そしてMoojinの数字に出ないバランス感覚で成り立っているものと思われる。

MID Ace
KDA(4.1②/1.5②/4.8⑥)KP69.1%⑥ DPM512② GD15:-96⑤ 
対面CS勝率37.5%⑥ DMG%26.2%② GPM386⑤ 視界スコア1.03⑥

期を重ねるたびに攻撃的な姿勢を増していき、いまや攻撃面のスタッツでMIDトップのDasherに肉薄する位置につけている。得意のガリオでNaehyunを対面において8/0/9は圧巻の一言。序盤のレーン戦に多少難があるくらいで、ほかはKR勢と遜色ないと言ってもいいだろう。

ADC Hollow
KDA(3.1⑤/2.3④/7.0①)KP71.4%④ DPM541⑥ GD15:+245② 
対面CS勝率62.5%② DMG%27.3%⑦ GPM422⑤ 視界スコア1.27⑥

アシストは良い数値を叩き出しているし序盤のレーンでもプラスを叩き出しているものの、ダメージでは少し物足りない。ただこれは試合時間が圧倒的に短いV3という事情があるかもしれない。そう考えればチームに噛み合ったムーブで戦っているともいえる。

SUP Raina
KDA(0.3⑦/2.9⑤/9.3③)KP69.7%⑧ GD15:+102④
視界スコア2.40⑤ ワード破壊/分0.41②

Entyの代名詞だったスレッシュを奪うべく今期Nemohとともに猛アタックしてる感のあるRaina。2人ともスレッシュ3回ピックで勝率100%は立派。KPの低さこそ気になるものの、その分ワード破壊に奔走していると考えればチームへの貢献度は高いと考えて間違いないだろう。


2位タイ DFM 5勝3敗

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チームキル平均13.4⑤/デス平均9.4① タワーゲット7.1②/ロスト4.4②
ドラゴン獲得平均2.00⑧/率44.1⑦ ヘラルド獲得平均1.13③/率68.8①
試合時間平均34:28④  金銭差/分+132② 15分段階金銭差-+1730①

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「完全体」となったDFMだが、MSI出場チームのジンクスにどっぷりはまりスタートダッシュに大失敗。するも巻き返してこの位置。数値的にはそこそこ1位項目もあり、「数値的には悪くないが噛み合わずの敗戦」だったことがうかがえる。

どの指数もとくに高い中、ひとつ注目点はドラゴン獲得の低さ。明らかに、そして意図的にドラゴンを軽視しているのが見て取れる。今のメタを分析しての結果なのか否なのかが気になるところ。また、15分段階での金銭差はダントツ1位の+1730。3000Gついたらそこそこ有利感のあるLOLで15分でこれだけ優位を築きながら、というのは不安材料と言えるだろう。これだけ金銭差が付けられるのならばそのままさっさと逃げ切りたいところだが試合時間も真ん中付近。ただ徐々に調子を上げての現在位置なのでここからの数字の良化の可能性も十分にあるといえるだろう。

TOP Evi
KDA(2.9④/2.1③/6.6③)KP72.4%② DPM411⑤ GD15:+614① 
対面CS勝率62.5%② DMG%21.7%④ GPM377② 視界スコア0.96④

日本のエースEvi、DPMに関しては過去にはADCたちに並ぶ数値を叩き出していたが今期はTOPでまあまあの位置に落ち着いている。そんなやや不調感があるなかですら群を抜いた15分段階の金銭有利の額は、Aria、Dasher、HoneyといったKR猛者を抑えての全体1位となっている。

JG Steal
KDA(2.8⑤/1.9①/7.5②)KP78.4%④ DPM355④ GD15:+319①
対面CS勝率37.5%⑥ DMG%18.1%⑤ GPM338⑤ 視界スコア2.14①

LJLが誇るサポーティブジャングラーの雄Steal、なんといっても彼の特色はその視界スコア。JGの視界スコア2位が1.66なので一人だけ異次元の数値を叩き出している。全体でも9番目、要はサポ8人の次。サポで一番視界スコアが低いのがGeangだが、その2.19にほぼ遜色ないスコアを叩き出し、2名で視界管理を徹底しているチームカラーが浮かび上がってくる。

MID Aria
KDA(4.1②/1.4①/5.6④)KP74.2%③ DPM465⑤ GD15:+560①
対面CS勝率75%① DMG%24.3%③ GPM403② 視界スコア1.33②

MSIではあのShowmaker相手に大立ち回りを演じLCKからも大注目されていたAriaだが、今期もスタッツはかなり高水準でまとめてきている。唯一、AriaにしてはDPMが物足りないが、このあたりは今期序盤のDFMのつまづきと無関係ではないだろう。後半に向けて巻き返せるかが見どころ。

ADC Yutapon
KDA(3.0⑥/1.4①/5.5⑤)KP66.5%⑥ DPM548⑤ GD15:+175④ 
対面CS勝率50%④ DMG%28.8%⑤ GPM429④ 視界スコア1.33④

盟友Cerosが控えになって以来最古参となったがいまだ衰え知らず。特にデスの少なさは相変わらず、世界をも翻弄した天才的なムービングを捕らえるのは困難を極める。一方春に比べるとキル数が5.8→3.0とほぼ半減しておりまだ本調子とは言えなさそうな気配もありつつ。

SUP Gaeng
KDA(0.6④/2.6③/9.1④)KP75.0%③ GD15:+62⑤
視界スコア2.19⑧ ワード破壊/分0.26⑧

1シーズンチームの都合で休んだGeangだが、スタッツを見るとまだ本調子とは言えなさそうだ。特に視界周りはかなり悪い。元々、昨夏の視界スコアは2.88で2位、ワード破壊も0.42で3位だったわけで。Stealが高い視界管理をしているためチームとして致命傷に至っていないが…。Geangの復調がDFMにとって一番のカギとなっていると言ってもいいだろう。

1位 Rascal Jester 6勝2敗

画像11

チームキル平均15.6①/デス平均10.9② タワーゲット7.8①/ロスト3.6①
ドラゴン獲得平均2.75①/率55.8② ヘラルド獲得平均0.75⑥/率37.5⑥
試合時間平均36:14⑧  金銭差/分+162① 15分段階金銭差-+786②

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現在1位をひた走るRJ。1位の項目も多く軒並み指数的にも見栄えのいい数値が並ぶ。特にタワー周りはもっとも折ってもっとも折られない、と抜群の強さを見せる。特に試合時間が最も長いながらもっとも折られない、というのはなかなか異常な数値と言ってもいいだろう。相手が攻めあぐねているというのがよくわかる。

こう見ていくとロングゲームどんとこい、というスタイルも見えてくる。もちろんレーン段階でも強いのだが、タワー周りで有利を築きつつドラゴンを獲得し後半戦に備えている感じだろうか。一方ヘラルドに関してはこちらも露骨に軽視している姿勢が見て取れる。序盤のタワープレート獲得に大きな影響を及ぼすはずのヘラルドを軽視してなお15分で金銭差を大きくつけるスタイルは相当の自力が要求されるはずだが現在やってのけている。ただ、それでもやはり試合時間が伸びると集団戦一発で試合が終わる可能性もあるわけで強いチームにしてはリスキーな戦い方をしている、と見ることも出来るだろう。

TOP Kinatu
KDA(3.6②/2.1③/7.3①)KP69.0%④ DPM401⑥ GD15:+391② 
対面CS勝率50%④ DMG%19.6%⑦ GPM397① 視界スコア0.99③

ゴールデンルーキーKinatuは春の調子そのままに夏も快進撃を続行中、どのスコアも 高い水準でまとめており、ルーキーらしからぬシブいスタッツと言える。また猛者揃いのTOPにおいて15分段階の対面金銭差+391はTOPで2位、全体でも6位にランクインするほどの好位置につけている。

JG hachamecha
KDA(3.4②/2.9③/7.1⑤)KP67.8%⑧ DPM285⑦ GD15:-248⑦
対面CS勝率37.5%⑥ DMG%18.1%⑤ GPM332⑥ 視界スコア1.61③

何期連続かわからないが唯一の日本人JGと気を吐くhachaさん。彼もスタッツ的にはコントロール系ジャングラーと言ってもいいだろう。視界スコア1.61は十分に高い。KPの低さこそ気になるが、RJのチームカラー的に圧倒的なBOTの2人がいるため、変に鉄火場に顔を突っ込むよりは汗かき役に徹している方がチームがうまく回るのかもしれない。

MID Recap
KDA(3.8④/1.8④/5.6④)KP76.1%① DPM474③ GD15:+406③
対面CS勝率62.5%② DMG%22.8%⑤ GPM389④ 視界スコア0.97⑦

突然のRJ復帰から即上位入りという「RJのラストピース」Recap。スタッツもブランクがあると基本落ちる中、S8の頃より調子を上げていい感じのスコアでまとめている。いったいブランクの間に何があったのか、というくらいの驚き、今や日本最強MID候補の一角と言ってもいいだろう。

ADC Ssol
KDA(3.9③/1.8②/7.0①)KP70.3%③ DPM722② GD15:+119⑤ 
対面CS勝率75%① DMG%34.7%② GPM434③ 視界スコア1.59②

春のDPMキングにしてベストADCは今季もDPM的には好調を維持。DPM全体3位が584なのを考えると、HoneyとSsolの突出度のエグさがよくわかる。CSで75%勝ちながらGD15が伸び悩んでいるが、恐らく序盤から相手が狙ってきているのも影響しているのだろう。そのうえで、と見るとなかなかの数字。

SUP Secret
KDA(1.0①/2.4②/10.5②)KP73.8%④ GD15:+119③
視界スコア2.84③ ワード破壊/分0.39③

春にブレイクしたスーパーBOTレーンの一角だが、今期も好調な数値が並ぶ。戦闘でも存在感を出しながら視界管理もこなし、そのうえピック幅は純タンクからカルマ、バードやユーミでも結果を残す、どれを出しても一級品という、一家に一台欲しいといってもいいスーパーサポート。

最後に

いまのLJLのレギュレーションは6/8がプレーオフで、正直順位アドバンテージも薄いのでそこらへんはなんだかなあと思ったりします。ともあれこの数字を経て後半戦どうなるか楽しみに見ようと思ったりも。いやー試合前に間に合ったーといった気持ちもあるが、スタート9時間前の深夜にアップして誰が見るんだよ、という気も。まあ元から自分以外相当の好事家しか見てねえんだしええか。

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