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データで見ようLJL2021Spring予想と展望など

ということで明日に迫ったLJL2021春の開幕、昨年からのコロナ継続で、去年と同じノリなら、Worldsは無理やりやるけどMSIはお茶濁しイベント程度って話となり昨年以上に茶番感もあるっちゃあるけど、まあそれはそれ。いろいろあったりなかったりで今年も大変動を遂げたLJLの2021各チームの面子を見ながらあーだこーだ書いていこう、という話なのだがここでもう一つの茶番感としては、この予想とか何とかには「メンバーが揃えば」という注釈がついてしまう事。昨年AXIZ、RJあたりは韓国人選手の穴が結果に大きく響いた感があるので、あくまで「ベストメンバー揃えば」という話なのを先に書いておかねばならないというのがあれ。 Eスポ笑百科とかしょうもねえの書いてるからこんなギリギリなんだよって感があるが、ともあれいってみましょうといったところ。

1.2020夏の振り返り 部門トップの確認

昨年は中盤の5連敗が響きDFMは2014以来の下位に沈む結果に。その混乱の20夏を制したのがV3.続いて戦国CGADFMソフバンBCまでがプレーオフ圏内。さすがに立て直したDFMがプレーオフを駆けあがるもV3に届かず終戦。なお期待を背負って出たV3世界戦は振るわず帰国、というのが簡単な流れ。

・DPM上位5傑(サポセナを除く)
Gango(CGA)610
Archer(V3)600
Art(RJ)579
Aria(CGA)572
Honey(SHG)570

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上位5人はいずれも韓国勢。ADCがダメージを出すメタだったなかMID4位に食い込んできているのはAria。これならDFMが欲しがるのも分かるが、一方日本人最高位としては全体7位のDPM523でYutaponとCerosが並んでいる。ダメージという観点だけでいけばMID3位の523DPM、ADC5位の523DPMというわけでCerosのほうが希少価値が高い気もするが…。この5傑のうちArcherとArtは現段階で未だFA、所属先が決まっていない。特にArtは昨季のコロナによる緊急状態のチーム構成でこのダメージであり「安定して出せる」良ADCだと思うのだが。なおレーン別でTOPの1位は混戦ながらRJのcogcog、その下にレイファPazEviアパさんが僅差で続いている。JG1位は意外にもOnce、続いてBugiBlankとなっている。

・キル上位5傑(サポセナを除く)
Bugi(V3)5.4
Aria(CGA)4.9
Evi(RJ)4.3
Archer(V3)4.0
Gango(SHG)4.0

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こちらは見たまんま。DPMと多少違うのはEviとBugiの躍進。キルラインの見極め等々が関係していると思われる。まあそれくらい。ここにも顔を出しているArcherがFA獲得なしというのが奇妙なとこ。まあ今期は移籍が特殊で色々あったのかもしれないが。

・デス上位5傑(サポセナを除く)
Yutorimoyashi (SG)1.1
Bugi(V3)1.4
Archer(V3)1.4
Ace(V3)1.4
Yutapon(DFM)1.4
Raina(V3)1.4

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デスについては当然少ないほう。1位には引退表明のYutorimoyashiが。RPGのMeromeronから受け継がれた「とにかく生きて生きて最後まで火力を出す」というRPG型ADCは結局後継者不在のまま再度の引退となった。実力的には「押し出されての引退」ではないため、単純にLJLの選手レベル的な話で言えば損害となる。早くして引退した中田ヒデのような。いくらヒデが慢性的なケガ抱えてても、その状態のヒデにすら勝てるやつまだおらんやろ、みたいな。あとはV3のチームとしての生存能力の高さが目立つ。この生存能力の源は「BugiのJG制圧力」だったのか「Sonコーチの作戦」だったのか、「Rainaのサポート力」だったのかは今期の結果でわかりそうな予感も。

・アシスト上位5傑(サポセナを除く)
Raina(V3)10.4
Grendel(CGA)9.6
Ace(V3)7.8
Geang(DFM)8.6
Enty(SG)8.4
Proud(BC)8.4

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上位は日本人サポートが占める中、サポート型MIDのAceが3位にランクイン。昨季はPaz、Bugi、Archerのなかでサポーティブに動いて結果を出した感があるが、今期はまた新たな構成。特にBugi級の活躍と言うのはなかなか望めるものでもないので真価が問われる形ともなりそう。

・視界スコア上位5傑(サポセナを除く)
Proud(BC)2.97
Geang(DFM)2.88
Corporal(AXIZ)2.75
Enty(SG)2.73
Grendel(CGA)2.53

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一方サポートのもう一つの仕事、視界管理の一指標である視界スコア、こちらでは基本的に助っ人サポートが上位を占める。特にProudは圧巻のスコア。日本1年目、あのAXIZで3位に食い込んだCorporalはさすがオセアニア1位の貫禄でもあり、それに肉薄するEntyもさすがの一言。なおサポート以外ではStealの1.95が最大。JG2位のHogletが1.64と2位と0.3もつけており、ジャングラーの視界管理としてはStealが飛びぬけていることも分かる。


2020夏8位 Rascal Jester

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TOP KINATU(新人)
JNG HACHAMECHA(前RJ)
MID RECAP(元V3)
ADC SSOL(前AF(韓国1部)サブ)
SUP SECRET(前SP(韓国1部)サブ)

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昨年は3KRというガン有利な体制を築きながら春は5割の4位、そして夏はコロナ禍に巻き込まれ最下位に落ちた古豪RJ。未だ復活は遠いかといったなか今期は4枚チェンジ。長年Cogcogが担ってきたTOPには新人を、MIDにはかつてV3で活躍したRECAPを、そしてBOTにはLCK出場経験のある二人をピックアップ。

ただ選手を見ていくとSSOLはLCK1部では活躍していたかと言われれば難しいころでSECRETも出場はしていたが下位クラブであったため、下位クラブのサポートほど評価の難しいものはないという話であって。RECAPも実質2018夏以来の復帰となるが、当時の成績で言えばDPM413、CS勝率44%と当時のままではキャリー力に疑問は残る。一方引退して錆びついているわけではなく日本サーバー上位を占めてもおり、当時からの上積みがあれば、といったところ。

一つ怖いのはRJが昨季やらかしたと思われる韓国人問題。今期のチーム写真もBOTの二人の写真がないことがひとつ気にかかる。万全の状態であればどうにか、といった感のある中、昨夏と同じ轍を踏んで最初の数戦を、あるいは全戦韓国人助っ人なし、となればそれだけでLJLのプレーオフ争いからも脱落していると言ってもいいくらいだろう。新人、久々復帰、コロナでごたついてる外国人絡み、といったなかHACHAMECHAがどうタクトを振るか、降り方次第でなんとかなるのか、という点にひとつ注目したい。

「期待」
・一応LCK経験のあるBOTレーン。腐っても鯛、LJLレベルなら余裕なのか?
「不安」
・そもそも来日出来ているのかBOTレーン。RECAPの復帰具合にも注目。


2020夏7位 AXIZ

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TOP Ino(前DFMサブ)
JNG Hoglet(前AXIZ)
MID Megumin(新人)
ADC Honey(前SBH)
SUP Nemoh(前CGAサブ)

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Hogletを除き4枚チェンジで臨む今期のAXIZ。とくに日本人3人はいずれも一部出場経験がない非常にフレッシュなチームで、Honeyも昨年ソフバンでプロをスタートさせた経験が薄いチームになる。唯一経験豊富なHogletがどこまで支えになれるかがひとつポイントになるかもしれない。

スターター以外にも、昨年春の躍進を支えたとも言われるYangコーチがDFMへ移籍し、コーチ経験のない2人が現状コーチについている模様。ここまで見るとあまりに「未知数」の多いチームで、あまり期待しすぎるのも酷といったところか。

一つ気になるのがAXIZのリセット癖。日本人オンリーチームの結成時から助っ人導入、諸々あって2020春は勝率5割に近づけいい感じで進んでいたところからの夏のゴタゴタ、そしてこの4枚チェンジ。特に結成時から中心になっていたGariaru放出は痛そう。昨夏も3勝11敗と苦しんだ中、あのMIDレーンで15分段階CS勝率64.3%、2020春の15分段階CS勝率69.2%と「個」として1年通してゲームを成立させていただけに、その穴を新人Meguminが埋められるかがまず上位戦線に食らいついていけるかのポイントになりそう。

「期待」
・若手主体のチーム、LJLの新たなヒーローが出るかもしれない。
「不安」
・実績にかなりの不安あり。

2020夏6位 Burning Core

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TOP RayFarky(前BC)
JNG Once(前BC)
MID Gariaru(前AXIZ)
ADC Yuhi(前BC)
SUP Proud(前BC)

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2019夏からメンバーがかなり固定された状態で4シーズン目を迎えるBC、昨夏はその苦難の道が結実しかけ、あのDFMをプレーオフでギリギリにまで追い込む健闘を見せた。おそらくメンバー的にもいい印象を残して昨シーズンを終え、そしてMID以外変更なしで迎えた今シーズンは精神的にも上積みが期待できそうなところ。

今回の目玉は唯一変更となったGariaruだが、AXIZの部分で語った通り、2020のGariaruは年間を通じてかなり好調だったといえる。性分的にキャリータイプというよりガリオに代表されるサポーティブなタイプだが、その特性はTOPでのKPが69%で1位、DPMはTOP2位、KDAは同率3位、レーンCS勝率64.3%とTOPから試合を動かすスタイルも持っているRayFarkyのいるBCにうまくハマりそう。

不安点はスーパーサポートProudがいてもなおやはりBOTレーン、Yuhiが特にレーン戦で苦しむ場合が多くそこが難しいところといえる。20夏の15分段階CS勝率は21%で、平均して対面に-739G負けているのは厳しいところ。一方、元から波のある感はあるが、プレーオフのDFM戦では5戦を通じてYutaponに引けを取らないハイパフォーマンスを披露、あのYutaponGeangに対してCS勝率8割、15分平均+57Gを記録、5戦通じての平均DPMが463のYutaponに対し平均530を記録し大熱戦の立役者となった。あのプレーオフのプレイが継続できるのなら、今期のBCは相当恐ろしいチームといえる。

「期待」
・連携面はLJL随一。そこにマップを広く使えるGariaruは好補強。
「不安」
・調子の波が大きいBOTのYuhi。高止まりすれば台風の目に。

2020夏5位 SoftBank Hawks

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TOP apaMEN(前SG)
JNG Tussle(前SBH)
MID DasheR(前SBH)
ADC Zenit(前HLE(韓国1部)サブ)
SUP Corporal(前AXIZ)

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2020参戦で春こそLJLの壁に阻まれ8位だったが、夏には3KR陣形で躍進し2シーズン目で勝率5割を確立。今オフでは「他店より必ずお高くします!」といったヤマダ電機的なTOPプレイヤー募集も話題になったSBH。その甲斐あって懸案事項だったTOPにはプレーオフ請負人apaMENの獲得に成功。TUSSLEの残留、DasheRの残留、そしてZENITとCorporalの獲得で1JP3KR1オージーという多国籍軍が完成した。まるでバレンティンを獲得して内川も手元にいるのに両方2軍に寝かせておいたまま優勝した野球のソフバンみたいだぁ…。

一番の注目はZENITか。あのLehendsとコンビを組み1勝4敗というのがあるが、もっとわかりやすいのは2019春、GangoがKTでスタメンを争っていたのがこのZENITになる。勝率はGangoが25%でZENITが35%、両方とも苦労したわけだが、ここから分かる点として「LCK的にはGangoと同等、もしくはちょい上」という評価だと言うところ。初の日本のZENITに対し、多少の慣れはあるGango、かつてKTでしのぎを削った二人の対決にも注目したい。

あとの補強点、apaさんに関してもCorporalに関しても確実に優良物件で、昨年より上積みを期待したいところ。どのレーンにも上位を狙える面子を揃えたといえるが、そうなると一つ気になるのがTussleの調子、昨年は大物ジャングラーたちの来襲で気後れしたのか、昨夏の15分対面CS勝率は40%、DPMはほぼ新人のYunikaより下のJG最下位162にKPも同じく最下位65.2%。かといって視界スコアもJGで6位と視界が取れていたわけでもなく、タンキーに行くことも多かったこともあるが、それでも存在感が薄かった。今回「どのレーンも勝てそう」な状態にあるこのチームで再度存在感を示せるか、が一つポイントになってくると思われる。

「期待」
・面子は超強化。優勝もあり得るスタメンを揃えた。
「不安」
・近年勢いに欠くTussle。久々の爆発を期待したい。


2020夏4位 DetonatioN FM

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TOP Evi(前DFM)
JNG Steal(前DFM)
MID Aria(前CGA)
ADC Yutapon(前DFM)
SUP KAZU(前DFMコーチ)

サブ Ceros(MID)/Geang(SUP)/

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2020夏、まさかの中位転落という事態を受けて、OnAir体制とはいったいなんだったのか、という反省や考察をする間もなくスタメンでテコ入れしてきた今期のDFM。久々の特大「梅崎ULT」は、オールスター投票MID1位、日本人MIDの雄、そしてDFMの象徴ともいえる皇帝Cerosをサブに回してまでのAria獲得というある種の暴挙であった。余裕で他チームならエース級をサブに回す判断は、「LJLのレベル」を考えれば損失だが、大量のスポンサーを抱えた「常勝軍団」にとって、「国内優勝」がもはや絶対の義務レベルであることを内外に伺わせる形となっている。

もちろん今回のポイントとなるのはAriaになる。LJL、そして世界戦でスーパープレイを見せるCerosだが、一方ではKRソロキューがダイヤ止まりというBallsさん以来の誹りを受けることも多かった。一方Ariaは余裕のチャレンジャーでありハンドスキルという面ではLJL屈指と言ってもいい。現にCerosの15分CS対面勝率は40%なことに対し、Ariaは85.7%。DPMもCerosが523に対して571と高い数値を記録、CerosのKPは53%なのに対しAriaは68.7%、Cerosも数値次第ではLJL上位なことは間違いないのだが、AriaはLJLトップ級の数値をCGAで叩き出している。CGAは代々日本人JGで、JG-MIDの連携面としては多少不利を背負っている中でこれなので、やはりAriaというのはLJLの補強においてはSSRと言ってもいいだろう。

ただ気になるのが、果たしてしばらく「キャリーMID」などというスタンダードなスタイルをやってこなかったDFMにそれが出来るのか、といったところ。そしてもう一つは、果たして昨季の病巣はCerosだったのか、といったところ。最初に出したようにCerosのDPMはYutaponと並んで日本人1位、MIDで3位。CerosはもともとMIDをプッシュするという役を担っていてKPももうずっと低い、18夏のKP55%からずーっと53-60の間でうろうろしている。それが良いかと言われればまた困るが、それで勝てていたのは事実であり。逆にYutaponのKPが60.4%というのはかなり低く、20春66%、19夏72%、19春66%、18夏66%と、66-72で推移してきたなか60.4%と昨年試合に絡めてない度合いが高い形になっている。ちなみにこのKPはADC最下位、CerosのKPもMID最下位だが、そこが定位置のCerosと考えると、Yutaponの不調もひとつ気になるところ。まして相棒がGeangからKazuと言ってしまえばパワーダウンする中、リスクを背負ってまでテコ入れするべきは本当にMIDだったのか、というのが一つ見どころになってくるだろう。

「期待」
・MIDをAria/Cerosで色の違う2チームが作れる点。
「不安」
・昨年苦しんだ感のあるYutaponにサポート弱化はどう出るか。

2020夏3位 Crest Gaming Act

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TOP Nap(前CGA)
JNG Cassin(前DRX Academy(韓国1部の育成))
MID Naehyun(前Griffin(韓国2部))
ADC Milan(新人)
SUP Alchemy(前CGA)

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2019春、AriaとArtを迎えての超弩級大砲2門でLJL上位にのし上がり、以来ArtからGangoに変化もしたがそのWキャリースタイルで中位から上位の常連となっていたCGAだが、久々にその伝統を捨てて臨むことになった今シーズン。そのADCには新人を抜擢というかなりチャレンジングな布陣に見える。一方、MIDにはLCKそれもあのGriffinに名を連ねたNaehyunにDragonXの下部組織にいたCassinと「圧」のある補強に成功。今までと一味違うCGAになることはほぼ確実と言ってもいいだろう。

ただ前期のNaehyunは韓国2部で5位のグリフィンで、実際韓国2部での対面CS勝率は54%、ダメージも478と2部でもチームをキャリーしきれていないという部分が一つ気がかりになってくる。キル数やダメージは韓国2部上位だが、果たしてLJLでどこまで戦えるかが気になるところ。もちろん相手には日本人新人なんて場合もあるのだから当然ある程度は行けるだろうが、舐めていると思わぬつまづきもありえそうな点が一つと、「Ariaの後任」「ADCは日本人新人」ということを考えればやはり爆発的なキャリーを期待したいところ。もとよりNapはタンキーで粘り強く戦う点に定評があり、BOTは日本人同士、JGも下部組織上がりとなれば「Naehyun次第」の側面もあり、また彼個人が「そこそこ」程度ではチームとして浮上が難しい可能性がある。

あとはもう一点として、ここも写真が二枚黒い、つまり写真撮影に間に合っていない可能性があるという事になる。そして写真撮影の時期は「緊急事態宣言」真っ最中。国外渡航に制限みたいな話があったころであり、果たして当日間に合うのかというのも一つ注目したい。

「期待」
・KRJNG-MIDのラインを揃えたLJL式チームにアップデート。
「不安」
・今までのスタイルを大幅に変更することで崩れる可能性も。

2020夏2位 SengokuGaming

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TOP Paz(前V3)
JNG CRASH(前J Team(台湾1部))
MID Ramune(前SBH)
ADC Gango(前CGA)
SUP Enty(前SG)

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2020年末、LJLファンは心配をしていた。昨年Blank-PireanというSKTブランド、おそらく相当な資金をぶち込んだであろうSGが結局優勝に届かなかった。もしかしてそこでやる気をなくして適当補強で適当運営する可能性もあると。新興チームならそんなこともありえそうだ、どうせ2部落ちはないんだから、と。ただ、SGは今季も(昨季ほどではないが)勝てる面子を作ってきたように思える。特にTOPのapaMENを失った中で、LJLで同じくTier1級のTOPであるPazを獲得してきたあたり、まだ目は死んでいないように見える。

昨年から4枚交換だが、TOP-MIDはかつてのPGMで、BOTの2人はUSGでいずれもコンビを組んでおり、シナジー的にも問題ないように見える。ひとつ心配なのはJGのCRASH。昨年Bugiで大当たりした香港台湾系で活躍したジャングラーという意味では2匹目の大当たりの可能性も秘めている一方、データを見ると昨年1年まともに試合していない可能性もある。その試合感が戻るかどうかが一つポイントになってきそう。LMS2019ではBugiが台湾で苦しむ中、同リーグでJGのKDA3位、DPM5位と軒並みBugiを上回る数値を記録。1点BugiのKP75.9%はジャングラー2位だったが、CRASHは74.9%と誤差の範囲で3位と、当時は確実にBugiを上回っていたCRASHが昨年LJLMVP(俺認定)のBugi以上の活躍をするならば、今年のV3枠はSGになるかもしれない。

もう一点の不安要素はRamuneになる。サッカーでは「前俊を諦めない」というコピーもある天才前田俊介が引退を発表したが、「前俊」となるかの瀬戸際にいるのがこのRamuneになる。かつて2018まで存在していたRPG(PGM)で不動のMIDとして世界大会にも進出、その気弱そうな立ち振る舞いとは裏腹に暴れまわるメイジチャンプたちでLJLでも存在感を放っていた。転機となったのは19年開始前、PGMの解散を受けてRamuneが新天地に選んだ先はDFMのサブ。Cerosとチーム内の競争に身を置くことにしたものの出番はほぼ得られず。その後20春には新規チームソフトバンクへ移籍するもチームとしての戦績は振るわず、夏にはDasherのMID復帰に伴い再びサブに。といった流れの中でのSGでのMIDスタメン。今回はサブにMIDもいない。年齢は23とまだ老け込むには早いなか、再度開花するかがSGの明暗を分けることになりそう。2018春にはDPM608で全体4位、MID1位、対面CS勝率78.9%を誇ったが、20春には対面勝率42.9%、DPMも390と物足りないスコアに。もちろん当時より相手は強化されているが、まずは当時のフォームに戻れるかがポイントか。

「期待」
・Paz、Gango、Entyとなかなかの面子を揃えられた。
「不安」
・RamuneとCRASHのブランク。

2020夏1位 V3 Esports

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TOP Cogcog(前RJ)
JNG MOOJIN(前RNW(韓国2部))
MID Ace(前V3)
ADC Hollow(前BRB(韓国2部))
SUP Raina(前V3)

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昨年劇的な優勝を遂げ、DFM時代にヒビを入れたV3だが、まさかの3人入れ替えとなった。特にTOPのPazとJGのBugiはLJL級ではなかなか代わりのいない人材であり、手放したのは相当痛手と思われる。ただ代わりにBugi同様台湾での実績もあるMOOJIN、韓国2部上位ADCのHollow、そして近年RJで苦しんでいたものの攻撃に定評のあるCogcogを獲得と「悪くない」体制で21に向かう形になったように見える。

MOOJINの実力を測る指標としてMOOJIN、CRASH、そしてBugiが一堂に会していた台湾LMS2018夏のデータを持ってくる。もちろんチームの都合もあるのだが、CRASHは10試合で対面CS15分で勝率30%、チーム勝率10%。Bugiは対面勝率43.5%でチームは勝率56.5%、一方MOOJINは対面勝率70%でチーム勝率は93.3%と、18夏の段階ではチーム差もあるが圧倒している。ただ、MOOJINの場合、その活躍が買われ19年はLCKのHLEに移籍するものの振るわず、20年は2部のRNWで中位、といったところ。韓国2部でCS勝率48.4%というのは実際どうなのか気になるところ。またスタイル的には攻撃寄りで視界管理が若干弱いように映る。韓国2部ではビジョンスコアがレギュラージャングラーで下から2番目というのも一つ効いてきそうだ。

もう一点のポイントはCogcogだろうか、RJ時代はチーム都合でタンクなどが多かった印象だが、イメージ的にはもうちょっと仕掛けるチャンプで強みを発揮するタイプだったように記憶している。また器用な選手で、特に19夏、RJが4勝17敗と大きく負け越したシーズンで、これだけ負ければレーン戦から厳しくCSも負けがちだが、Cogocogはチーム勝率20%のなか対面CS勝率61.9%を叩き出している。それもTOP優遇、例えばジャングラーがキャンプして、というわけではないのが使ったチャンプで見えてくる。21試合で17チャンプを使い、15分段階のCS勝率が61%というよくわからないスコアを叩き出している選手になる。Pazの抜けた穴と考えると致命傷となりかねない中で、Cogocogを補強できたのは一つ連覇に向けて踏みとどまった感がある。あとは、これも重ね重ねになるが最後に不安点として、ここもKR組の写真がない。間に合っているのか、というのがポイントとなる。LJLは試合数も少ないため1勝が重くのしかかる、連覇に向けてはココもポイントだろう。

最後にコーチにも注目したい。このコーチはかつてDFMにいてDFMをよく知ったコーチだという事に。ここにもひとつ注目したいところ。

「期待」
・連覇に向けて痛手だが、なんとか踏みとどまった感のある補強。
「不安」
・日本経験の薄い韓国人二人。


最後に順位予想

1.DFM
2.SBH
3.BC
4.V3
5.SG
6.CGA
7.AXIZ
8.RJ

難しいなか、それでもDFMはチームが空中分解の危険もありながらそれでも、感があるかなと。いざとなればCeros/Geangに戻せばよいというのが強い。2位にはソフバンの躍進を予想。面子が強いと見た。3位には期待を込めてのBC。どのチームもメンバーが入れ替わって混乱がある中、そろそろ報われてもいいはずだ、というところ。4位はV3、さすがにBugiの穴はそうそう埋まらないと予想。5位はSG、Ramune次第だが、近年の数値的に下振れするとありうるラインとして。CGAは6位。さすがにスタイル変更が重くのしかかる、とくにLJLの2周だけの短期戦では、というところ。7はAXIZ、8はRJ、ここはさすがに新人とかサブに重いものがのしかかりすぎてるなーといったところ。

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