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詳しい作り方ー改訂版 材料費0円で、おしゃれなかごを編む6 「葛(くず)でカゴ編み」④🌿

いよいよクズのつるでゴッズアイのカゴを編みます。
この編み方は、何にでも応用できますので、近くで採取できそうなつるがありましたら、やってみてください。

ゴッズアイは、ネイティブ・インディアンの方々が、祭祀などに用いる縁起の良いクラフトワークです。このカゴではゴッズアイを、持ち手と本体を繋いだところに用います。

ゴッズアイ-2

クズつるのゴッズアイのカゴは、材料の準備さえ出来ていれば、編むのは比較的簡単です。この記事にはたくさんのことが書いてあるように見えますが、細かく書いてあるだけで、そんなに複雑ではありません。ワークショップでは、初めての人でも4時間ぐらいで大体編み終わります。

それでは、始めましょう。

かご編みの準備 - 必要な材料と道具

材料の量は、今回作ったかご(持ち手のトップまで入れて、高さ30cm・奥行き30cm・幅27cm)でおよその計算をしています。

ですが、ご自分の好きな長さでかまいません。小さくすれば小さくできますし、大きくすれば大きく作れます。採れた材料の量によって、ご自由に試してみてください。ただ、初めてで、大きく作るのは、結構根性がいります。

★ 道具
・ハサミ
・ 霧吹き

★ かご編みの材料

・フレーム用つる(半割りでないもの)6mぐらい
・ 編み材用つる(半割り)20mぐらい 半割りにしますので、つる事態は10mぐらいです。

つるは前の日から水に浸けて柔らかくしておきます。つるを水につける適切な容器がない場合は、大きめのポリ袋などに水を入れて、浸けておくと上手くいきます。

※ 半割りが分からない方は、以下の記事をご覧ください。
材料費0円で、おしゃれなかごを編む5
「葛(くず)でカゴ編み」③ 材の下処理

編み方の手順

1. 骨組みとなる輪を2つ作る

まず、半割りしていないそのままのつるをくるっとまるめたものを2つ作ります。

フレーム-2

今回は上の画像のように、Aはつるを二重にして、Bはつるを一重にして、円形の輪をつくりました。このとき輪がほぐれないように、A、Bともにクズの編み芯でつなぎとめます。

つるは部位によっては長かったり、短かったりするので、2重に出来ない時は、Bのように一部だけ重ねて何かで巻き留めたり、互いにねじ込んでみたりと工夫してみてください。思わぬ形ができて面白いことがあります。

2、ゴッズアイを編む

下の図のようにゴッズアイは、2つの輪を十字に組んで、輪が交差した部分に編んでいきます。ゴッズアイを編むことで、2つの輪をしっかり固定できます。


それでは説明に入ります。ゴッズアイの編み方は、単純な操作の繰り返しで簡単にできます。ただ、始めだけ、編み方が少し変わります。

編み始めは下の図を参考にし、8の字に巻きつけてください。(^^)

ここから右・下・左・上と順に編み芯を巻きつけていきます。
まきつけ方は、図にしてみましので、下記を参照してください。

① 8の字の先端を、右の縦芯に持って行き、上から巻きつけ下から出します。
② 下の縦芯にも同様に行います。


③ 左の縦芯に行ってまた同様に行います。
④ 上の縦芯に行ってまた同様に行います。

この繰り返しです。
実際に行う時は、この十字の部分を回すとやり易いです。

編む時のコツは、編み材が常に乾かないように、こまめに霧吹きを使うか、または水に浸けることです。つるは乾くとすぐ折れてしまいます。途中編み芯が足りなくなった時は、カゴの見え難い方で(足す場所によっては内側だったり、外側だったりします)かさねるように交差して足してください。

3、縦芯のカット、差し込み

骨組みの間に入れる縦芯をカットします。下の図のように弓状にして差し込むので、骨組みの輪のサイズに合わせてカットしてください。ただ、縦芯は少し長めにしておいた方が、後で調節が効きいて良いです。

図5

4、縦芯に編み芯を編み込む

カゴ内側面のゴッズアイに、計6本の縦芯の先端を添えて、そこから、下の図のように縦芯に編み芯を編み込んでいきます。

図6

編み方の基本ルールは、簡単な操作の繰り返しです。フレーム(M)から編み始めると、『d(上)、e(下)、f(上)』というように、上下交互に編み芯を通していくだけです。そして、そのまま編み続けていると、端のフレーム(L)にぶつかると思います。そうしたら、図のようにフレーム(L)に編み芯を下から上へ回し、ターンします。後は先ほど同様です。

編み芯を『f(下)、e(上)、d(下)、M(上)、c(下)、b(上)、a(下)』と交互に通して、フレーム(R)に上から下へ回してターン。
編み芯を『a(上)、b(下)、c(上)、M(下)、d(上)、e(下)、f(上)』と交互に通して、フレーム(L)に下から上へ回してターン。

これを数往復して、しっかり縦芯を固定できたらたら、一度編むのをストップして、次の『5、反対側のゴッズアイに縦芯を固定する』に行ってください。

編み方のコツは、いっぺんに縦芯を固定しないことです。まずはd、e、fの3本の縦芯をゴッズアイに置いていきます。フレーム(L)でターンしてフレーム(M)まできたら、残りの3本の縦芯a、b、cを固定していくと安定して編むことができます。

5、 反対側のゴッズアイに縦芯を固定する

反対のゴッズアイに、縦芯を固定する時は、長さが良いかどうか確認してください。形を見て、長いものは、カットしてください。こちらも同じように上下交差して編んで、それを数往復して固定できたら、一度ストップして次のステップに進んでください。

6、 折り返し編みでカゴ側面を編む

先ほどの、縦芯の編み込みを途中で止めたのは、カゴの中心に進むに連れて、中心側と外側の、編み込みの密度が変わるからです。なので、何もせずに進めると、下の図のように、カゴの外側の編み芯がスカスカになってしまいます(-ω-、) これを避けるために引き返し編みをします。
かごの大きさ、形によってはスカスカにならないこともあります。その時は引き返し編みを省いてもかまいません。

図7

失敗例

それでは、外側の疎の部分を埋めるための、引き返し編みについて説明します。引き返し編みは、カゴ編みが中央の疎になりそうな部分に差し掛かったとき、編み込みをフレーム端まで進めず、途中で折り返します。下の図で言うと、左のフレーム端からa,bと編んだら、c, d, e…と進まずに、一旦そこで折り返して、また左フレームまで戻ります。

名称未設定のアートワーク

こうして1回折り返すと、中央に比べて、外側の編み込み量が多くなります。折り返しの回数は、編み芯の太さや、骨組みの輪の曲がり具合によって異なるので、適宜調整してみてください。ただ、どんなに細い編み芯でも一度に2回以上折り返さない方が無難です。それ以上折り返すと逆に中央が疎になったり、折り返した部分に隙間ができてしまうかもしれません。

ここまで来れば後は残りを編んで埋めていくだけです。編んでいく時、外から見え易い部分(下の図A)は編み材の表側を、見えにくい部分(下の図B)は逆に中側から見えやすいので、こちらを表側にして編むと見栄えがします。面裏の調節は、編み芯を捻るだけでOKです!

画像6

裏から見るとこんな感じです。編み芯(つる)の裏側が向いてますね。

クズのカゴ裏

下の動画は、カゴの側面と底を編んでいるところです。

全部編み終わりましたら、飛び出したりしている不要なつるをハサミなどでカットしてください。
最後に形を整えて出来上がりです。石などで重石をしたりすると上手く整います。食品を入れるカゴに使いたい場合は、最後に熱湯をかけると良いでしょう。

画像9

ブログで紹介している編み方は、まだカゴ編み歴3年の私が書いておりますので、そこはご了承の上楽しんでいただけたらと思います。できるだけ、これを見ただけで編めるように書いたつもりですが、お分かりにならないところなどございましたら、お気軽にコメント欄の方にご質問ください。それでも分からない、もっと質問しながら作ってみたい、プロにきちんと習ってみたい、と言う方は、私が行ったワークショップと、その講師の方の教室を貼り付けておきますので、よろしかったらのぞいてみてください。

青梅 賢治の農楽校  
かご編みワークショップのお知らせが入るのは、もう少し先になると思いますが、チラシが出来次第シェアされると思います。つるカゴ編みだけでなく、カゴ編みの材料となる材の採取や、木の皮の作品等にも取り組めます。

「木のヒゲ」 @「たとぱに」 
国立にある自然素材のお店「たとぱに」さんの2階で行っているワークショップです。

どちらも講師のみわちゃん(農工大、紬瑠(つる)かごサークル出身)が教えてくれます。

<最後に>
このカゴは、葛だけで作ってありますので、庭に捨てて(返しても)も、燃えるゴミで処分しても大丈夫です。できれば大地に返してももらうと嬉しいかな(^ ^)

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