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材料費0円で、おしゃれなかごを編む5 「葛(くず)でカゴ編み」③ 材の下処理


採取したつるは、出来れば当日中に下処理をします。

つるの採取の仕方については、こちらをご覧ください。
「葛(くず)でカゴ編み」② 材料採取

クズのつるは、日が経って乾燥すると硬くなりますので、すぐに下処理をした方が加工し易いです。もしすぐ取り掛かることが出来ない場合は、とりあえず、くるくるっと丸めて置いておきましょう。そして下処理できる日に、つるを柔らかくするために、煮てから次の手順1、2、4を行ってください。

下処理の手順は4つあります。
1. つるを半分にする(半割り)
2. つるの中にある、白い綿のような部分を掻き出す
3. 煮る
4. 丸めて干す

1、つるを半分にする(半割り)

半分にしたつるは、編み芯にします。編み芯とは、取手や骨組みなどの土台に、埋めるよう編んでいく編み材です。(それに対し、縦芯は、取手や骨組みなどです。縦芯は、そのままで使用しますのすので、半割りにせず適宜取っておいてください。)

縦芯・編み芯

半割りにせず、そのまま使用します。
<やり方>
つるの端をハサミなどで切れ目を入れ、縦に割いていきます。
割く時は、親指に下から4本の指を添えるようにし、少しずつ割いていってください。そうすると、上手くいきやすいです。

編み芯は半割りにすると書きましたが、そのままでも使えます。特に、細いものはそのままにすることがあります。自分のデザインで好きな方を選んでください。ただ太いものは半割りにしないと編めないこともあります。やっているうちに感覚がつかめて来ると思います。

2、つるの中にある、白い綿のような部分を掻き出す

クズ下処理3

彫刻刀などで、削るように掻き出します。この部分は除去しないでおくと、ボロボロ落ちてきます。また虫が好きな部分なので、食べられてしまったりします。

3、つるを煮る

つるを煮る

沸騰したら弱火で2〜3分ぐらい煮ます。
クズは茎でも甘いので、中に虫が住んでいることがあります。下処理で中の白いところを取り除きましたが、一応煮ておけば安心です。中に虫が残っていると、春にかごが崩壊するという憂き目に会います。
特に半割りにしなかったものは、必ず煮てください。

 ※つるを長時間煮ると、皮と芯が離れてしまいますので、注意してください。

4、つるを丸めて干す

つるを干す

すぐ編まない場合は、まるめたまま、干して乾燥させます。カビないよう、高温多湿を避けて、風通しの良いところに保存してださい。つるは、クズに限らず何でも丸めて小さくしておくと、煮たり水につけたりするときに、便利です。反り返る方と逆方向に丸めて、保存しておきましょう。


以上が下処理の手順になります。余談ですが、私が初めてくずのつるを家で煮た時は、グラグラやってしまいました。見事に芯と皮が別れてしまったので、芯の方でこれを作りました。皮は捨てました。

葛の芯カゴ


後で、みわちゃんに聞いたところ、皮も使えるそうです。今度は皮も研究してみます。

ちなみに、「みわちゃん」は、私の講師です。ワークショップでは、先生と言うと百円取られるので、ここでも「みわちゃん」と書きます。これからもしばしば登場してくるかと思いますが、100円取られるのが惜しいので、ずっと「みわちゃん」と書かせていただきます。




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