野草で『縄ない』 雑草や廃棄されるもので、カゴ編み材を作る(やり方付き)
今回は、縄の作り方を紹介します。縄を自分でなうことができれば、いろいろな野草で、カゴの編み材が作れます!
よくベテランの農家さんが、ござに座って、器用に縄をなっていますが、熟練すれば丈夫で綺麗な縄ができるものの、正統派のやり方は習得するのが結構大変です(´・ω・)
そこで今回は、山のワークショップでも採用している、誰でも簡単に縄ないができる方法をお伝えしたいと思います。
用意するもの
★道具・材料
・目玉クリップ(無ければ洗濯バサミでかまいません)
・紐(何でも良いです)
・霧吹き
・縄ない材(今回はみょうがの葉っぱで行います)
※ 縄ない材はカラムシ、とうもろこしの皮、竹の子の皮、笹の葉なども代わりに使えます
★下処理
ミョウガの葉は採取後、2〜3分ゆでて、干し乾燥させておきます。
縄ない材の準備
1. 下処理しておいたミョウガの葉を、水に数分つけて柔らかくしておきます。
2. 葉の真ん中の中央脈を割いて、2枚に分けます。葉を真ん中で折り、中央脈を葉先から引っ張ると割きやすいです。
3. 割いた2つの葉の端を、片結びにします。このとき、片方が長くなるよう不揃いに結びます。こうしておくと、あとで葉を継ぎ足す時やり易くなります。
縄をなう準備
1. 紐の片側にクリップをつけ、もう片方は、なんらかの突起(椅子の背もたれ・壁に取り付けたフックなど)に結びます。下の写真はフックに結んでいます。
2. 先ほど用意した、縄ない材の頭を、セッティングしたクリップで挟みます。
これで、縄をなう準備ができました!
縄をなう
1. 縄ない材を両手で持ち、時計周り(左利きに人は半時計周り)にねじっとよります。この時しっかりとよってください。後で材が乾燥した時、隙間ができずしっかりとしたものができます。
2. 材をよったら、左側を下、右側を上にして交差します。
これを繰り返していくと縄ができていきます。
3. 材を足す
しばらくすると、材が短くなってきますので、新しい葉を矢印の方から繋げます(写真下)。新しくつけ足す葉は、5分の1くらいの所(への字型の左側)を、なってきて残っている葉の短い方へ、残りの長い方(への字型の右側)は、葉の短い方に沿わせて、それぞれをねじって材を足します。
(写真下)が、ちょっと分かり難いかもしれませんが、材を足しところです。足したところが少しバサバサ多くなっていますね。その分太くなりますが、最初はあまり気にせず、このままなっていきます。(慣れてきたら、多い分を除けたり、片方が細かったらそちらに回したりして、調節してみてください。)
4. 足していく度に、つなぎ目から材の端がピンピン出てきますが、そのままなって行き、最後にハサミでカットします。仕上げにライター等で炙って、細かいものも焼き切ると綺麗です。
ここでお分かりになったと思いますが、最初に縄ない材の左右の長さを不揃いにしたのは、時間差を作って片方ずつ継ぎ足すためです。
完成
縄ないに適した身近な素材(余談)
縄ないのできる素材は意外と多く、特におすすめなのがイラクサ科の多年草のカラムシです。とても丈夫で、私はキッチンの吊り棚に使っていますが、結構重いものをぶら下げているにもかかわらず、3年持っています。まだまだいけそうです。
下の写真はカラムシの縄ないで作ったポシェットです。山に採取に入る時、カメラを入れて持ち歩いていますが、しっかりしています。
カラムシは生命力が強く、所によっては雑草扱いされていますが、福島県ではこの靭皮(外側の皮ではなく中の白い繊維)を織物にしたりします。かご編みワークショップの山でも、このカラムシがたくさん生えていて、草刈り前に急いで採取したり、お願いして刈らないようにしてもらっています。
カラムシ以外では、とうもろこしの皮、竹の子の皮、笹の葉等、お菓子やお弁当に包まれていたり、捨てられているようなものも良い縄ない材になります。羊羹が包まれていた竹の子の皮とか、笹団子の笹とかね(❛ᴗ˂ ) 自然界で、竹の子の皮を得ようとするなら竹の子についているものではなく、竹が育って6月〜7月頃、自然と剥がれ落ちたものが、良い材になります。他にも今回使った茗荷の葉、シュロの葉も良いです。庭に生えてている雑草の中にも、何となく縄ないになりそうな感じのものを見かけていますので、いろいろ試していくつもりです。
そうして作った縄ない材は、かごに編み込むとまた趣が変わって素敵です。
最後に
このブログでは、私たちの身近にあるものや、廃棄されるようなもので、アップサイクル的なインテリアや雑貨を、できるだけ誰でも作れるように載せていきたいと思っていますが、見出し画像に上げた縄ないは、「ミヤマカンスゲ 」または「ヒロロ」と言って、今では購入しないとなかなか手に入らなくなってしまった貴重な素材です。これで作ったかごやバッグは、デザインにも寄りますが、3万円〜10万円ぐらいします。
でも私が本当にやりたいことは、希少な素材で高価なものを作るのではなくて、今に周りにある豊富な素材で、日常を豊かにしてくれるものを作りたいので、これからいろいろな素材を研究・実験していきます。
PS:このミヤマカンスゲも作品にしていきたいと思っています。これで約40m、これが縦芯になり、機織りのように編んで小型のリュックを作る予定です。作品になったらまた上げますので、どうぞ気長に待っていてください。
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