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杉の皮でカゴ作り! その1「 伐採と下処理前半ー杉の鬼皮削ぎ」

今回は、杉の皮でカゴを作りました。素材として使う杉の皮は、実際に編み組みに入るまで、準備が結構かかりますので、記事を3つに分けてみました。大体完成までの内訳は、伐採(私がやるわけではありませんが💦)と下処理・加工で9割、編み組みで1割ぐらいです。

また、制作は個人で1から全てをこなすのは難しかったので、かご編みワークショップの中で、たくさんの方の力をお借りして取り組みました。皆さんありがとうございました!
かご編みワークショップについては一番下にチラシを貼り付けておきますので、よろしければご覧になってください。

★ カゴあみ作りの流れ
1、 杉の伐採と下処理(皮剥ぎと鬼皮削ぎ)
2、杉の皮の加工(ひご作り)
3、 編み組み

1、杉の木の伐採をする

木の伐採をするのは、御年80歳の元地主さんで、山で生まれ、山で育ち山の仕事をからだで学んできた山のプロです。炭焼き窯やちょっとした小屋等は、ご自分で作ってしまわれます。ヘルプに入った20〜30歳年下の方より、コツや経験を持っているということもありますが、とにかく力仕事がお達者です。
そしてサポーターのご友人がいつも同伴してくださいます。ワイルドな元地主さんを支える、懐の深いご友人です。
お2人とも超カッコイイです!

地主さんは、周りの木の密集加減や伐採後の運搬経路を計算し、どの木を切るのか、予め見極めておきます。当日は、木が目的の方向へ倒れるようロープをかけ、少しずつロープを引き、誘導しながらチェンソーで切っていきます。周りの見学者やご自分達の安全にも気を配りながら切り倒し、作業し易いところまで運びます。最後に枝打ちをして私たちに引き渡してくれます。(ここまでが地主さん達の仕事)

ー木を切るー 倒れる瞬間は見惚れていて撮り損ねました。

<伐採時期> 目的が丸太ではなく樹皮なので、伐採は初夏(今年は7月4日)に行います。というのは、初夏は木が水をたくさん吸い上げるので、皮がつるんと剥けやすいからです。反対に製材目的なら秋冬です。寒くなると水上げが少なくなり、乾燥気味になるので、木材にしてもヒビが入りにくいからです。

2、皮を剥ぐ

ここからは、私たちでやります。女の人でも十分できる作業です。
まず、1m毎に、丸太の表皮をぐるりとのこぎりで切っていきます。写真だと木を切っているように見えますが、表皮だけですよ〜。

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次にカッターで、同じく表皮に垂直方向へ縦にカットしていきます。

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縦のカットの線にマイナスドライバーを差し込み、皮を剥いでいきます。ある程度皮と芯の間に隙間ができたら、おしゃもじやお菓子用のヘラ等でつるんと剥ぎます。木と樹皮の間には水分がたっぷりあり、「これを吸い上げていたのか」と畏敬の念に打たれます。水を吸い上げて生きようとしていた命を頂いたのだと思うと、毎回「絶対無駄にしないぞ」という気持ちになります。杉の木よありがとう🙏

今回剥いたところの写真忘れてしまいました💦 来年は忘れないように撮りますね。

3、鬼皮を削ぐ

木から剥いだ皮は、外側の一番硬いところ(鬼皮)を鎌などでザッと削ぎます。鬼皮には苔や、虫がいたりします。ここにも生命活動があったのですね。またしても頂いてしまいました。

鬼皮を鎌で削いでいるところ↓

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4、茹でる

木の皮には虫が卵を生みつけていることがあります。そのままにしておくと、孵化して皮を食べられ、穴が開いたり裂けたりしてしまうので、かわいそうですが茹でます。山ではドラム缶を半分に切ったものに、薪でお湯を沸かし茹でます。

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5、風通しの良いところで保存

茹でた皮は、高温多湿を避け、風通しの良いところで保存し、後日加工します。山では屋根つきの外で保存しますが、どうしてもカビてしまうので、私は当日家に持ち帰りすぐ加工します。でもカビてもまたさらに皮を削いでつかうので大丈夫なんですけどね。

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これで杉皮の準備ができました!
次の記事では加工の「ひご作り」から紹介したいと思います。

ここまでやってみて

私のかご作りは、「廃棄されたり、厄介者されたりするようなもので、手に入りやすく、お金もあまりかけずに、その気になれば誰でもできる」というのをモットーにしているのですが、今回はちょっとそこからはずれています。

まず木を切るのは誰でもできることではありませんし、手に入りやすいとは言えませんね。費用もかかります。道具も、おしゃもじやカッターは、割とあるかもしれませんが、のこぎりは、女の人の場合持ってない方もおられるかもしれません。

というわけで、これを記事にしようかどうか、ちょっと迷いました。

ただ、杉の木は植林しすぎで、いろいろ問題が出ていますし、それこそ樹皮は、製材後どうしているのでしょうか。もしかすると捨てられているかもしれません。そうしたら廃棄されたものということになりますね。それを再利用できるかもしれません。可能性が出てきました。

それで少し調べてみました。

どうやら全部ではないようですが、一般的に廃棄(焼却)されているようです。費用対効果の上がらなくなった杉は放置され、花粉症・水害・獣害の原因になっているとかで、花粉の飛ばない杉に植え替えるという計画も出ているようです。それをするなら今ある杉はどうするのでしょうか。また捨ててしまうのでしょうか。当たってみる価値がありそうです。

そういったことも含め、今後どう取り組めるのかまだ分かりませんが、課題にできそうなので、記事にしました。また、樹皮は、杉だけでなないので、ご自宅の植木を剪定して皮が出る方もいらっしゃるかもしれません。そういう機会にも活用していただければとも思いました♡

ところで、ちょっと話がそれますが、「花粉の飛ばない杉の植え替え」に関しては、個人的には「雑木」に戻してくれたらなと思いっています(¯ω¯*)

それでは、まだ続きますので、よろしくお願いします!

ーその2へつづくー

<かご編みワークショップ>

初年度8回で2万円ですが、2年目以後からは、山の関わりを期待して(強制ではありません)1万円になります。ご興味のある方は、問い合わせてみてください。

2021 かご編みチラシ



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