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フットサル未経験者によるフットサル記事

2020年11月30日 夜9時30分。ようやく肌寒くなった11月の最終日、私は森ノ宮駅すぐ近くのフットサルコートにいる。理由は、ストロングフットサル部の取材のためだ。今日、この時間からフットサルの試合をやるとのことで、その取材をすることになったのである。

これまでありとあらゆるジャンルの広告や記事を作成してきた私、元来文章を書くことが好きな私は、どのジャンルもさほど苦にせず、自分でもそしておそらくは顧客も、満足してもらえる精度の仕事をこなしてきた。

まあ、文章に関してはそこそこ自信を持っている方だと思う。

そんな私であるが、実はサッカーの記事はこれまで経験がない。いや、サッカーだけでなくスポーツの記事自体ほとんど経験がない。

いや、待てよ・・・一度だけバスケ関連の記事を書いたことがあった。とはいえ、あれは記事というよりもむしろ広告文、記事とはまた別次元のものだ。

そもそもサッカーに関する知識もルールすらはっきりとは知らない。学生の頃、体育の授業でサッカーをした経験はあるが、大方の体育の授業がそうであるように、学校のクラスという最小のコミュニティの中でのスポーツは、経験者の独壇場となりがちだ。つまり、私の体育でのサッカー経験など、もはや経験というのもおこがましいほどのものである。

改めて私のサッカーに関する知識を以下に披露する。

・手を使わず足でボールを操るものらしい
・相手側のゴールポストにボールを蹴りこむと得点になるらしい
・プロ選手は得点すると踊りだすらしい
・オフサイドという謎のルールがあるらしい

以上である。要するにサッカーの知識はほぼ皆無と言っても間違いないであろう。とは言え特段、今日までサッカーを遠ざけてきたという意識はない。20年ほど前にJリーグが発足して以来、日本中が徐々にサッカー熱を帯びてきていることは私も感じていたが、偶然私自身サッカーに触れる機会がほとんどなかったのだ。

さて、そんな私が今回、サッカーに関する記事に挑戦する。いや、そもそも今回はサッカーではなくフットサルだ。ますますもって知識などこれっぽっちもない。

そんな私が書くサッカー、いやフットサルの記事はどんなものになるのか。一応、私も物書きの端くれではあるが、もしあなたが有名サッカー雑誌のような記事を期待しているのならば、ここより先の文章を読むことは避けられたい。

ここから先の文章は、一般のスポーツ記事とは、ある意味全く別次元のものであることは確実なのだから。

フットサルの迫力

「でははじめまーす!」  

今回の主催者である谷氏の一声で始まった第一試合。試合前の円陣を組むまでは選手それぞれ笑顔で和気あいあいとしていたが、試合スタートと同時にその表情は一変!まごうことなきプレーヤーの表情となった。

1回あたりの試合時間は5分。短い時間に設定してその時間を全力で戦おうという意図がわかる。選手の多くはサッカー経験者とはいえ30代、40代の大人。体力の衰えは否めない上に、選手は皆本業を抱える身である。翌日の仕事への影響は最小限に抑えたい。

ちなみに各チームの構成は・・・決まりはない。ストロングメンバーが多く参加しているが、他チャプターのメンバーもチラホラ。ストロング対他チャプターというチーム構成ではなく、とりあえず適当に二手に別れようというスタイルである。

スポーツに勝ち負けの概念は必須であるが、今回は勝ち負けよりもとにかくフットサルを楽しもうという意図が強い。でもやるからには全力!参加者は皆、何事も全力でやってこそ初めて夢中になれるし、楽しめるということを知っているのである。

さて、ゲームであるが、さすがにサッカー経験者が多いだけあってコート内での動きに無駄がない。私が経験した体育の授業でのサッカーは、とにかくボールの元に選手が群がり奪い合うというスタイルであり、パスの連携を主体としているものではなかった。巧みなボールさばきを披露する選手だけが目立ち、他の選手がそこからボールを奪おうとする構図である。

しかし、今回私が目の当たりにしているのは、パスの連携を主体としたフットサルそのものであった。ボールをキープする選手が敵チームの選手を引きつける。味方選手の動きを視界に捉えながら、巧みなボールさばきで敵チーム選手の隙を作り、タイミングを見計らいつつゴールに向かってボールを蹴り上げる。それは、そこに走り込む味方選手へのパスであり、得点を生む最高のチャンス。いわゆるセンタリングと呼ばれるパスである。

フットサルは、個人技とチームプレーの融合とバランスが得点を生み出すスポーツである。各選手の個人技だけが長けていても、チームプレーによるパスがお粗末だと得点には結びつかない。もちろん逆も然り。

今回のフットサルは、いわば即興のチーム編成である。繰り返し行なう練習が結果を生み出すであろうチームプレーを期待するわけにはいかず、自ずと個人技やフットサルの経験値が生きることになる。その点でいうと、各チームの選手ともいわゆるフットサルの基本は身についているようで、各チームがそれぞれ得点を生み出すプレーができているようである。

もちろん、ゴールキーパーや巧みなディフェンスに阻まれる、放ったシュートがゴールを外す、ということもあるが、各チームの選手の動きは見ていてもワクワクさせるものがある。そして見事ゴールが決まった瞬間は、見るものにそこそこ大きな爽快感を提供してくれる。

各選手のパス回し、ボールの奪い合いにより、ボールは何度となくコート内の往復移動を繰り返す。その間見事ゴールを決め得点が生まれることもあれば、敵チームに阻まれることもあり、パスの隙をついてボールを奪おうとする動きの迫力は観る者を飽きさせない。やがて、5分が経過し、第1回目のゲームは無事終了の時となったのであった。

スポーツは明日への活力

あなたはリフティングという物をご存知だろうか?ボールを地面に接地させることなく己の足さばきだけで何度も蹴り上げコントロールする技術である。

フットサルのゲーム中に披露される技術ではない。巧みなボールさばきが要求されるサッカーやフットサルという競技を経験する上で必然的に身につくものらしい。私の知る限り、サッカーやフットサル経験者は誰もがこのリフティングが出来る。

サッカー未経験者と経験者のリフティング技術の差は歴然!未経験者はせいぜい5回ほどボールを蹴ったところであさっての方向に飛ばしてしまうが、経験者はボールを巧みに操り何十回も蹴る。まるで選手とボールがダンスを楽しんでいるかのようである。

ちなみに私も何度か挑戦したことがあるが、5回ほど蹴ったところでやはりあさっての方向に飛んでいった。どうやら私はダンスパートナーとして不適格らしい。

選手にとってこのリフティングは、本番に向けての準備運動のようなものだそうで、今回のフットサル前の準備運動で堀氏が巧みなリフティングを披露している場面があった。未経験者のそれとは一線を画すその姿は、まさにボールとのダンシングであり、堀氏の豊富なサッカー経験を物語るものであった。

「スタートしまーす」という谷氏の掛け声とともに始まった第2回目。ここからは所用により遅れての参加となった表氏も参戦。表氏はかつてサッカーの代表選手だったこともある本物の実力者である。

第1回目はどの選手も身体を慣らす程度のものだったようで、第2回目からは本領を発揮!どの選手も動きやボールさばきにキレが出てきたようである。

コート内でのボールの往復運動も激しさを増し、パスの鋭さやボールの動きにも迫力が出てきた。

もちろん、ただボールを乱暴に蹴っているだけではない。ボールを巧みに操る中でのパスやセンタリングであり、狙ったところに正確にボールを放つ技術は、未経験者には到底真似できない。

特に試合前に巧みなボールとのダンシングを披露していた堀氏のボールコントロールやパスは、敵チームの隙を見事につき何度もゴールへと導いた。

そして表氏の活躍である。ボールさばきもさることながら、味方選手への的確な指示と味方チーム・・・どころか選手全員を盛り上げる圧倒的存在感は、今回のフットサルを大いなるエンターテイメントへと変貌させるに十分なものであった。

その後、試合は第7回まで実施、途中で今井氏が普段着のまま参戦するなどのちょっとしたハプニングもありつつ、フットサルは無事終了。何度か得点が追加された場面もあったので、試合の勝ち負けは判明しているはずであるが、誰も得点については一切触れない。というよりも誰も得点をカウントしておらず、勝ち負けについては一切不明である。

そんなことは全く関係ない、とばかりに今回試合に参加したみなさんはそれぞれ大汗をかきながら、まるで憑き物が取れたかのような清々しい表情を浮かべていた。

参加した誰もが大好きなスポーツで心ゆくまで動き回り全力で楽しむ。それはビジネスで疲弊した身体や精神をリセットする効果を生み出し、翌日以降のビジネスをまっさらな精神状態で挑むことができる。

BNIで生み出されるビジネス効果は、何もリファーラルやサンキューばかりではない。有志が集まって企画すればどんなことでも実現可能であり、今回のようなフットサルの企画も実現できる。

私も学生の頃、昼休みに行われるグラウンドでの野球が何よりの楽しみであり、それが友人たちとの関係を良好にし、勉学への意欲にもなったことを覚えている。

私は今回の取材で、フットサルというスポーツが楽しむためのものである、ということを再認識することができた。幼い頃近所の公園で友人たちと楽しんだ鬼ごっこのように、そして学生の頃同級生たちとグラウンドで楽しんだ野球のように。

もう二度と戻らないと思われていたあの頃のワクワクがBNIで戻ってきたのである。

次回、フットサルが開催されるのであれば、ぜひとも私も参加してみたい。その時は参加者の皆様には、私がサッカーもフットサルもまるで初心者であるということをしっかりと認識していただくことをお願いする。

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