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真夏、恵みの雨が降る

昼下がり、ふと窓の外に目をやると、一面に広がる灰色の雲。
ほどなくして、バケツをひっくり返したような雨が降ってきた。
2〜3週間ぶりの、恵みの雨である。

私は雨が降ると、ワクワクしてしまう。
ひんやりとした雨粒の感覚、屋根に落ちる雨音
薄灰色のベールにつつまれるいつもの景色
活々と濃くなる木々の緑と、立ち上る土のにおい
ちょっとした「非日常」を全力の五感でたのしむ。

こんな雨の日、メインのしごとが農業であるうちの夫は
仕事が休みになることもある。
「今日、休みになってもたわ」と残念がりつつも
いそいそと近所の仲間を集め、昼間っからボードゲームなどをやりはじめる。
まるで臨時ボーナスをもらったような感じで、どこか嬉しげである。

そんな姿が、かつて街で暮らしていたときのわたしの目には
「農業=不安定な仕事」
という映り方をしていた。
でも、こちらで暮らしはじめて考え方が変わってきた。
お天道さんのご機嫌に沿って、なんとも柔軟に暮らしているのだ。
自分たちにどうにもできないことをどうにかしようとするのではなく
楽しみに換えてしまう、一種の諦めの良さというか、おおらかさというか。

それって、なんかいいな。

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