見出し画像

スマホが壊れる(2023.06.01)

毎週木曜日は長男のスイミングがある。妻が長男を連れて行き、ついでに下二人を幼稚園にお迎えに行ってくれるので、私は職場から家へ直帰できる。

今日私は誰もいない(犬はいる)家へ帰って、風呂を沸かし、着替えると、妻から仰せつかったモヤシときゅうりとハムのサラダ作りにとりかかった。

私はモヤシは茹でるよりレンジでチンする派だ。だが、毎回その度にレンチンする時間を忘れるので、スマホで調べた。そしてそのままスマホはそのへんに置いておいた。

無事にサラダは完成した。自分で言うのもなんだが、なかなか良くできた。実際妻も子供もよく食べてくれて、上出来であったと思う。

が、それはともかく、モヤシのレンチン時間を調べてそのへんに置いといたスマホがウンともスンとも言わなくなった。実際は「スン」くらいは言う。電源ボタン長押しとか強制再起動などをかけるとちょっと振動して、画面に「SONY」と出るから。でもそこまで。全然起動しない。

充電は満タンだ。ネットで調べてやれる手立ては全てやったが、それでも動かない。もう、明日ショップへ行くしかない。まだ新しいのになんてこった。

しかしながら、こうしてスマホが壊れてみると、普段いかにスマホに依存しているかを実感する。もはやスマホは拡張した自分の一部と言っても過言じゃない。各種記録、動画や音楽の視聴、地図機能、電話やメールやチャットなどでの連絡、予定の管理等々、ありとあらゆる機能をスマホ一台でまかなっている。

その、私にとって超重要なスマホという拡張機能が損なわれた今、私は体の半分くらいが麻痺してしまったような感覚に陥っている。出来ない事が多すぎる。

しかしその反面、なんだか身軽な感じもする。そしてそれは明日家を出た瞬間により強く実感するだろう。あらゆるしがらみから解き放たれた実感。家族も職場も、幼稚園も、私に連絡する事が叶わない。全てから解き放たれた私はその瞬間、私一個人となる。

久しぶりに明日、出勤の際はカーステレオでCDを聞いててみようかと思う。大きな袋に詰め込んだCDの山の中から何を持っていこうか考えると少し楽しい気持ちになってきた。スマホが壊れてずっと気持ちが沈んでいたが、案外悪いことばかりでもない。

明日は大雨だし、スマホは壊れているが、少しだけ楽しみができた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?