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心が持たない(2023.03.25)

先日文具を色々好きなだけ買って、その中に「窓に書けて消せるクレヨン」というのがあった。

昨日、満を持してこのクレヨンを子供たちの前に意気揚々と差出し、「これ、窓に書けるクレヨンだから、書いてみると良いよ」と言った。

大喜びの子供たち。我さきとばかりに一番大きくて綺麗な窓にガンガン書いていく。前日に綺麗に掃除したばかりの窓だったが、まぁ消えるクレヨンだから良いかと思っていた。

しかし容赦なく透明なキャンパスをクレヨンで埋め尽くしていく子供たちを見ながら私はどんどん不安になっていった。本当に大丈夫なのか?クレヨンは無事に消えてくれるのか?あんまり端っこに書くとカーテンについて落ちなくなるのではないか。

私は我慢できなくなってちょっと試しに窓に書かれた落書きの一部を消してみた。そうしたら消えることは消えるけど、なんだか白く残ってしまう。次男は思い切り押し付けるように窓に書いてるので、筆圧がすごい事になっており、書かれているクレヨンの量も多いのだ。

私はまだ窓への落書きを止めどなく続けている子供たちを慌ててストップさせた。「やめやめ!ごめん!落書きやめ!!」と言って、子供たちと窓の間に割って入って、クレヨンを取り上げた。ダメだった。心が持たなかった。私はうすうすそうなるんじゃないかと思ってはいたが、思っていたおり私の器は小さかった。全然我慢できなかった。「あっ!カーテンにちょっと青いのついてんじゃん!うわぁ~・・」とか言って。

私はそれから必死こいて窓に書かれた落書きを消した。素直な子供たちはそれを一生懸命手伝ってくれたりもした。逆に悪い事をしたなぁと申し訳ない気持ちになった。私はちっちぇ男なので「いいよいいよ!どんどんやれ!」というような大らかで背中の大きな父親にはなれなかったのだ。

私は私の人間的なサイズを再び思い知った。「窓に書けるクレヨン」は私にはまだ早すぎた。いつかまた子供たちや、何より私が成長したその時にはこのクレヨンで子供たちと一緒に窓に素敵な絵をたくさん描きたいと思う。

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