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財布とタマムシ(2023.06.19)

昨日の事だが、皆でわりと大きな公園に遊びに行った際に、わりと大きな滑り台の下に長財布が落ちているのを妻が見つけた。ちょうどその時、私は長男、そしてどこかの知らない男の子と手押し相撲を楽しんでいた。妻が色んな人と話しているのを遠くから見て、「妻は社交性が高いなぁ」などと感心していたのだが、実際は周りの人たちと財布の持ち主を探していたらしい。

間もなくして私も捜索隊に合流した。一緒に探してくれていたおばあちゃんによると、妻は公園にいるそれらしき大人にいちいち「財布を落としていませんか?」と聞いて回っていたとのこと。我が妻ながら、なんて善良で親切なのだと感心し、また尊敬もする。そして同時に家での感じとの落差が凄まじい事について深い疑問の念を抱いた。

持ち主が見つからないので、いよいよ警察に届けるかとなっていたところ、颯爽と現れたどこかのママが、私たちが躊躇しているのを他所にさっさと財布を開けて、中に入っているマイナンバーカードで持ち主がどんな人であるかを確認した。誰もが「開けたらよくね?」と思ってはいたが出来なかったところをあっさりやってのけた。そういう思い切りの良さに私は憧れる。

しかし持ち主の風貌が確認できたものの、それらしき人はやはり見つからない。顔写真の人物を探しに妻は公園のだいぶ遠い場所まで捜索に行ってしまった。

そうしていたところ、財布を持つ私の方をめがけて一直線に歩いてくる年配の女性があった。顔を見るとマイナンバーカードの顔写真と一致している。

果たして、女性はやはり財布の持ち主であった。一応顔写真により持ち主である事の確認はできたので、私は財布を渡した。一緒に捜索してくれていたおばあちゃんは、私の妻がいかに一生懸命持ち主を探していたのかをその女性に説明してくれていた。そして当の女性はというと、感謝の言葉を述べたものの、どちらかというと混乱しているといった様子で、おばあちゃんの言葉を聞くだけ聞いて、また風のように去って行った。

やっと捜索から帰ってきた妻に、財布の持ち主が現れ、財布を受け取って帰って行った事を伝えた。妻は安心した様子で、再び子供たちと遊び始めた。


そんな一件があり、私たち夫婦は間違いなく徳を積んだ。そして今日、会社に出社すると、社長が「お子さんは虫が好き?」と聞いてくるので、むちゃくちゃ好きである旨を伝えたところ、社長は鞄の中からうやうやしくビニール袋を取り出し、私に差し出した。袋の中には珍しいタマムシが入っていた。社長は今朝、偶然ご自宅でこのタマムシを発見し、私の長男が虫が好きであるというのを思い出し、わざわざ捕まえて持ってきてくれたとのこと。有難い事だ。

帰宅して長男にお土産があるよと言ってタマムシを渡したところ、大喜びし、袋からタマムシを出して掌にのせては「かわいいーー」を連呼していた。微笑ましい。

そして肝心なのはこの、落ちていた財布を無事に持ち主に渡すという「徳」を積んだ事、そしてひょんな事からタマムシが我が家へやってきたという、この二つの事実が何を意味するかということだ。

すなわちそれは、以前から何度もここへ書いている「金運アップ」に他ならない。しつこいようだが、ここまでいくつものファクターが揃うと、もはや「金運アップ」は望めないという方が嘘だ。「金運アップ」は事ここに至っては自然の理とすら言える。

あと一年もすれば私たち家族はいちいちポイント5倍デーを狙って給油しに行かなくてもよくなるし、スーパーの特売日にお年寄りの列に混じってレジに並ぶ必要もなくなる。自作のおにぎりばかりだった昼食はなんなら毎食外食になるだろうし、もう何年もやってない、旅館やホテルでの外泊を伴う旅行にだって私たちは行ってしまうだろう。

そうならないという道理はない。未来は、明るい。


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