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法事と海(2024.07.28)

妻の祖母の一周忌だった。

妻の祖母は100歳で亡くなった。認知症だったので、晩年をグループホームや老人ホームで過ごしたが、とても元気で、よく食べよく笑っていた。

葬儀は家族葬で、田舎の葬祭場で行ったのだが、どこかで聞きつけてきたのだろう、大勢の人が弔問にかけつけ、とても家族葬とは思えない賑やかなものだった。

あれはとても暑い日だったが、一周忌の今日もとても暑かった。でもさすがに一周忌ともなると集まるのも身内だけで、いつもの顔ぶればかりだった。

そして子供たちにとっては法事なんてどうでも良くて、妻の実家という治外法権が約束された場所でいかにおやつを食べ、いかに遊び倒すかが大事みたいだった。

法事は、和尚さんが時間通りにやってきて、滞りなく終わった。和尚さんは時間に遅れて来る事がしょちゅうなので、4時きっかりにやってきて、みんなびっくりしていた。長い長いお経を終えて、和尚さんは帰っていった。

それから私たちは海へ行った。妻は私が海に行くのをたいそう嫌がっているというふうに言っていたが、そんな事はなく、私は準備万端整えて、率先して海を楽しんだ。

ちゃんと、ゴーグルを準備して、水泳用の水着を履いた。着替えもタオルも十分に用意した。

前日も私以外は海へ行っており、そこで次男(3歳)は初めて海へ浸かったらしいが、まだおっかなびっくりで、あまり楽しんでいるようではなかった。

長男(8歳)と長女(4歳)はもう慣れたもので、海の浅いところでぱちゃぱちゃ楽しそうに遊んでいる。私はそれより少し深いところで潜ったり泳いだり、浮かんでみたりした。

やがて長男が「魚がいる!!」と言うので、一緒にそれを追った。確かに海の中には見えづらいけど小さい魚が泳いでいて、長男がそれを捕まえようとするので、一緒にやった。

魚はすばしっこくて、捕まえる事など無理に決まっていたが、長男は魚を捕まえようと一生懸命だった。長男は何度も何度も海へ潜っては、魚を見つけて、その場所を私に教えてくれた。長男は目がとても良くて、指さすところに魚がいるはずなのだが、私はなかなかそれを見つける事ができなかった。

長男はその魚を捕まえる作業がとても楽しかったらしく、帰りの車の中でも何度も「パパと海で遊んで楽しかった!」と言っていた。だからもうそれだけで、私は報われた。

良い週末だった。

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