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ワーキングホリデーってなんだ!?【前編】―オーストラリアで働きながら考えた、世界の広がりと人の可能性

こんにちは。国際コミュニケーション学科3年の岩田輝です。

みなさん、ワーキングホリデーとは何か、知ってますか?周りに経験者は居ますか?私は2022年4月から約1年間、山梨県立大学を休学し、オーストラリアでワーキングホリデーをしてきました。今回はその様子と、その1年間で考えたことについてお話します。

「ワーキングホリデー(通称・ワーホリ)」とは、現地で働きながら国際交流をする制度です。「留学」と違う点は、①現地で働けること、②一つの都市にとどまる必要がないということ、③大学や語学学校に行く必要がないこと、④条件を満たせばビザが延長できること、などが挙げられます。日本が協定を結んでいる国はオーストラリアを含めカナダ、韓国、スペインやスウェーデンなど26か国あります。つまり、あなたに長期の留学に行くほどのお金がなくても、現地で生活費を稼ぎながら、これらの国で海外生活を楽しむことができます。

私はまず、オーストラリア第二の都市、メルボルンからワーホリ生活をスタートしました。メルボルンはヨーロッパ風の歴史的な建造物と近未来的な超高層ビルが共存しています。しかし必要なモノがコンパクトに収まった、非常に住みやすい近代都市でした。

最初の3か月間は語学学校に通いながら、英語のブラッシュアップを行いました。私が通った語学学校は、全校生徒の約半分がタイ人でした。メルボルンは移民の割合が非常に高く、手軽に世界各国の文化や料理を味わえ、街を歩いているだけでも、多様な言語が聞こえてきます。そんな環境で、多国籍の友達と触れ合う中で、様々な生き方や価値観に触れることができました。

特に印象的だったのが、語学学校で出会った多くのタイ人の価値観です。彼らの多くは、母国のなかなか改善されない社会情勢に不満を抱いており、よりよい暮らしを求め、オーストラリアに移住し、永住権の取得を目指していました。生まれ育った故郷を離れることは、悲しいことかもしれません。しかし、彼らは自分の人生を充実させるために、たとえ異国の地でも語学やスキルの習得に向けてひたむきに努力していました。日本人の私に、彼らが持っている思いは完全には理解することはできないと思います。しかし、彼らの、「自分の人生を自分で切り開いていく行動力」は見習うべきところがあるのではないか、と感じます。

メルボルンの夜景
Haral Snack Pack(通称HSP)。トルコ料理ケバブをオーストラリア風に豪快アレンジした、脳みそが溶けそうなファストフード(笑)

メルボルンでの初仕事は、「Ofyroya(お風呂屋)」のスタッフでした。創業23年、オーストラリア唯一の日本式銭湯です。仕事内容は、①新規のお客様への日本式銭湯の入浴方法の説明、②営業中・営業後の清掃、洗濯などです。ほとんどのお客さんは現地の方です。当然のことですが、日本で習慣として無意識にやっていたことを英語で紹介することに悪戦苦闘しました。

しかし、自分が接客したお客さんが、お風呂を気に入り、リピートしてくださり、常連と仲良くなるにつれて、やりがいが湧いてきました。ちなみに、近所に住む常連客は、生粋のオージー(オーストラリア人)のDaniel。1年間で130回以上来ると豪語していました。(笑)

日本でも次々に「銭湯」がつぶれていく中、23年間異国で、日本のビジネススタイルを貫き通していました。地元の方々に愛された「Ofuroya」で働けたことは幸せでした。

後編に続きます)

“Ofuroya”のパンフレット