自作詩「鯨とネオンライトに浸ちゃって」
銀座の海。海の上。私は、泳ぐ。
京橋から銀座一丁目まで泣きながら歩いた。
街の人々は程よく私を無視し、
程よく驚いた顔を向けた。
銀座の街はきらびやかなオフィスカジュアルの布をひるがえし、
スカスカの街をすりぬけていく。
ここにいるのに、ここにいない。
スカスカのスルスルの。
飲みかけのビールの缶を、ベコベコへこます。
涙が落ちそうになったら、一気にアルコールを喉に注ぐ。
涙が溢れるよ。ビールが零れるよ。
溢れて、溜まって、海になる。
しょっぱくて、苦くて、気持ち良い