見出し画像

中小企業を取り巻く事業環境の変化への対応「グローバル化」(中小企業白書2021年度版より)

本日は、「第2部 危機を乗り越える力」「第1章中小企業の財務基盤と感染症の影響を踏まえた経営戦略」の続きです。
第4節「中小企業を取り巻く事業環境の変化への対応」より、今回は「グローバル化」について紹介します。
以下、「中小企業白書2021年度版」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2.グローバル化
感染症の動向は国ごとに異なり、海外に販路や生産拠点を持つ中小企業には深刻な影響を与えた一方、我が国の人口が減少する中、海外需要獲得は引き続き重要である。
まず、感染症流行以前の海外展開の動向について確認する。第2-1-121図は、企業規模別に、直接輸出企業の割合を見たものである(注)。
(注) 分析に用いている経済産業省「企業活動基本調査」の調査対象企業の規模は、従業者50人以上かつ資本金額又は出資金額3,000万円以上のものであることに留意が必要である。

画像1

これを見ると、中小企業の輸出企業割合は長期的に増加傾向にあることが分かる。また、中小企業の輸出額と売上高に占める輸出額の割合の推移を見ると、足元では減少が見られるものの、長期的にはいずれも増加傾向にあることが分かる(第2-1-122図)。

画像2

第2-1-123図は、輸出の有無別に製造業の業況判断DIの推移を示したものである。

画像3

輸出企業の業況判断DIは、非輸出企業と比べて感染症流行後に大きく低下している。一方で、リーマン・ショックや東日本大震災といった非常時を除いて、輸出企業の業況判断DIは非輸出企業の業況判断DIを一貫して上回っており、外需を獲得し企業が成長する手段としての重要性がうかがえる。

感染症流行によって、海外に現地法人を持つ中小企業や、海外輸出を行う中小企業では、どのような意識の変化があっただろうか。ここからは、(独)日本貿易振興機構が実施した「2020年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(注)を基に、海外ビジネスを実施する企業における感染症流行の影響と、今後の意向について、確認する。
(注) (独)日本貿易振興機構の会員制度への加入企業を対象とした調査。

第2-1-124図は、感染症の2020年度の売上高への影響を見たものである。

画像4

海外向けにビジネスを行う企業の約6割が、マイナスの影響があったと回答している。

第2-1-125図は、マイナスの影響があった企業における、そのマイナスの影響の程度を見たものである。

画像5

中小企業の海外売上高の減少幅の平均は41.0%と、国内売上高に比べて大きく、また大企業と比較しても大きいことが分かる。

第2-1-126図は、海外ビジネスの見直し方針について企業規模別に見たものである。

画像6

中小企業では「販売戦略の見直し」を回答した企業の割合が高いことが分かる。

販売戦略の見直しと生産の見直しについて、細かく見ていく。それぞれの具体的な方針について見たのが第2-1-127図である。

画像7

販売戦略の見直しでは「海外販売先(ターゲット)の見直し」、「バーチャル展示・商談会等活用の推進」、「越境EC販売開始・拡大」を回答した企業の割合が高いことが分かる。生産の見直しでは「生産数量・配分や生産品目の見直し」と回答した企業の割合が高いことや、「新規投資/設備投資の増強」と回答した企業の割合は「新規投資/設備投資の中止・延期」を上回っていることが分かる。

販売戦略の見直しの方針として「海外販売先(ターゲット)の見直し」が上位となっている背景として、世界各国での感染症流行の影響が異なっていることが考えられる。第2-1-128図は、我が国の輸出動向について、輸出先の国・地域別に見たものである。

画像8

感染症流行後、ほとんどの国・地域で輸出が減少した一方、感染症が収束傾向にある中国では、増加を続けている。

海外販売先を見直していくための手段として有用と考えられるのが越境ECである。第2-1-129図は、今後国内外での販売においてEC利用を拡大する企業の割合について、企業規模別に見たものである。

画像9

中小企業の方が利用拡大意欲が高く、また2020年に更に高まっていることが分かる。

第2-1-130図は、販売でECを利用している企業の内、越境ECを利用している企業の割合を見たものである。

画像10

越境 EC を利用している割合は2016 年以降増加していることが分かる。また2020年について、企業規模別に見ると、中小企業の方が越境ECを利用している割合が高いことが分かる。

第2-1-131図は、米国及び中国の消費者による日本の事業者からのEC購入額の推移を見たものである。

画像11

特に中国を中心に、越境ECの市場規模が拡大してきていることが分かる。

越境ECをはじめとする生産拠点の進出を伴わない海外輸出は、中小企業でも比較的取り組みやすい海外展開手法(注)であり、感染症流行下でも海外進出のチャンスをつかむことができる可能性がある。
(注)2019年版中小企業白書第3部第1章第1節では、「間接輸出」や「直接輸出」は、経営権を有する企業を設ける「直接投資」に比べてリスクが低く、また越境ECは中小企業の海外展開のチャンスを拡大していると指摘している。

事例2-1-20は、感染症流行の影響を踏まえて、中国での事業拡大、ベトナムでの事業縮小、ECの利用拡充と、各国の事情に合わせて戦略の見直しを検討する企業の事例である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

中小企業のグローバル化と、コロナ禍による影響についての説明です。
中小企業にとっても輸出のウエイトが高まる傾向にあります。食品業界でも輸出を増やしている企業をよく見聞きします。
中国、香港、台湾を始めとする東南アジアでは日本品質への信頼も高く、伍魚福製品の引き合いもあります。
越境ECは比較的リスクが少なく取り組める、ということで中小企業にもひろまっているようです。
伍魚福でも研究を進めたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan