就業時間の増減希望(令和元年版「労働経済の分析」より)
本日は、就業時間の増減希望について紹介します。
以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。
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●正規雇用労働者では、「週就業時間35~42時間」の者であっても、就業時間の増加より、減少を希望している者の方が多い
人手不足の緩和に向けて、外部調達が難しい場合、現従業員の追加就業等のように、企業の内部から人材を調達することも考えられるが、「平成29年版 労働経済の分析」で指摘したように、我が国は、国際的にみても長時間労働者の割合は高く、仮に、就業時間を今より減らしたいと考えている労働者が多い場合は、企業の内部人材による人材の供給余力はさほど大きくない可能性が考えられる。そこで、以下では、総務省統計局「就業構造基本調査」の個票を活用し、労働者の就業時間の増減希望をみることで、企業における内部調達による人材供給の余力を概観していく。
第2-(1)-16図では、正規雇用労働者、非正規雇用労働者それぞれの構成割合が高い週の就業時間数(付2-(1)-2図)等に着目し、就業時間を今より増やしたい者の割合から就業時間を今より減らしたい者の割合を差し引いたギャップをみており、値が0より大きいほど、就業時間の増加希望者が多く、逆に、値が0より小さいほど、就業時間の減少希望者が多いこと
を意味している。
まず、同図の(3)(4)により、非正規雇用労働者についてみると、「週就業時間35時間未満」の非正規雇用労働者は、男性、女性ともに、いずれの年齢階級においても、就業時間の減少希望者が多く、三大都市圏よりも地方圏で就業時間の減少希望者が多い傾向にあることが分かる。また、構成割合が最も高い「週就業時間35~42時間」の非正規雇用労働者は、男性、女性ともに、15~54歳の労働者では、就業時間の増加希望者が多いものの、「55歳以上」では、就業時間の減少希望者が多いことが分かる。週の就業時間が35~42時間である非正規雇用労働者は、いわゆるフルタイムで労働している者が多い可能性があることから、家計の主な担い手となっている者が多いと思われる15~54歳の労働者において、家計収入の増加を目的に、就業時間の増加を希望している可能性が考えられる。
次に、同図の(1)(2)により、正規雇用労働者についてみると、「週就業時間49~59時間」の正規雇用労働者は、男性、女性ともに、全ての年齢階級において、就業時間の減少希望者が多く、長時間労働者は、年齢や性別、地域圏にかかわらず、就業時間を今より減らしたいと考える傾向にあることが分かる。また、構成割合が最も高い「週就業時間35~42時間」の正規雇用労働者は、所定外労働時間が相対的に少ない労働者であるにもかかわらず、男性、女性ともに、いずれの年齢階級においても、就業時間の減少希望者が多い状況にあり、わずかではあるが、「地方圏」と比較して「三大都市圏」の方が、就業時間の減少希望者が多い傾向にあることが分かる。
最後に、同図の(5)(6)により、育児又は介護をしている者に限定した上で、上記と同様に就業時間の増減希望をみると、正規雇用労働者では、男性、女性ともに、いずれの年齢階級においても、就業時間の減少希望者が多く、育児又は介護をしていない「週就業時間35~42時間」の正規雇用労働者よりも、減少希望者が多い傾向にある一方で、非正規雇用労働者では、男性、女性の「55歳以上」を除き、就業時間の増加希望者が多い傾向にあり、とりわけ、15~54歳の女性では、就業時間の増加を希望する者が相対的に多いことが分かる。育児又は介護をしている15~54歳の女性の非正規雇用労働者は、家計の補助を担っている者が多いと思われることから、家計収入の増加等を目的に、就業時間の増加を希望している可能性が考えられる。
以上のように、労働者の就業時間の増減希望をみてきたが、一部の非正規雇用労働者を中心に、就業時間の増加を希望する者がいるものの、人手不足感が相対的に高まっている正規雇用労働者では、長時間労働者だけではなく、所定外労働時間が相対的に少ない労働者においても、就業時間の減少を希望する者が多い傾向にあることから、企業における内部調達による人材供給の余力は必ずしも大きくない可能性が示唆される。
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正社員では、「週就業時間35~42時間」の者であっても、就業時間の増加より、減少を希望している者の方が多いという調査結果です。
昔は、残業をして稼ぐ、というような方もよく見かけたように思います。
リゲインの「24時間戦えますか?」というフレーズを思い出します。
最近はそういう風潮にはありませんね。
生産性を高めることで、労働時間を短縮できるような取り組みを進めなければなりません。
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