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水産物の需給・消費の状況(令和元年度水産白書より)

本日は、水産庁のまとめている、「水産白書」から「水産物の需給・消費の状況」について紹介します。

以下、特記した場合以外、引用は「令和元年度水産白書」から、図はそちらからのキャプチャー画像です。

まずこの10年間の魚介類の生産・消費構造の変化です。

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2018年度の日本における魚介類の国内消費仕向量は716万トン、そのうち約8割である569万トンが食用消費向け、2割の147万トンが非食用消費向けとなっています。
10年前と比べると、国内生産量が111万トン減(▲22%)、輸入量が80万トン減(▲17%)、国内消費仕向量全体では226万トン減(▲24%)となっています。
国民1人あたり、可食部分を示す「純食料ベース」で年間23.9kg食べている計算になりますが、10年前と比較すると7.5kg減(▲23.9%)となっています。
月平均2kg、家では魚をキロ換算しませんので実感がわきませんが、平均以上は食べていそうです。

食用魚介類の自給率の推移です。

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2018年度の自給率は前年よりも3ポイント高まって59%となっていますが、国内消費仕向量、つまり魚の消費全体が落ち込むスピードが生産量の減少スピードを上回っていることが影響しているので、全く喜べない状態です。

食用魚介類の1人1年あたりの消費量は、先ほども触れたとおり23.9kgです。

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ピークの2001年度には40.2kgありましたが、そこから継続して減少傾向にあります。たんぱく質の消費量自体は横ばいですが、「肉類」の消費に置き換わっていることが読み取れます。

総務省の家計調査に基づく2人以上の世帯の生鮮魚介類の消費の状況です。

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支出金額自体は横ばいですが、購入量は減少しています。
これは、次に示す、価格上昇の影響によるものです。

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2013年以降、食料品全体の価格が上昇する中、特に生鮮魚介類の上昇幅が大きくなっています。
生鮮魚介類全体と食卓にのぼることの多い「サケ」の購入量の推移です。

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サケは価格上昇しても購入量が大きく変化していないことがわかります。
白書は、サケは切り身で売られることが多く調理がしやすいため安定的に消費されていると分析しています。
そういえば、我が家でも今朝、塩鮭が登場しておりました(笑)。

食料白書でも登場した、日本政策金融公庫の「食の志向調査」の結果です。

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2020年1月には「健康志向」、「簡便化志向」、「経済性志向」の割合が上位にきています。特に「簡便化志向」の上昇が大きくなっています。
「安全志向」、「手作り志向」は下降しているのが興味深いですね。

加工用の食用魚介類の状況です。

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生鮮・冷凍の食用魚介類の消費仕向量が減少している中で、加工用の食用魚介類の消費仕向量は下げ止まりつつあるようです。その結果、加工用の食用魚介類の割合が高まっています。調理に対する簡便化志向が強まっていますので、消費者の加工品ニーズが高まっていると言えるでしょう。

伍魚福の商品でも「一夜干焼いか」や「いかなごの『くぎ煮』」、「明石だこのやわらか旨炊き」、「わさびチーズ入焼きちくわ」など魚介類を原材料とした製品が数多くあります。
原材料となる魚介類の不漁等で、白書にあるとおり、価格改定等を繰り返してきており、売上が大きく減少している商品もあります。
原料事情もお客様にご理解いただきながら、価格に見合う価値があるとご評価いただける努力を続けなければなりません。
消費者の志向が変化していることも踏まえ、どんどん新しい商品を開発していきたいと考えています。


最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan