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感染症流行の影響を踏まえた資金繰り支援(中小企業白書2021年度版より)

本日は、「第2部 危機を乗り越える力」「第1章中小企業の財務基盤と感染症の影響を踏まえた経営戦略」の続きです。
今回は、感染症流行の影響を踏まえた資金繰り支援について紹介します。
以下、「中小企業白書2021年度版」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
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2.感染症流行の影響を踏まえた資金繰り支援
売上高の減少により利益水準が下がり、資金繰りの維持に問題が生じたり、すぐには問題がなくても将来の不確実性に備えたりするために、資金調達が必要となった企業が増加したものと考えられる。このような状況下、政府や金融機関では大規模な資金繰り支援を実施した。本項では、感染症流行後に実施された代表的な各種資金繰り支援策の実績について確認していく。なお、支援策の概要についてはコラム 2-1-1 を参照されたい。
①給付金・助成金
感染症の影響を受ける事業者の事業継続を下支えするため、持続化給付金や家賃支援給付金などによる支援が実施された。
第 2-1-30 図は、持続化給付金の給付実績を見たものである。

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持続化給付金は、2020年5月1日に申請受付を開始し、2021 年2月末時点で、約 423 万件(注)、約 5.5 兆円の給付を行った。
(注) 持続化給付金の給付対象には、中小企業基本法上の中小企業以外の企業も含まれる(コラム2-1-1 を参照)。

第 2-1-31 図は、家賃支援給付金の給付実績を見たものである。

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家賃支援給付金は、2020 年7月 14 日に申請受付を開始し、2021 年2月末時点で、約 101 万件、約 8,800億円の給付を行った。

第 2-1-32 図は、雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)の支給実績について見たものである。

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雇用調整助成金は、2020 年1月 24 日以降の期間、感染症の影響を受けて事業の縮小した事業者に対して累次の特例措置を講じ、2021 年2月末までに約 267 万件、約 2.9 兆円の支給を行った。

②融資・保証・条件変更
第 2-1-33 図は、政府系金融機関である(株)日本政策金融公庫及び(株)商工組合中央金庫における融資承諾件数の推移について見たものである。

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(株)日本政策金融公庫は、外的要因により一時的に業況が悪化している企業への貸付制度「セーフティネット貸付」に加えて、2020 年3月 17 日に「新型コロナウイルス特別貸付」の取扱いを開始し、申込みが急増した。また、(株)商工組合中央金庫でも危機対応業務の一つとして「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を立ち上げ、申込みが急増した。

第 2-1-34 図は、信用保証協会への信用保証の承諾件数の推移について見たものである。

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2020 年3月までにセーフティネット保証4号、同5号、危機関連保証の認定制度が立ち上がり、5月1日から民間金融機関における実質無利子・無担保融資制度が立ち上がると、これに伴う信用保証の申込件数が急増した。

金融機関による資金繰り支援には、新規融資の実施のほか、既往債務の条件変更もある。第 2-1-35 図は、金融機関における貸付け条件の変更の申込み・実行件数の推移について見たものである。

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2020 年3月以降の銀行における貸付け条件変更の申込みは4月にピークを迎え、その後減少傾向にあるも毎月相応の申込みが続いている。
申込みに対する実行率は 99%を超えており、金融機関がほとんど申込みを断っていないことが分かる。

既存の借入金の返済猶予に関する相談については、金融機関のほか、中小企業再生支援協議会にも窓口が設置された。第 2-1-36 図は 2020 年4月以降の中小企業再生支援協議会における一次相談対応件数の推移について見たものである。

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2020 年4月1日に「新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール実施要領」が制定されると、中小企業再生支援協議会に対する支援の相談が増加した。

③中小企業における支援策の活用状況
第 2-1-37 図は、感染症流行後に活用した支援策について、従業員規模別に見たものである。

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持続化給付金は従業員規模の小さい企業、雇用調整助成金は従業員規模の大きい企業で活用した割合が高いことが分かる。

業種別に見たのが第 2-1-38 図である。

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宿泊・飲食・生活関連サービス業では、ほとんどの支援策で活用割合が高いことが分かる。感染症の影響が大きかったこれらの業種では、各種支援策の支援対象要件に該当した企業が多い(注1)(注2)ことが推察される。
(注1)例えば、持続化給付金では、2020 年1月以降に前年同月比売上高が 50%以下に減少した月があることが支給対象要件となっている。
(注2)森川(2020)では、資金繰り支援、雇用調整助成金、持続化給付金といった支援策を利用している企業の生産性は、コロナ危機に入る前の時点で非利用企業に比べて低い傾向にあることを指摘している。
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コロナ禍での、国の支援策の利用状況です。
持続化給付金が2021年2月末までに約5.5兆円。
家賃支援給付金が約8800億円。
雇用調整助成金が約2.9兆円。
国民金融公庫や商工中金、保証協会の保証に基づく民間銀行の無利子融資も膨大な件数となっています。金額はいくらなんでしょうか。

伍魚福でも昨年は雇用調整助成金をいただいたほか、無利子、3年間据え置きの融資を受けました。
日本全体でのコロナ対策のお金のバランスをどう取るのか、どう戻すことができるのか。金額が大きすぎて私にはわかりません・・・。



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