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2021年漁期イカナゴシンコ(新子)漁況予報

兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センターが「イカナゴシンコ(新子)漁況予報」を公開しています。

以下、「イカナゴシンコ漁協予報」からの引用です。

1.産卵親魚の調査結果
播磨灘北東部の鹿ノ瀬で、12 月 2 日から 12 月 28 日にかけて延 5 回、文鎮漕ぎによる採集調査を実施した。
(1) 親魚密度
文鎮漕ぎ 1 曳当たりの採集尾数は 7.8 尾で、平年値を下回り、昨年と同様低い値であった。年齢組成は 1 才魚が 93.5%、2 才魚以上が 6.5%であった。

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一昨年よりは少し改善されつつあるように読み取れます。

(2) 親魚の全長組成
親魚全体の平均全長は 106.4mm で、昨年の 108.6mm を下回ったそうです。

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(山中注)昨年よりも2才魚以上のものが少し多いですが、全長の平均は下回っています。

(3) 産卵量指数
今年の産卵量指数は 0.11で、昨年と同様低い値であった(表2)。
*産卵量指数:総産卵量の目安となる数値。1尾当たりの産卵量は親魚の大きさによって異なるため、毎年の親魚密度と全長組成から算出しています。

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(山中注)こちらも昨年よりもちょっと良い程度です。

(4) 産卵盛期
今年の雌親魚の生殖腺(卵巣)熟度指数は、12 月 17 日から 12 月 28 日にかけて減少した(図 2)。また 17 日の調査では産卵が始まっておらず、24 日には半数が産卵を終えており、28 日には大半の個体が産卵を終えていた。以上のことから、鹿ノ瀬における今年の産卵盛期は昨年よりも早いと考えられた。

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(山中注)産卵が昨年よりも早めに終わった、とのことです。ということは昨年よりも少し早めに稚魚が成長するのでしょうか。

2.稚仔の調査結果
稚仔の調査は1月 20 日、21 日、22 日に実施し、表層から底層までの往復傾斜曳き(口径 60cm のボンゴネット使用)により採集した。
1 地点当たりの平均採集尾数は、播磨灘が 2.5 尾(昨年:1.4 尾)、大阪湾が 3.5 尾(昨年:1.1 尾)、紀伊水道が 1.1 尾(昨年:0.6 尾)であり(表 3)、各海域とも分布量は低水準であった(図 3)。
全長の平均値は、播磨灘が 6.9mm(昨年 7.6mm)、大阪湾が 7.0mm(昨年 7.0mm)、紀伊水道が 7.9mm(昨年 7.1mm)であった(図 4~6)。

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(山中注)これも昨年よりもちょっと良いようです。

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3.稚仔の成育の見通し
稚仔の成長速度は水温の影響を強く受け、水温が高いほど成長速度が速くなる。今年の明石海峡部の水温は、平年(平成 22~31 年の 10 年間の平均値)に比べ低め~平年並みで推移している(図 7)。
1 月 28 日に大阪管区気象台から発表された平均気温の 1 か月予報(寒気の影響を受けにくいため、向こう 1 か月の平均気温は高い)から判断すると、今後の水温は平年より高めに推移すると予測され、稚魚の成長速度も平年をやや上回ると考えられる。

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(山中注)昨年よりも水温が低く、平年よりも高いので、昨年の解禁日2月29日よりも遅くなる可能性がありますね。

4.シンコ漁の予測
昨漁期の漁獲量は、播磨灘、大阪湾、紀伊水道の 3 海域において平年(標本漁協における平成 21~30 年の 10 年間、2、3 月のシンコ漁獲量の平均値)を下回り、播磨灘では一昨年を下回り、大阪湾および紀伊水道では、一昨年並みであった。
今漁期の産卵量や稚仔の分布量は、昨年と比較すると僅かに増加しているものの、平年と比較すると依然として低水準であることから、“今漁期のシンコ漁獲量は、3海域とも平年を下回る。”と予想される。
※)シンコの網おろし日は各地区漁業者の自主的判断によるが、過去の経験から網下ろしが早過ぎた場合には不漁になる可能性が高い。網おろし日の決定にあたってはこの点を十分に考慮する必要がある。
また、依然としてイカナゴの資源量が低水準であることから、翌年の漁獲量を増やしていくためには、これまで以上に産卵親魚を残すことを考慮した漁獲や網あげの取組が必要である。
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今年は、2月24日に試験曳きが行われ、解禁日が決まります。
昨年よりも若干良いような雰囲気のデータが出ていますが、平年は大きく下回っています。
「予報」の最後に書かれている通り、早めに網上げ(いかなご漁の終漁)される可能性が高いです。
昨年は大阪湾では3日間で終漁、播磨灘の魚を確保してくぎ煮を炊きました。
伍魚福の看板商品である「くぎ煮」。
貴重な資源として、確保させていただいた分は大切に販売させていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan