伍魚福「品質方針」の策定(商品と品質関連組織の変遷)
私が伍魚福に入社した1995年(平成7年)。
29歳の私は、入社後、社長室長に就任し、経営企画的な仕事を担当しました。
商品の製造と販売の調整を行うために、営業の数値の予測精度を高める取り組みをしたり、営業と一緒にお得意先を回って話を伺ったり、バタバタして1年がすぎました。
「どうせお前がやるんやからやれ」
というワンマン社長ならではの指示で、2年目の3月から「営業部長」を拝命しました。
当時の組織図(1996年度・平成8年度)がありますので掲載します。
「商品科学研究所」という組織で部門横断のプロジェクト的に販促を考えたり、商品を考えたりしようとしていたことが伺えます。
社内の業務を行う「業務部」の中に「商品課」があり、商品の企画開発や品質管理・クレーム対応などを行っていました。
協力工場の皆さんとの商談は、社長(当時は59歳)が自ら行っていました。
何名か「商品課」に社員が配置されて、アシスタント的に動いていました。
その4年後、2000年度(平成12年度)の組織図です。
この年は、パワーポイントの組織図機能を使って作ったようです。字が小さく、見にくくて申しわけありません。
営業の呼称はその前年1999年度(平成11年度)から「お客様繁盛推進本部」に変わっています。
この年から、私は新チャネル開発をベテランの営業課長とふたりで担当することになりました。
メインだった酒販店チャネルの落ち込みに伴い、新しいチャネル(主にスーパー)を開拓しようとするものです。
酒販店向けのB2B(卸)通販もこの年にスタートしました。
スーパーマーケットの新規開拓を行い、徐々に取り組みが増えていきますと、お得意先から、
「商品カルテを提出してください」
と言われるようになりました。
「商品カルテってどんなものですか?」
とバイヤーに聞き、参考フォーマットをいただいて、自分でカルテをエクセルで作って提出していました。
そのフォーマットを全商品に展開することで徐々に資料を整備していきました。
欠品対応やクレーム対応など、スーパーマーケットからの要望レベルは高く(今思えば、それが当たり前)、品質管理のレベルアップの必要性を痛感。
当時の社長(父)も危機感を感じていたようで、神戸市の異業種交流でご一緒していたMCC食品の方に紹介いただき、日本冷凍食品検査協会のコンサルティングを受け品質管理体制を整備することに(多分2003年度)。
日本冷凍食品検査協会さんは、現在は名称を「日本食品検査」と変更されています。当時も冷凍食品の検査以外にもコンサル事業を展開されていました。
その指導の下、ISOの品質管理システムに準じ、まずは大目標の「品質方針」を制定することとなりました。
それが、今回のタイトルとなった伍魚福の品質方針です。
「伍魚福に価値のある商品・サービスを提供し、伍魚福に関わる全ての人に貢献する。」
というのが大方針です。
「価値のある商品」、「価値のあるサービス」、「クレーム対応」、「伍魚福に関わる人」をそれぞれ定義したものがこれに続きます。
クレーム対応:迅速で誠実な対応を行い、伍魚福のファンを作る
発生の原因を突き止め対策を講じ、クレームゼロに挑戦する
「クレーム対応」の言葉は大方針の中にはありませんが社長の指示で追加し、定義は私が考えました。
気づいたことをご指摘いただいたことに感謝し、「迅速で誠実な対応を行うこと」で現実にファンになっていただく方も多いです。
クレーム対応をすることで、お礼のメッセージをいただくことも多くあります。
今でも、この大方針を変えず、継続して追いかけています。
社内の品質管理部門は、専任を置くとともに、組織としても独立しているべきであるという指導をいただき、2004年度(平成16年度)より「品質保証部」を設置し、今に至ります。
品質保証部に繁盛推進グループがあるのは、片岡部長(当時)が北海道の営業を担当しており、担当変更できなかったことによります。
苦肉の策ですが、営業と兼任になってしまってますね(汗)。
私も品質保証本部統括として、各地の協力工場を回ると、
「片岡さんはどうされてますか?」
とよく聞かれます。
品質保証部の草創期に頑張っていただいたので、印象的だったのだと思います。
「伍魚福さんの指摘を受けて品質レベルを高めることができました」
という声もいただきます。
当然「よいしょ」も入っていると思われますが、うれしいお声です。
「伍魚福エンターテイニングスパイラル」の「協力企業にとっておもしろい会社」になれたのではないかと感じる瞬間です。
品質保証体制をスーパーとの取り組みとともに整備をしてきましたので、中小食品メーカーの中では比較的早めに体制も整い、資料や記録が整備できていたようです。
先代社長の異業種交流の知人からの紹介で準大手食品メーカーの品質管理部署OBに入社いただき、食品表示のチェック体制を整備、全ての商品の表示を見直したのもこのころです。
2007年に「赤福」、「白い恋人」などで表示偽装の問題が起こり、お土産の小売業で一気に品質意識が高まった際にも、各社からの問い合わせにすぐに対応・返答でき、ご評価いただけました。
2005年から学んだ経営品質の取り組みでは「未然防止」の重要性を学びました。
どうすれば、再発防止から、未然防止に進めるのか。
どのように協力工場の皆さんとともに成長できるか。
全てのステークホルダーの皆さんと、「伍魚福エンターテイニングスパイラル」をどうすれば実現できるか(スパイラルアップできるか)。
お得意先やお客様のご要望にお応えするために、少しずつ品質管理のレベルを高めてきました。
今年の組織図です。
「商品企画チーム」と「商品開発チーム」を分けるとともにメンバーも増やしました。
「企画チーム」では、販売チャネル別に責任者をおき、並列的に素早く商品企画を進めていく体制としています。
新しい商品を作る際の品質チェック・表示の確認などの品質関連業務を商品開発チームから品質保証部に移管するなど、商品企画・開発がより早く、品質も維持しながら進められるようにしています。
品質保証本部自体は、社長直轄、私が責任者(統括)を兼ねています。
1996年度(平成8年度)の組織図と比べると、隔世の感があります。組織も人も充実し、現在が過去最高のTEAM GOGYOFUKUの組織体制になっているのではないかと感じます。
改めてTEAM GOGYOFUKUメンバー全員で「品質方針」にあるとおり、「伍魚福に関わる全てに人に貢献する」ことを目指して努力を続けたいと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan