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ワーク・エンゲージメントと職業人生の長さに関する所感(令和元年版「労働経済の分析」より)

ワーク・エンゲージメントと職業人生の長さに関する所感について紹介します。

以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。

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●逆方向の因果関係がある可能性にも留意が必要であるが、ワーク・エンゲイジメントを向上させることは、「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」と感じる労働者の増加につながる可能性が示唆される

第2節の最後に、ワーク・エンゲイジメント・スコアと職業人生の長さに関する所感(注)との関係性について考察していく。
(注)労働政策研究・研修機構「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査」(2019年)に盛り込まれている「自身が健康で、マイペースに働ける希望にあった職であれば、職業人生は可能な限り長い方が望ましい」や「自身が健康で、マイペースに働ける希望にあった職であっても、職業人生は長過ぎない方が望ましい」といった質問項目に対する結果を活用して分析している。

我が国では、少子高齢化による生産年齢人口の減少が見込まれる中、労働供給制約を抱えており、その時々の景況感によって左右される可能性があることに留意が必要であるものの、3年先(2022年)に関する企業予測では、現状よりも高い人手不足感が見込まれている。今後、恒常化する可能性も懸念される高い人手不足感への対処策の一つとして、高齢者から若者まで、就労を望む誰もが、いくつになっても活躍できる社会を構築していくことが肝要だと考えられる。その前提としては、働く方一人ひとりにとって、職業人生は可能な限り長い方が望ましいと感じることのできる「働き方」が実現されることが重要であり、そのために、「働きがい」が重要な「鍵」となることが推察される。そのため、ここでは、ワーク・エンゲイジメント・スコアと職業人生の長さに関する所感との関係性について考察していく。

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まず、第2-(3)-18図の(1)では、職業人生の長さに関する所感について、我が国の概況を整理しており、同図の(1)によると、「職業人生は長過ぎない方が望ましい」と考える者が12.6%である一方で、「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」と考える者が63.0%となっており、後者の割合が高いことが分かる。

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次に、同図の(2)では、ワーク・エンゲイジメント・スコアと職業人生の長さに関する所感との関係性を整理しており、図の(2)によると、ワーク・エンゲイジメント・スコアと「職業人生は長過ぎない方が望ましい」には負の相関があることが、また、ワーク・エンゲイジメント・スコアと「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」には正の相関があることがうかがえる。逆方向の因果関係(注)がある可能性にも留意が必要であるが、ワーク・エンゲイジメントを向上させることは、「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」と感じる労働者の増加につながる可能性が示唆される。
(注)「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」と感じる労働者が、「働きがい」を感じており、結果としてワーク・エンゲイジメント・スコアも高い可能性も考えられる。

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さらに、同図の(3)では、ワーク・エンゲイジメント・スコアが高い者と低い者に分けつつ(注)、年齢別に、ワーク・エンゲイジメント・スコアと職業人生の長さに関する所感との関係性を整理している。
(注)本稿におけるワーク・エンゲイジメントが高い者とは、ワーク・エンゲイジメント・スコアが4.5以上の者(「よく感じている」「いつも感じている」に相当)としている。また、ワーク・エンゲイジメントが低い者とは、ワーク・エンゲイジメント・スコアが3.0以下の者(「時々感じる」「めったに感じない」「全く感じない」に相当)としている。

まず、ワーク・エンゲイジメント・スコアの高低にかかわらず、加齢に伴って、「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」と感じる労働者の割合が高くなる傾向にあり、例えば、「60歳以上」であって、ワーク・エンゲイジメント・スコアが高い者では、75.8%が同所感を持っていることが分かる。こうした傾向は、ワーク・エンゲイジメント・スコアが高い者の中における平均的なスコアが、高齢者において相対的に高い可能性も考えられるが、「平成30年版 労働経済の分析」では、高齢者(70歳)が仕事をしている理由について、他の年齢と同様に、収入に関連する理由を挙げる者が多いが、健康の維持や社会参加を目的にする者が相対的に多くなることを指摘しており(注)、その分析結果を踏まえると、加齢に伴って、職業人生を通じて実現したい目標や達成した目的に変化が生じており、それが影響している可能性も考えられる。
(注)第Ⅱ部 「働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について」のp.103を参照。

次に、「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」と感じる労働者の割合について、ワーク・エンゲイジメント・スコアが高い者から低い者を差し引いた差分を年齢別に比較すると、「60歳以上」が10.8%ポイントと最も高くなっており、次いで、「29歳以下」が10.6%ポイント、「50歳台」が9.5%ポイント、「30歳台」が9.1%ポイント、「40歳台」が6.9%ポイントとなっている。いずれの年齢階級においても、ワーク・エンゲイジメント・スコアが低い者と比較し、ワーク・エンゲイジメント・スコアが高い者では、「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」と感じる労働者の割合が高いが、特に60歳以上の高齢者や29歳以下の若者では、「働きがい」と職業人生の長さに関する所感との関係性が強い可能性が示唆される。

以上のように、本節では、様々なアウトカムとワーク・エンゲイジメント・スコアとの関係性について、データで具体的に示してきた。人手不足下においては、企業にとって、従業員の組織コミットメントを向上させるとともに、従業員の離職率を低下させることは重要な課題であり、そのためにワーク・エンゲイジメントを向上させることは、有効な手段となる可能性が示唆された。また、我が国においても、ワーク・エンゲイジメントを向上させることが、働く方の健康増進と仕事のパフォーマンスの向上を同時に実現していく可能性が示唆された。さらに、働く方の健康に与える影響といった観点からは、ワーク・エンゲイジメントとワーカホリズムに大きな差異がある可能性が確認された。ただし、ワーク・エンゲイジメントとワーカホリズムの間には正の相関が確認され、状況によってはワーク・エンゲイジメントの状態にあった者がワーカホリズムの状態に陥りやすい傾向もあり、企業は、ワーカホリックな労働者を称えるような職場環境を見直す等、働き方をめぐる企業風土の在り方についても、しっかりと検討していく必要があることを指摘した。そして、ワーク・エンゲイジメントを向上させることは、「職業人生は可能な限り長い方が望ましい」と感じる労働者の増加につながる可能性が示唆され、今後も引き続き懸念される高い人手不足感への対処策の一つとして、就労を望む誰もが、いくつになっても活躍できる社会を構築していくためには、その向上が有効な手段となる可能性が示唆された。
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私自身は、仕事とは社会への恩返しである、と考えています。
従って、生きている限りは恩返しを続ける、社会に役に立ち続けたいと思います。
社会へのお役に立ち方は、年齢や周りの状況によって異なります。雇用関係で賃金が発生するもの、純粋なボランティアとして社会貢献するものなど多岐にわたるはず。
ですので、単純に「職業人生」とは呼べないようにも思います。
「職業人生は長すぎない方が望ましい」と答えた方でも社会の役に立ちたい、と思っている方は多いのではないのでしょうか。

ワーク・エンゲージメントのレベルによって「職業人生」についての考え方が違う、というのは確かにそのとおりですが、人の生き方、に関わる哲学的な命題であるようにも感じます。
良い人生だった、と伍魚福のメンバーには感じてもらえるような会社にしなければなりません。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan