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いかなごの漢字表記「玉筋魚」は実は誤り(私説)〜いかなごの「くぎ煮」その2〜

いかなごを漢字で書くと「玉筋魚」。
なんか変な感じだなーと思っていました。
いろいろと調べていくと、中国でそういう表記だったので、そのまま日本でも使うようになったという記事を目にしました。

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昨日のnoteでも触れましたが「和漢三才図会」の記述をよく見ているうちに、あることに気づきました。

「玉筯魚」の「筯」という文字(「竹かんむり」に「助」)です。
「筋」(スジ・キン)ではなく「筯」(チョ)なのです。

ちゃんとJIS第3水準の文字としてパソコンでも使用できます。
訓読みがないので、日本語では一般的に使われていないようです。

「筯」は「箸」のこと。
つまり、玉でできた箸のような魚という意味で「玉筯魚」と表記されたものではないでしょうか(私の独自の思いつきです)。

現在「筋(すじ)」という文字が使われ「玉筋魚」と表記されていますが、これは似ている字を当てたもの、あるいは誤用されたものが定着してしまったものと推測しています。

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そんな話を、「いかなごのくぎ煮文学賞」の特別審査委員長、作家で俳人の三田完(みたかん)先生にしたところ、貴重な示唆をいただきました。

中国の書体「篆書」の一種として「玉筯篆」(ぎょくちょてん)というものがあるそうです。
「玉筯とは玉で作った箸のこと」とのことで、私の説がほぼ裏付けられたと考えて良さそうです。
いかなごは、イワシやタイなどの流線型ではなく、細長いうなぎ状に成長します。
「先も元もほぼ同じ太さの中国の箸に似て」います。

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本来今の文字で言うと「玉箸魚」
「玉筋魚」の名前は、泳いでいるさまが海に筋ができたように見えるからという、文字から想像した勝手な説?も聞いたことがあります。
しかし、本来は「玉筯魚」、中国の宝石・玉(ぎょく)つまり翡翠(ひすい)でできた箸のような魚という方がその見た目から言ってもぴったりだと思いませんか?

中国語のサイトで「玉筯篆」を検索すると、「玉筯篆」、「玉筋篆」、「玉箸篆」の3種類の表記があるようで、こちらも混乱しているようです。
日本でのいかなごの漢字表記も意味を合わせて「玉箸魚」に修正するか、本来の「玉筯魚」に修正したいです。

日本中の国語辞典やワープロの漢字変換を修正して欲しいのですが、どこに言ったら良いのかわかりません。
国語学の権威の方に取り上げてもらうか、探偵ナイトスクープに依頼するかしかないでしょうか(笑)。

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漢字の本家中国でも現在は「玉筋魚」という表記が使われています。パソコンの登録の関係か、日本から逆輸入されたのか経緯は謎です。
中国でも表記修正の運動を起こさねばなりません(おおげさ)。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan