見出し画像

「新市場創造型商品」づくりを目指して③〜未充足の強いニーズを見つける〜

「買う前に欲しいと思わせる力」(商品コンセプト)の中でももっとも重要な要素が消費者のどのような「ニーズ」に応えるのか、という点です。

梅澤メソッドでは、「未充足ニーズ理論」と呼ばれています。

ーーーーーーーーーーー以下引用(図は山中が追加)ーーーーーーーーーー
未充足ニーズ理論
「どのようなニーズに応えたら売れるのか」
「売れる商品」には、その要素のひとつとして優れた商品コンセプトがあります。では、すぐれた商品コンセプトとは、どのようなニーズに応えたものなのでしょうか。
「未充足ニーズ理論」は、梅澤伸嘉が数々のコンセプトテストと市場での成績との相関研究をもとに1986年に発表した「どのようなニーズに応えたら売れるか」を説明する理論です。

ニーズの深層構造

20201211note用スライド1

消費者ニーズ(消費者が満足を得るために自らの行動を駆り立てる気持ち・意識)の深層には、普遍的な「基本(be)ニーズ」(人生ニーズ)があって、それを満たすために「行為ニーズ(do)」(生活ニーズ)が発生し、そのニーズが商品やサービスに触れると「欲しい」という「対象・所有(have)ニーズ」をもたらすのです。 つまり、商品に触れて「欲しい」と思ったときにはその背後に「行為ニーズ」(生活ニーズ)があり、さらにその背後には「基本ニーズ」(人生ニーズ)が隠れています。このように3種類のニーズは、互いに目的-手段の関係でつながっています。

しかし、商品に触れればすべて「欲しい」と思うわけではありません。「行為ニーズ」の「したい、やりたい」の度合の強さ(ニーズの強さ)と、「でも現状ではできない」という満たされない(未充足の)度合がともに高い、「未充足の強いニーズ」に商品が応えたとき、消費者はその商品を「欲しい」と思うのです。

20201211note用スライド2

「行為ニーズ」にはこの「強くて未充足」(◎−◎)に加えて、「強いが未充足でない」(◎−×)、「弱いが未充足」(×−◎)、「弱いし未充足でない」(×−×)という4種類があります。

商品開発・企画者は、「ニーズが強いか、弱いか」のみを考え、「未充足度が強いか、弱いか」を無視する傾向にあります。「未充足の強いニーズ」に応えた<天才コンセプト>の商品を作ることが大切なのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

20201211note用スライド2

昨日のnoteで書いた、私が中学2年生の時に「とにかく欲しい」と思ったSONYのウォークマン。
「どんな場所にいてもいい音で音楽を聴きたい」
そういう生活ニーズに応える商品だったのですが、当時はそのための手段が存在しなかったのです(未充足な状態)。
だから爆発的に売れ、カテゴリーの代名詞となったのです。

20201209note用スライド2

他の「新市場創造型商品」にも全てそういう要素がありますね。

商品を企画していると、どうしても「他にないもの」を作りたいという意識が強くなります。
「珍しい」ということは、売れないから珍しくなっている、ということが往々にしてあります。

ひとりよがりなものづくりではなく、常にお客様の「○○したい」というニーズにお応えできるのかということを考え続けなければなりません。
また、そのニーズが「未充足」で「強い」かどうかをよく考えなければ、良い「商品コンセプト」にはなりません。

新型コロナウイルス禍で、私たちの生活様式は大きく変わりました。
しかし人間の「○○したい」という「生活ニーズ」はそう変わらないはずです。

「○○したい」の前に「新型コロナウイルスの感染リスクを避けながら」という前提がつく、と考えるべきでしょう。

「新型コロナウイルスの感染リスクを避けながら、友達と楽しくお酒を飲みたい」
「新型コロナウイルスの感染リスクを避けながら、帰省して家族とゆっくりしたい」
「新型コロナウイルスの感染リスクを避けながら、旅行に行って新しい体験がしたい」

デジタル機器を活用して、いまたくさん生まれつつある新しいサービスも、全てこのような視点でお客様の「〇〇したい」という「生活ニーズ」に答えようとするものなのです。

我々の商品がどんなお客様のどんな「生活ニーズ」にお応えできるのか。一次顧客である小売業の皆さんと一緒に考え、商品作り、売場作りをしていきたいと考えています。
真の「お客様繁盛係」となれるよう、努力を続けます。



最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan