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人手不足が働きやすさに与える影響(令和元年版「労働経済の分析」より)

本日は、人手不足が働きやすさに与える影響について紹介します。
以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。

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4 人手不足が働きやすさに与える影響
●人手不足により「残業時間の増加、休暇取得数の減少」を感じている労働者が多い

第1章では、人手不足の現状について分析したが、ここでは、人手不足と働きやすさの関係についてみていく。

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第2-(2)-11図の左上図により、正社員が感じる雇用人員の過不足状況別の働きやすさをみると、雇用人員が「適当」と感じている場合に、働きやすいと感じている者が最も多く、人手不足感が高まるにつれて、その数は減少し、「大いに不足」と感じている場合には、働きにくいと感じている者が働きやすいと感じている者を大きく上回ることが分かる。
なお、人員過剰感が高まる場合にも、働きやすいと感じている者は減少し、働きにくいと感じている者は増加しており、必ずしも雇用人員が多ければ良いという訳ではないことが分かる。

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第2-(2)-11図の右上図により、人手不足が職場環境に及ぼしている影響度合いについて、働きやすいと感じている者と働きにくいと感じている者を比較してみると、人手不足の職場環境への影響が大きいほど働きにくいと感じている者の割合が増加することが分かる。

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また、第2-(2)-11図の左下図により、職場環境に「大いに影響を及ぼしている」「ある程度の影響を及ぼしている」と感じている者が感じる具体的な影響をみると、働きやすいと感じている者及び働きにくいと感じている者のいずれについても、「残業時間の増加、休暇取得数の減少」「離職者の増加」が多くなっている。

これまで、労働時間や年次有給休暇の取得率が働きやすさにとって重要な要因となっていることを確認してきたが、人手不足に直面している職場で働く労働者は、人手不足がこれらに悪影響をもたらしていると感じているとともに、さらなる人手不足の要因となる離職率の上昇にもつながっているとの認識を持っていると考えられる。
また、人手不足の職場への影響について、働きやすいと感じている者と働きにくいと感じている者の差が大きい項目をみると、「職場雰囲気の悪化」「従業員の働きがいや意欲の低下」「従業員間の人間関係の悪化」となっており、これまでに取り上げた上司からのフィードバックや職場内のコミュニケーションの活性化などを通じて、これらを改善することにより、人手不足
の職場においても働きやすさが改善する可能性が示唆される。

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次に第2-(2)-12図の左図により、男女別・年齢階級別に人手不足が職場環境に影響を及ぼしていると感じている者の割合をみると、男性の「35~44歳」「45~54歳」「55~64歳」においてやや高くなっている。

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また、人手不足が労働時間及び年次有給休暇の取得率に与える影響についてみてみると、人手不足が職場環境に影響を及ぼしていると感じている者は、影響はないと感じている者と比べて労働時間が長くなっており(第2-(2)-12図の右上図)、年次有給休暇の取得率も低くなっている。(第2-(2)-12図の右下図)
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人手不足だと、働きにくい、というのは理解できますが、人手過剰でも働きにくいという調査結果が出ています。
人が辞めることを見越して、過剰に人を採用している、ということなのでしょうか。ちょっと不思議なデータです。

また、人手不足が職場環境に与えている影響として、働く人の認識として多い順にあげると次の通りです。
「残業時間の増加、休暇取得数の減少」
「従業員の働きがいや意欲の低下」
「離職者の増加」
「将来不安の高まりやキャリア展望の不透明化」
「能力開発機会の減少」
「職場雰囲気の悪化」
「従業員間の人間関係の悪化」
「メンタルヘルスの悪化等による休職者の増加」
「労働災害・事故発生の頻度の増加」

企業は人で成り立っています。
人件費を経費と考えるだけではなく、未来への投資ととらえて戦略的に考えていく必要があります。
かといって、投資過剰で会社が倒産しては意味がありません。
働きやすさを高めながら、生産性を高めて会社も成長できるか。
良いスパイラルが回るかどうかがポイントとなりますね。

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