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働きやすさを向上させる雇用管理、ワーク・ライフ・バランスを推進する取組と離職率の関係(令和元年版「労働経済の分析」より)

本日は、働きやすさを向上させる雇用管理、ワーク・ライフ・バランスを推進する取組と離職率の関係について紹介します。
以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。

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●職場の人間関係などの円滑化や有給休暇の取得促進は離職率の低下にも有効
続いて、働きやすさの向上に資する雇用管理やワーク・ライフ・バランスを推進する取組が従業員の離職率、新入社員の定着率及び充足率に与える影響をみていく。

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まず、第2-(2)-20図の左図により、現在と3年前を比較した際に従業員の離職率が低下した企業における雇用管理の項目ごとの実施率をみると、「能力・成果等に見合った昇進や賃金アップ」「有給休暇の取得促進」が高くなっており、次いで「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」などが高くなっていることが分かる。

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第2-(2)-20図の右図により、雇用管理の項目ごとに、実施企業のうち離職率が低下した企業の割合と未実施企業のうち離職率が低下した企業の割合の差をみると、「経営戦略情報、部門・職場での目標の共有化、浸透促進」「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」「有給休暇の取得促進」が大きくなっている。職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化、
有給休暇の取得促進は、第2-(2)-5図や第2-(2)-9図でみたように、労働者の主観的な受け止めを表す概念である働きやすさを向上させるだけでなく、客観的な指標である離職率も低下させる可能性が示唆される。

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第2-(2)-21図の左図により、従業員の離職率が低下した企業におけるワーク・ライフ・バランスを推進するための取組の実施率をみると、「休暇・急な早退等を申請しやすい職場雰囲気の醸成」が最も多く、次いで「時間単位、半日単位など柔軟な有給取得制度の導入・推進」「長時間勤務労働者やその上司等に対する指導・助言」などが多くなっていることが分かる。

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第2-(2)-21図の右図により、ワーク・ライフ・バランスを推進するための取組ごとに実施企業のうち離職率が低下した企業の割合と未実施企業のうち離職率が低下した企業の割合の差をみると、「労働時間管理、有給休暇取得、健康確保に係る、非管理職向けの研修・意識啓発」「休暇・急な早退等が必要な際、従業員間で融通し合えるよう、十分な人員数を配置」「労働時間管理、有給休暇取得、健康確保に係る、管理職向けの研修・意識啓発」などで大きくなっている。必要な休暇が取りやすい職場環境の整備や労働時間管理は、働きやすさを向上させるだけではなく、客観的な指標である離職率も低下させる可能性が示唆される。
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本日のデータの元になっているのは、以前の「働きやすさ」の分析ん場合と同様に以下の20項目の雇用管理について会社と正社員に調査したものです。
①人事評価に関する公正性・納得性の向上
②本人の希望を踏まえた配属、配置転換
③業務遂行に伴う裁量権の拡大
④優秀な人材の抜擢・登用、
⑤優秀な人材の正社員への登用
⑥いわゆる正社員と限定正社員との間での相互転換の柔軟化
⑦能力・成果等に見合った昇進や賃金アップ
⑧能力開発機会の充実や従業員の自己啓発への支援
⑨労働時間の短縮や働き方の柔軟化
⑩採用時に職務内容を文書で明確化
⑪長時間労働対策やメンタルヘルス対策
⑫有給休暇の取得促進
⑬職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化
⑭仕事と育児との両立支援
⑮仕事と介護との両立支援
⑯仕事と病気治療との両立支援
⑰育児・介護・病気治療等により離職された方への復職支援
⑱従業員間の不合理な待遇格差の解消(男女間、正規・非正規間等)
⑲経営戦略情報、部門・職場での目標の共有化、浸透促進
⑳副業・兼業の推進

この中で、離職率が低下した企業における雇用管理の項目ごとの実施率(会社答え)上位5つは次の通り。
「能力・成果等に見合った昇進や賃金アップ」
「有給休暇の取得促進」
「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」
「人事評価に関する公平性・納得性の向上」
「仕事と育児の両立支援」

これは、正社員が「働きやすい」と答えた企業における実施率順位と全く同じです。

離職率が低下した企業での実施と未実施の差が大きい取り組みが次の通りです。
「有給休暇の取得促進」
「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」
「業務遂行に伴う裁量権の拡大」
「能力・成果等に見合った昇進や賃金アップ」
「労働時間の短縮や働き方の柔軟化」
「仕事と育児との両立支援」

続いて、ライフ・ワーク・バランスの取り組みとして本調査であげられた項目が次の通りです。
①アンケート調査の実施などによる実態面の把握
②業務プロセスの見直し(組織間・従業員間の業務配分のムラを解消する等)
③休暇・急な早退等が必要な際、従業員間で融通し合えるよう、十分な人員数を配置
④休暇が必要な際、従業員間で融通し合えるよう、中期的な休暇予定を従業員間で見える化する
⑤休暇・急な早退等を申請しやすい職場雰囲気の醸成
⑥有給休暇を取得する必要のある下限を設定する
⑦残業時間に上限を設定する
⑧まとまった日数での休暇取得の奨励
⑨ノー残業日の設定
⑩長時間勤務労働者やその上司等に対する指導・助言
⑪残業させず、有給休暇取得を促す上司が評価されるような仕組みを導入する
⑫労働時間管理、有給休暇取得、健康確保に係る、管理職向けの研修・意識啓発
⑬労働時間管理、有給休暇取得、健康確保に係る、非管理職向けの研修・意識啓発
⑭経営トップからの呼び掛けや経営戦略化による意識啓発
⑮部門間の取組状況の見える化・情報共有
⑯短時間勤務制度やフレックスタイム制度等、より柔軟な労働時間制度を導入・推進
⑰時間単位、半日単位など柔軟な有給取得制度の導入・推進
⑱テレワーク等の柔軟な働き方の導入・推進
⑲育児休業制度や介護休業制度の利用促進
⑳企業内に託児所を併設

離職率が低下している企業におけるワーク・ライフ・バランスを推進するための取組の実施率上位5項目は次の通りです。
「休暇・急な早退等を申請しやすい職場雰囲気の醸成」
「時間単位、半日単位など柔軟な有給取得制度の導入・推進」
「長時間勤務労働者やその上司等に対する指導・助言」
「育児休業制度や介護休業制度の利用促進」
「業務プロセスの見直し(組織間・従業員間の業務配分のムラを解消する等)」

離職率が低下した企業で、実施と未実施の差が大きい取り組みが次の通りです。
「労働時間管理、有給休暇取得、健康確保に係る、非管理職向けの研修・意識啓発」
「休暇・急な早退等が必要な際、従業員間で融通し合えるよう、十分な人員数を配置」
「労働時間管理、有給休暇取得、健康確保に係る、管理職向けの研修・意識啓発」
「経営トップからの呼び掛けや経営戦略化による意識啓発」
「部門間の取組状況の見える化・情報共有」

「働きやすさ」視点での分析と「離職率」視点での分析は若干異なります。
「働きやすさ」視点では、労働時間の融通がきくか、というところが大きいですが、「離職率」視点では、少し長い目でみた取り組みとなっているように見えます。
今後の変化、改善の可能性が見えるかどうかが「離職率」に影響しているように読み取れます。

伍魚福でも、現在、中期経営計画をまとめています。
その中にも労働環境を整備していく、という項目も盛り込んでいます。
会社のメンバーが長く働けるよう、環境を整備していきたいと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan