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兵庫県のいかなご漁獲量、生産金額、単価の推移(兵庫県農政環境部農林水産局水産課のデータを元に)

今年は明日、2月24日にいかなごの試験曳きが行われ、その結果を踏まえて、漁業関係者の皆さんがイカナゴ漁の解禁日を決めます。
昨年は、2月29日(土)(先勝)に解禁されました。
今年のいかなご漁もあまり期待はできなさそうですが、伍魚福の看板商品でもありますし、自宅で炊けない方、地方にお住まいの方が心待ちにしておられますので、少々高くても魚が買えれば、「くぎ煮」を炊き、「新物」として関西のお土産店さん、通信販売を経由してお届けする予定です。

さて、兵庫県農政環境部農林水産局水産課のウェブサイトにいかなご漁の状況について記載がありますので、本日はそのサイトの情報からnoteにまとめます。
以下、特記したものを除き、農林水産局水産課のページからの引用です。

過去6年間の解禁日と終漁日の一覧です。

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昨年は、解禁後海が荒れての休漁がありましたので、この日数よりもさらに短かく、大変高価ないかなごを購入して「くぎ煮」を炊きました。
予定の量には全く足りませんでしたが、その後のコロナ禍による土産需要の減少で、売場では欠品することなく供給することができています。
伍魚福では、毎年春に1年分の「くぎ煮」を炊き、冷凍で保存、都度解凍して、商品化して1年中供給させていただいています。

昭和45年以降の兵庫県におけるイカナゴ漁獲量の推移です。

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昨年の少なさが際立っています。
数字を見てみます。

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昨年は、過去最低の147トン、生産額でも過去最低の379百万円です。
生産額をキロ単価に換算してみました。

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1970年の出荷ベースのキロ単価は、なんと23円。
肥料等に使っていた、ということがうかがえる価格です。
商品価値の低い魚だったものを、市場流通するように育てたい、そういう思いで「くぎ煮」の炊き方講習をして広めてこられた成果が着実に出ているのではないかと思います。
昨年2020年の出荷ベースのキロ単価はなんと2,578円。
1970年の100倍以上となっています。
超高級魚の仲間入り、と言っても良さそうです。
グラフにしてみました。

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兵庫県水産技術センターの調べでは、昨年よりも若干良さそうなデータがありましたが、若干良い程度では、昨年同様の漁獲量と単価になりそうです。

スーパーマーケットの中には、今年は生のいかなごを販売しないと宣言されたお店もあります。
昨年は店頭での販売価格が高すぎで売れず、見切り販売でかなりの損をしたお店もあったのではないでしょうか。

兵庫の春の風物詩、かなりのピンチです。
資源保護のために、今年も漁期はかなり短くなりそうです。

兵庫県水産課の資料から「いかなごの獲り方」を引用します。

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☆いかなごの獲り方
兵庫県では、2隻の漁船が1組(統)となり網を曳く「船びき網漁業」でイカナゴの新子を漁獲しています。イカナゴの新子は遊泳力が発達しておらず、潮目に集まるため、この潮目が漁場となります。漁獲された新子は、すぐに運搬船で漁港に運ばれ、新鮮なうちに水揚げされます。現在、兵庫県では25の漁業協同組合でイカナゴ新子漁が行われており、最大で328統(656隻)の操業が見込まれます。イカナゴ新子漁は、毎年2月末から3月初旬に解禁になりますが、兵庫県と大阪府の漁業者は、① イカナゴ資源を守り、末永く皆さんに食べ続けてもらいたい、② 皆さんに新鮮でおいしい「旬」のものを的確に提供していきたいという思いから、毎年お互いに相談し、網おろし(解禁)日や操業時間などを取り決めることで、イカナゴの資源管理に取り組んでいます。
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漁師さんの生活のためにも、高くても獲れたものはきちんと利用するというサイクルを回さなければなりません。

★エンターテイニングスパイラル図

伍魚福のくぎ煮、「高い」と言われることも多いですが、きちんと背景をご説明して、消費者の皆さんにご利用いただけるよう、努力を続けたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan