見出し画像

管理職と非正規雇用で働く方に着目した、働く方にとっての公正性とワーク・エンゲイジメント・スコアとの関係性(令和元年版「労働経済の分析」より)

管理職と非正規雇用で働く方に着目した、働く方にとっての公正性とワーク・エンゲイジメント・スコアとの関係性について紹介します。

以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●管理職では、管理職への登用機会の公正性や、性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土について、実感が担保されるような環境の推進が、また、非正規雇用で働く方では、働き方に対する評価が不合理ではなく公正である実感が担保されるような環境の推進が、ワーク・エンゲイジメントを向上させるために有用である可能性が示唆された

第3節の最後に、管理職と非正規雇用で働く方に着目して、働く方にとっての公正性とワーク・エンゲイジメント・スコアとの関係性を整理してみたい。
まず、第2-(3)-27図では、管理職への登用機会に関する管理職の所感と管理職のワーク・エンゲイジメント・スコアとの関係性を整理している。また、趨勢的に上昇傾向にはあるものの、女性の管理職者比率の水準は必ずしも高くない状況にあることを踏まえ、性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土に対する管理職の所感と管理職のワーク・エンゲイジメント・スコアとの関係性についても、併せて整理している。

スクリーンショット 2021-04-06 17.42.29

スクリーンショット 2021-04-06 17.43.13

同図の(1)によると、管理職全体のワーク・エンゲイジメント・スコアは3.60となっており、「男性」が3.55である一方で、「女性」が3.80となっており、女性の方が高い状況にあることが分かる。

スクリーンショット 2021-04-06 17.43.37

また、同図の(2)によると、「勤め先での管理職登用の機会は、性別・学歴・勤続年数・年齢等に関わらず、幅広い多くの人材にあると感じる」といった所感をもった管理職のワーク・エンゲイジメント・スコアは、全体、男性及び女性のいずれにおいても、同図の(1)のワーク・エンゲイジメント・スコアより高い水準にあることが分かる。さらに、上記の所感に加えて、「性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土があると感じる」といった所感をもった管理職のワーク・エンゲイジメント・スコアは、全体、男性及び女性のいずれにおいても、より高い水準を示していることが分かる。すなわち、本分析結果はあくまでも管理職の所感に基づくものであり、企業における実際の管理職への登用機会等をめぐる状況を直接的に示すものではないことに留意が必要であるが、「働きがい」といった働く方にとっての主観的な指標を考察する際には、働く方がどのように感じているかが重要であり、その観点からみると、「勤め先での管理職登用の機会は、性別・学歴・勤続年数・年齢等に関わらず、幅広い多くの人材にあると感じる」「性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土があると感じる」といった所感を管理職がもつことのできる環境を推進することで、管理職のワーク・エンゲイジメント・スコアを向上させることのできる可能性が示唆される。

スクリーンショット 2021-04-06 17.44.13

スクリーンショット 2021-04-06 17.44.38

その上で、同図の(3)によると、企業が認識している以上に、管理職は「勤め先での管理職登用の機会は、性別・学歴・勤続年数・年齢等に関わらず、幅広い多くの人材にある」といった所感をもっておらず、「管理職登用の機会は、性別・学歴・勤続年数・年齢等に差がなくても、一部の人材に限られている(注)」といった所感をもっている管理職が、企業が認識している以上に多い可能性がうかがえる。
(注)回答項目には、「どちらともいえない」が含まれており、「勤め先での管理職登用の機会は、性別・学歴・勤続年数・年齢等に関わらず、幅広い多くの人材にあると感じる」と「管理職登用の機会は、性別・学歴・勤続年数・年齢等に差がなくても、一部の人材に限られている」の2つの選択肢しかない訳ではないことに留意が必要である。

また、同様に、企業が認識している以上に、管理職は「性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土がある」といった所感をもっていない状況がうかがえる。すなわち、今後、管理職の実感を担保するという観点から、管理職の登用機会の公正性や性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土の醸成方法について、改めて労使で再考してみることが重要だと考えられるが、その際には、上記のような認識ギャップが生じていることに留意が必要である。

次に、第2-(3)-28図では、働き方に対する評価が不合理ではなく公正であることと非正規雇用で働く方のワーク・エンゲイジメント・スコアとの関係性を整理している。

スクリーンショット 2021-04-06 17.46.06

なお、上記と同様に、本分析結果はあくまでも非正規雇用で働く方の所感に基づくものであり、実際の正規雇用で働く方との関係性をめぐる状況を直接的に示すものではないことに留意が必要であるが、「働きがい」といった働く方にとっての主観的な指標を考察する際には、働く方がどのように感じているかが重要であり、その観点から分析を進めていく。また、本分析では、(株)リクルート(リクルートワークス研究所)の「全国就業実態パネル調査」において、2018年1月~12月の仕事に関する状況として把握した結果を活用しており、働き方改革関連法案の施行前であることについても、留意が必要である。

スクリーンショット 2021-04-06 17.47.56

まず、同図の(1)(2)によると、自分と同様の働き方をしている正規雇用労働者がいたと認識している非正規雇用労働者の割合は、「非正規雇用労働者全体」で35.1%となっており、「契約社員・嘱託」で48.6%と最も高くなっていることが分かる。また、自分と同様の働き方をしている正規雇用労働者への評価と比較し、自分の働き方に対する評価が不合理ではなく公正だと感じた非正規雇用労働者の割合は、「非正規雇用労働者全体」で23.6%となっており、「契約社員・嘱託」で25.3%と最も高くなっている一方で、「労働者派遣事務所の派遣社員」で18.7%と相対的に低くなっていることが分かる。

スクリーンショット 2021-04-06 17.48.32

スクリーンショット 2021-04-06 17.49.20

こうした中、同図の(3)によると、非正規雇用労働者であって、自分と同様の働き方をしている正規雇用労働者への評価と比較し、自分の働き方に対する評価が公正だと感じた方は、同評価が不合理だと感じた方と比較し、ワーク・エンゲイジメントの高い状態にあると回答した者の割合が高いことが分かる。すなわち、非正規雇用といった働き方に対する評価が不合理ではなく公正である実感が担保されるような環境の推進が、非正規雇用で働く方のワーク・エンゲイジメントを向上させる可能性があることが示唆される。
以上のように、本分析結果は、あくまでも管理職や非正規雇用で働く方の所感に基づくものであり、企業における実際の管理職への登用機会等をめぐる状況や実際の正規雇用で働く方との関係性をめぐる状況を直接的に示すものではないことに留意が必要だが、管理職にとっては、管理職への登用機会の公正性や、性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土について、実感が担保されるような環境の推進が、また、非正規雇用で働く方にとっては、非正規雇用といった働き方に対する評価が不合理ではなく公正である実感が担保されるような環境の推進が、ワーク・エンゲイジメントを向上させるために有効な手段である可能性が示唆された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

会社としては、「性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土がある」と考えていても、実際に働いている管理職の方には、そう受け止められていないことがわかります。
女性の管理職の方が、「性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土がある」と答えた率が高いのも道理ですね。

一方、非正規雇用の方の調査では、正規雇用の社員と比べて評価されていないという認識が一定数あります。
今年4月より、全ての企業に同一労働同一賃金が適用されるようになりました。
伍魚福では正社員とパート・アルバイト、契約社員の皆さんの仕事がどう違うのかを明確にし、自分に合った働き方が選択できるようにしていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan