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労働生産性を向上させるための取組内容に生じているギャップ(令和元年版「労働経済の分析」より)

本日は、労働生産性を向上させるための取組内容に生じているギャップについて紹介します。
以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。

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●「営業力・販売力」「従業員への能力開発」「従業員の意欲を高める人事マネジメント」「顧客満足度の向上によるリピーター獲得力」等のように、企業が強化に取り組むべきと考えている内容ほど、実際には取り組めていない可能性がある

前図では、労働生産性の向上に当たって、強化等に取り組むべきと企業が考えている内容について確認したが、企業はこうした内容の強化等について、実際に取り組むことができているのだろうか。

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そこで、第2-(1)-7図では、労働生産性の向上に関する取組について、現在と3年前を比較した際に、実際に取組を「強化」した企業の割合から、前図の(1)でみた、現時点で強化等に取り組むべきと考えている企業の割合を差し引いたギャップをみており、値が0より大きいほど、強化等に取り組むべきと考えているものの、実際には取り組むことのできていない企業が多い取組であり、値が0より小さいほど、過去3年間で十分に強化した企業が多い取組であることを意味している。同図の(1)により、取組別のギャップをみると、「営業力・販売力」「従業員の意欲を高める人事マネジメント」「従業員への能力開発」「技術力」等といった、企業が現時点で強化等に取り組むべきと考えている取組のギャップが0より大きくなっており、実際には取り組むことができていない可能性が考えられる一方で、「利便性」「財・サービスの供給能力」「品揃えやサービス提供の種類」等といった取組については、過去3年間で十分に取り組んできた企業が多く、多様な財・サービス提供に対応していくことが、企業にとって重要になっている可能性が示唆される。

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また、同図の(2)では、前図の(2)でみた、各産業が最も強化すべきと考えている取組について、実際の取組状況とのギャップを産業毎にみており、「技術力」を最も重視している産業群では、「建設業」のギャップが最も大きい一方で、「情報通信業」のギャップは相対的に小さく、「情報通信業」は、「技術力」の強化が相対的にうまくいっているものの、「建設業」
は、相対的にうまくいっていない可能性が示唆される。
「営業力・販売力」を最も重視している産業群では、「卸売業,小売業」のギャップが最も大きく、次いで、「不動産業,物品賃貸業」「生活関連サービス業,娯楽業」のギャップが相対的に大きい一方で、「運輸業,郵便業」「サービス業(他に分類されないもの)」のギャップは相対的に小さく、「運輸業,郵便業」「サービス業(他に分類されないもの)」では、「営業力・販売力」の強化が相対的にうまくいっているものの、「卸売業,小売業」等の産業では、相対的にうまくいっていない可能性が示唆される。
「顧客満足度の向上によるリピーター獲得力」を最も重視している「宿泊業,飲食サービス業」では、他の産業と比較してギャップが大きく、「顧客満足度の向上によるリピーター獲得力」の強化が相対的にうまくいっていない可能性が示唆される。
「従業員の意欲を高める人事マネジメント」を最も重視している産業群では、「医療,福祉」のギャップが相対的に大きい一方で、「教育,学習支援業」のギャップは相対的に小さく、「教育,学習支援業」は、「従業員の意欲を高める人事マネジメント」の強化が相対的にうまくいっているものの、「医療,福祉」は、相対的にうまくいっていない可能性が示唆される。
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昨日のnoteでは、企業が労働生産性強化のために取り組むべきと考えている事項について触れましたが、実は、実際には取り組めていない可能性がある、という分析です。

「営業力・販売力」
「従業員への能力開発」
「従業員の意欲を高める人事マネジメント」
「顧客満足度の向上によるリピーター獲得力」
等、できていないからこそ、取り組むべきだ、と考えているのでしょう。

業種によって違いはありますが、どの業種でも評価するのはお客様です。
何のために能力を高めるか、何のために従業員の意識を高めるか。
最終的にはお客様に喜んでいただけることが会社の成長にも繋がりますし、働くメンバーのモチベーションアップにもつながりますね。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan