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14 インデックス投資を取り崩す

前項で述べた、「インデックス投資を取り崩していけば元本が減らない」ということについてもう少し詳しく述べてみます。インデックス投資で積み上げていったものを少しずつ取り崩していけば、老後も安心?というお話です。

「老後2000万円問題」という話題が世間に広く知られることとなりました。年金をもらえるとしても、仕事引退時にそれ以外のお金2,000万円が不足する、という試算です。平均寿命や生活費の実態調査などから計算されたものだと思います。イメージ的には、毎年300万円の生活費がかかるけれどもらえる年金は200万円で、年100万円不足する。それが20年間続くから2,000万円必要、という計算ではないかと思います。そして、その2,000万円を作るためには、引退まであと20年(例えば今45歳)であれば、毎年100万円ずつ積み上げていかなければならない、と考えている人が多いのではないでしょうか。

もちろん、2,000万円を作るためには、毎年100万円を20年貯めていかなければならない計算になりますし、2,000万円あるものを、そのように毎年100万円ずつ取り崩していき、その元本が増えないのであれば、その計算が正しいということになります。

ただ実際には、「運用」ということをしていくので、知識さえあれば、それほど厳しい計算にはなりません。

まず、「老後2,000万円」を信じて、例えば65歳(でなくてもいいですが)の引退時までの20年間に2,000万円を作りたい場合、毎年積み立てていくとともに利益を加算していく(複利の力を使う)のであれば、毎年100万円貯めなくても大丈夫です。絶対に5%の利率で回していけるというようなこともありませんが、例えばアメリカの株式に連動するインデックスファンドに投資すれば、これまでの実績からはそれが達成できるでしょう。そうすれば毎年80万円も必要なく、何と毎年60万円ちょっと積み立てていけば、20年で2,000万円になります。5%が無理だとしても3%で運用していけば、75万円の積み立てを20年間で2,000万円に達します。100万円も必要ありません。

また、引退時に貯めた2,000万円を、その後も5%で運用していけるのであれば、毎5%(100万円)取り崩したとしても元本がほとんど減らないため、ずっと元本を抱えたまま100万円を生活に使っていけることになります。もちろん、ずっと同じ利率で運用できるなんてことはなく、年によって波がありますし、元本が暴落することもあります。ただ、これまで100年程度の実績から見ても、上手く(それほど上手くなくてもいいですが)運用することさえ覚えれば、それ程ガツガツ貯めてガツガツ元本を減らして生きていく、という感じでなくても大丈夫なのです。それほど、複利の力は強い、ということです。

インデックスファンドに投資をして貯め、それを老後に取り崩していく場合、いろいろな障害があり、絶対に上手くいくかといえばそうではありません。ただ、基本的な考え方として覚えておけば、必ず役に立つはずです。

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