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非合理的思考

満開の桜が散る頃に
去年も何とか生きたと思う
つむじに残る花びらより
絡まる指を冷たく見ている
春が終わったらそのときは
酒をやめると決めているから
一人で生きるには空が青過ぎる
時間は風に運ばれ 香りは誰かに訪ねられ

閑散な公園に佇むと
明日はきっとこないと思う
ロケット花火の骸と共に
砂利の苦味が口に広がる
春が終わったらそのときは
職安に行くと決めているから
一人で生きるには飯が旨過ぎる
景色は夢に溶かされ 痛みは確かに感じられ

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