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国産SAFについて          参議院予算委員会 動画&会議録             2023年11月28日@その5

<質疑要旨>
・国産SAFを戦略物資への位置づけるとともに、安定的な量の確保と国際競争力のある価格が実現できるようにするため、最大限支援をしていただきたい。
・国産SAFの材料となる廃食油の再利用について、事業者任せにせず、取り合いにならないよう国が必要な取り組みをすべきではないか。

<答弁者 経済産業大臣 農林水産大臣>

<会議録>
○山本香苗君
 
 西村大臣にお伺いいたします。
 飲食店などで揚げ物などに使われた廃食油を再利用し、二酸化炭素の排出量が少ない航空機用の燃料、SAFを生産する国内初の拠点が、今年五月、コスモ石油堺製油所内で着工され、来年度内の稼働を目指しております。そのほか和歌山でも生産拠点を整備する計画があると伺っておりますが、二〇五〇年のカーボンニュートラル達成に向け、また経済安全保障の観点からも国産のSAFは極めて重要でございます。
 是非とも、この国産SAFを戦略物資と位置付けて、安定的な量の確保と国際競争力のある価格が実現できるように最大限支援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

山本かなえの質問に答弁する 西村 康稔 経済産業大臣

○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、航空分野の脱炭素化にはCO2排出削減に寄与するこのSAFの利用が必要不可欠でありまして、まさに国際的な規制に対応するためにも対応が急務となっております。
 御指摘のように、堺でコスモ石油が今着工しているところでありますが、残念ながら私行けなかったんですが、当時の副大臣に起工式に行ってもらいました。大きな期待を寄せているところであります。他方、沖縄県の南西石油も訪問しまして、私はSAFのそのプラントの予定地なども視察をさせていただきました。国内の各地でこのSAFの製造、供給体制を整えるということ、方針で私ども臨んでいるところであります。
 経産省としては、この国際競争力のあるSAFの製造、供給に向けまして、グリーンイノベーション基金によって、最速で二〇二六年の供給を目標に、既に約三百億円を支援をしてきております。製造技術開発、実証に取り組む事業者への継続的な支援をこれからも行っていきたいと思っております。
 また、二〇二二年の四月、昨年四月から、国交省と共同で、石油業界や航空業界などとの関係者で構成される官民協議会、ここにおいて議論を行いまして、本年五月には、二〇三〇年時点で本邦エアラインによる燃料の使用量の一〇%をSAFに置き換えるとの目標の達成に向けた規制と支援策の方向性を中間的に取りまとめたところであります。
 御指摘のSAFを戦略物資と位置付けて生産量などに応じた新たな税制措置の対象とするかどうかについて、現在、与党の税調で議論、御議論が行われているものというふうに承知しておりますが、経産省としても、まさに国際競争力ある価格で安定的にSAFを供給できる、予算も含む具体的な政策措置について、関係省庁とも連携し、また与党での御議論にもしっかりと協力して、このSAFを供給体制つくっていきたいというふうに考えております。
○山本香苗君 飲食店などでは、今までこの廃食油というのはお金を払って、今もやっている、お金を払って廃棄をしているわけです。それが、廃食油がSAFの原料になるということで、逆に買ってもらえるようになると。もう、ええ話やという感じなわけなんですけれども、でも、ここで宮下農水大臣にちょっとお考えいただきたいんですが、年間回収される事業系の廃食油が約四十万トンと、そして使い道の多くは飼料用原料となっていますが、近年、海外への輸出が増えています。主な輸出先は、SAFの製造工場のあるシンガポールと。輸出価格は、一キロ当たり六十円から八十円ぐらいだったのが二〇二二年十月頃にはこれ二百円近くまで上がって、今百五十円近くで高止まりをしていて、それに伴って国内の廃食油の取引価格も上がっていると。このままではSAFのために飼料用原料が圧迫されるんじゃないかという声も上がっていると伺いました。
 この廃食油以外のエタノールなどを原料とするSAFの開発も進めていくことは極めて重要なんですが、この廃食油を国内でどう再利用していくのか。事業者任せにせずに、取り合いにならないように、国において必要な取組を是非とも行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

山本かなえの質問に答弁する 宮下 一郎 農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、外食産業や食品製造業から発生します廃食用油につきましては、年間発生量約四十万トンのうち現在約半分が家畜用の配合飼料の原料として再利用されております。一方で、お話がありましたように、最近は世界的なSAFの需要増を背景に輸出量も増加しておりまして、令和三年度では四十万トンのうち十二万トンが国外に輸出されております。
 こうした中で、その廃食用油をできる限り国内で有効に再利用していくことが重要だと考えておりまして、配合飼料原料としての需要に配慮しつつ国産SAFの原料としての活用を進めていくということは、航空分野におけるCO2排出量削減にも貢献できるものと考えております。
 お話のように、国産SAFについては商用ベースのプラント建設も始まっていると承知しておりますので、農林水産省としましては、国内資源を循環させる観点から引き続き配合飼料原料としての再利用を推進するとともに、国産SAFの導入促進に向けた官民協議会への積極的な参画を通じまして、経済産業省や国土交通省と緊密に連携をしながら、国産SAFの導入に向けた課題解決に向けた、廃食用油の国内での再利用に向けた環境づくりにもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○山本香苗君 是非とも、農水省の方からも、SAFの原料となりますこの廃食油、後押しをしていただきたいと思っております。
 実は家庭系の廃食油というのもありまして、約十万トンあります。ここはほぼ手が付いていないと伺っております。ここもうまく取り組んでいくことが、取り込んでいくことが必要だと思います。この所管は環境省でございます。伊藤大臣も是非御一緒に、質問しませんので、御一緒にしていただきますようよろしくお願い申し上げたいと思います。


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