見出し画像

お金の正体は何か?

前回、「お金が無いと生きていけない、は本当か?」について考えてみました。

今日はいよいよ、お金の正体は何か?について考えていきます。

と言っても、前回の贈与経済や僕が財布を盗まれたときの話から、お金の正体はだいぶ見えてきましたね。

お金が無い時代、贈与経済の時代には、自分ができる貢献をして、周りの人はそれを覚えていて、自分ができるタイミングでその相手または別の人に貢献をして、その価値の創造と交換と消費が、お金を媒介にしなくても循環していた。

なぜ循環していたかというと、人は何かの貢献をすることで、信用を蓄積していたからです。

あの人はあのときあれだけの貢献をして価値を提供してくれた、という信用があるから、別のタイミングで別の人から何らかの価値が提供されたのです。

だから昔の人もおそらく、信用がある人はより多くを受け取り、信用が無い人はなかなか生きづらかったのではないかと思います。

ただ贈与経済では、あの人は過去にこんなことをしてくれた、いつも誠実に生きているからきっと約束を果たしてくれるだろう、だから自分が収集した食べ物をシェアしよう、というように、信用の有無をコミュニティ内の記憶に頼るしかありません。

お金は、その信用を媒介する、偉大な発明でした。

お金というそれ自体が自由に流通する媒体が、信用という目に見えないものを可視化することで、コミュニティの外でも、その人の過去や人となりを知らない人でも、安心してお金と引き換えに自分が集めた食べ物をシェアできるようになったのですね。

これはすごいことです。

お金があることで経済活動が一気に広がりました。

また、僕が財布を失くした時も、僕に悩み相談をすれば何か応えてくれるという信用があったから、お金が無くても生きていけた。

つまり、お金の正体は何かというと、それは「信用」です

よく、お金とは感謝のエネルギー、と言われますが、感謝されることを積み重ねれば信用になるので、まあ同じかな。

そもそもなぜ紙切れに過ぎない紙幣に価値があるかと言うと、最終的には日本国が価値を保証してくれると信用しているからです。

その信用が無くなったら、たとえば国が財政破綻したら、それこそ紙幣は本当に紙切れになります。

また銀行は、まさに信用によってお金を生み出しています。(信用創造)

日銀が刷ったお金よりも遥かに多くのお金が世の中に循環していますが、それはなぜかというと、銀行が信用創造によってお金をデジタル上に生み出したからです。

銀行からお金を借りた場合、通常現金で受け取る人は少なくて、通帳に記載されますね。

その通帳のお金は、現金で下ろす人もいるけど、多くの場合は振込で、つまりデジタルの世界だけでやりとりされます。

僕たちも、給料は振込で、家賃や水道光熱費は自動引き落としで、日々の決済は電子マネーで、という方が多いと思います。

実際に現物としてのお金は無いのに、銀行がこの人や会社は信用があると思った人に、その信用に見合う分だけお金を貸すことで、デジタル上に、つまり世の中にお金が生み出されるのです。

さらに言うと、銀行でなくても、信用力のある人や会社はお金を生み出すことができます。

たとえば飛行機のマイルは、お金と同等に使うことができるけど、マイルを生み出しているのはJALとかANAという民間企業です。

民間企業が勝手に作ったマイルが、お金と同様に扱われるのはなぜか?

それはお店がお金の代わりにマイルで受け取っても、JALやANAがそのマイルをお金にまた換えてくれると信用しているからです。

でも僕がマイルを勝手に発行しても、敦之マイルでの支払いを認めてくれるお店はほとんど無いでしょう。

それは僕にはJALやANAのような信用が無いからですね。

でも最近は個人でも信用をお金に換えることができて、その代表的な手段がクラウドファンディングですね。

このように見てくると、お金の本質は信用だということがわかります。

ということは、お金儲けに必死になるよりも、信用を蓄積する方が大事だ、ということですね。

信用を蓄積していれば、多少目の前のお金が増減したところで、大丈夫、絶対に生きていけます。

でも目の前のお金にとらわれて人を騙したり信義に反することをして信用を失ってしまうと、たとえお金があったとしても、不安は全然解消されないですね。

むしろ信じられるのはお金だけだ、みたいな寂しい人生になってしまうでしょう。

次回は、さらに僕ならではの視点として、会計の美しさについて書いてみようと思います。

会計の美しさを理解すると、お金をよりニュートラルにとらえることができ、お金の不安から自由になることができます。(つづく)

p.s. こんな話を、西日本ツアー(山口下関、福岡筥崎、沖縄石垣島、兵庫赤穂、名古屋)で詳しくお伝えしようと思うので、お近くの方は是非!

p,s.2 お金の正体を知り、会計の美しさを知り、お金の使い方、稼ぎ方 、殖やし方、守り方を知る、「お金と会計の教養」について詳しくお伝えする無料セミナーも開催します!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?