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なぜ、日本人の殆どが「公認会計士」が何をしている人か知らないのか!

こんにちは。公認会計士の山本です。

初めて会う人に、公認会計士です、と自己紹介しても、殆どの場合、「何をしているか分からないけど、何だか難しそうな資格を持っている人なんだろうな」と、相手の人が思っているのが、手に取るように伝わってきます。

時には、話を膨らませようと、「消費税が上がると仕事が大変になるんじゃないですか?」など、税金絡みの話を振ってくれる人もいるのですが、

確かに、公認会計士は登録すれば、税理士業務も出来ますし、個人で開業している公認会計士の多くが、税理士業務をしているので、間違いとは言い切れないのですが、

それなら、なぜ、

税理士とは別に、わざわざ公認会計士という資格があるのでしょう?

公認会計士というのは、前回、書いた "accountability" の文脈の中の存在なのですね。

また、これは単に言葉の上で合意するだけでなく、委託期間中、受託者は「説明できる」状態を構築、維持し、委託者は、委託者自身が実施するか、第三者に依頼するかは別にして、「説明できる」状態が構築、維持されていることを確認するイメージなのですが、(前回ブログから引用)

上の「第三者」の仕事を生業とするのが、公認会計士ということなのです。

ただ、これも前回、書きましたが、日本には、そもそも "accountability" という概念が存在していない(若しくは、自分のものとして根付いていない)ため、

文化的には、公認会計士という存在を必要としていない、ということなのだと思います。

なので、殆どの人が、「公認会計士って何をしている人なんだろう???」ということになるのだと思います。

因みに、私は、

仕事でドイツ人やスイス人、アメリカ人と話す機会がありますが、彼らは "accountability" を肌感覚で知っている、といつも感じます。

それがあると何ができるか、それを成り立たせるためには、どうしたら良いか、そういう感覚です。

"accountability" には様々なメリットがありますが、

私がやりたいと思っていることに紐付けて一つ、例を書きますと、

"accountability" を使うと、見ず知らずの人や組織とも、「信用」を創ることが出来ます。

これは、大企業に限らず、中小企業でも、同じようにできます。

ドイツの「隠れたチャンピオン企業」と呼ばれる、片田舎に本拠地を置く、中小規模の企業が、世界中に平均で24社、多い会社だと100社以上、子会社を持ち、

人口8千万人にも係らず、世界第4位のGDPを誇るドイツ経済を支えているのも、そんな企業でも、 "accountability" を使って「信用」を創り出し、自らのビジネスの範囲を広げていけるからです。

一方、日本企業はこれが出来ない。

日本企業は「人」による「信用」創出という発想しかないため、ビジネスを広げていけない、ということなのだと思います。

よく、公認会計士が企業の海外展開のために何ができるのか、という質問を受けるのですが、

私自身は上の文脈で考えていますし、ドイツ企業がどのように海外展開をしているのか、間近に見ていますので、

そういう質問が来ることも、日本企業が欧米企業のように海外展開が出来ないことも、日本人の殆どが「公認会計士って何をしているんだろう?」と思っていることも、結局、我々が "accountability" を知らない、ということに行きつく話と思っています。

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