見出し画像

裸で立ちはだかる #特別編

ワタクシは相変わらずアトピーさんの
海水欲を満たすための海水浴に付き合わされて
いそいそと磯へ向かう。

海水浴を楽しむアトピーさんを傍目に
ワタクシはあちこちキョロキョロしていた。

そこで
なんとも不思議なつるんとしたものを見つける。

何だか分からずにじりじりと近づいていくと
そこには

なんと
追剥にでもあったような
見事に身ぐるみを剥がされたヤドカリさんが

恥ずかしそうに蹲っている。

これは事件である。


ワタクシは恥ずかしそうに蹲るヤドカリさんに
しばらく待つように伝えて
せめて今夜の宿くらいはワタクシが提供できるよう奔走する。

あまりいい宿ではないが
とにかく裸のまま蹲っているヤドカリさんが
一時的に休めそうな広さの宿を見つけて
ヤドカリさんの元へ急いで戻る。

画像1

相変わらず恥ずかしそうに蹲ったヤドカリさんは
誰にも己の裸を見せぬようにひたすら気配を消している。

ヤドカリさん
ボロボロな宿しか用意できなかったけれど
一時的にこの宿へ避難しておくれ。

”このまま裸でいたら
いつカラスに狙われるか分からないであろう。

幸い今君の尻は軽い。
そう、身軽であるはずだ。
さあ、動き給え。”


茫然自失のヤドカリさんを鼓舞して
軽くなった尻を再びボロボロの新居へ詰め込むよう促した。

これがワタクシにできる最大限の親切である。

ここからは
ワタクシの説明ではなく
実際の引っ越し映像をご覧頂きたい。

若干狭いボロボロの新居であるが
無事に引っ越しは完了した。

家なかったとは言えなかったヤドカリさん。

画像2



次回の引っ越しは
計画的にしておくれ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?