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鏡を見る時間すら惜しい

どうやら今鏡を見る時間すら惜しい。久しぶりに覗いた鏡の中には眉毛がカモメで口の左右に薄いヒゲを生やした人物が映る。

鏡を見る時間すら惜しいのならばもちろん髪を切りに行く時間などもっての外。風通しの悪い頭はドライヤーが吐き出した風をいつまでも跳ね返し続ける。

ドライヤーに吹かれる時間を割くことが出来るのは。同時に進行出来るものが最低2つは存在するからだ。ストレッチと素材づくり。

いくつか同時進行をしても一日がたった24時間なんて短すぎる。


寝る間を惜しんで働く。

残念ながら、どうやらワタクシの体には不向きである。
朝いきなり起き上がれば倒れるし、数年前に通った病院からは
貧血が酷すぎて息が上がることすら禁じられた。

だから。
最低限の生活は丁寧にする。
食べること、そして寝ること。

寝ている間に夢の中でアイディアを拾ってこれるのならば
思う存分万年床にへばりついて寝るしかない。

走ることを禁じられているけれど、この短すぎる足では
競歩や小走りでなければ他人の背中すら見えなくなっている。

ああ。

出来ることを出来るときにやりたい。

ただそれだけなのに。
気付いたらこの数か月、世の中がとんでもない速さだ。

呑気に新年からサンタエネルギーの消化をしてたら、
気付いたらもうクーラーを点けようか悩む日があったりする。

のんびりと時間の過ぎるこの場所では時間の流れを肌で感じるのは
かなり難しい。

時間の流れは残念ながらこちらから
追いかけて̪しがみつかなければ乗ることすらできない。

しかも乗る板を持っていて、乗るためのテクニックと体幹も必要だ。

手を差し伸べてくれそうな仲間も今のところ見当たらないので
落ちかけたら板に必死でよじ登るしかない。

ああ、早くあの青い猫のお腹から出るピンクのドアを手に入れたい。
誰か地球外生命体と友達になれる方法知ってる人はいないのかな。

物理的じゃなくてマインドの方で出会うのか。

数年前青い光が森の中に降りていく様子を
ここよりもずっと東側の孤島で友人と2人でドライブ中にみかけた。
。。。2人揃って。

カップ焼きそばにもあるあれなのか。

あれ以来彼らのいたずらが止まらない。
それも大体1人でいる時に。

iPadに並ぶアプリをルーレットみたいに
ランダムに点滅させるなんてしょっちゅうだ。

こちらも証拠を捉えるべく画面録画を試みるが
敢え無く失敗に終わり続けている。


ワタクシ時間がないと叫ぶ割には
頭の中の寄り道が誰よりも長い。

さて、新型ウイルスでリモートワークが加速しているけれど
昨年から働きに出ることを諦めたワタクシはここでは、まだ


やる気のないただの暇人


である。
ここで言う労働とはカラダを動かすことでしかないらしい。

だから。
パソコンやiPadに向かっていても

家にいる=暇

という方程式しかどうやら存在していない。
車社会なので家の前の車の有無で
時間かじり虫たちはドットを追いかけ続ける黄色い口のように
暇つぶし行脚を続けている。

時間かじり虫との戦術を模索中だ。

もちろん、電源とWi-Fiが完備されていて、
コーヒーですぐにくっつこうとする上下の瞼を引き離して、
耳にイヤホン突っ込んでおけば誰にも邪魔されない場所なんぞ存在しない。

今のところ戦利品を与える方法以外の戦術はない。

これからは愛の時代だから、戦利品ではなくて
愛のある贈り物か。

細かいことは、まあいいや。

時間の話だった。

だからと言って全てを効率化することだけに集中できるほど
素晴らしい集中力を持ち合わせている訳でもない。

画面とにらめっこするのに飽きたら

。。。。どうしようもないくらい土を触りたくなる。

家の庭だけでは飽き足らず、隣の庭、
おじぃとおばぁの畑にまで土を触りに行く。

画面を見た後の土いじりがどうしようもなく楽しい。
雑草を根っこから引き抜くあの快感に溺れていると
平気で数時間が経過している。

肩を動かすから快感に溺れながら
凝り固まった個所もほぐれる
一石二鳥だ。

快感に溺れ続けようとしても
ぷーんぷーんうるさいあいつが血を吸いにきて
快感時間の終わりを告げる。

究極の貧血のワタクシのこのポンコツボディーから
一滴たりとも血を奪われてたまるものか。


上下瞼の相性が良くなってきたので
今日はこの時間に昨日を終えよう。

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