プロの矜持?

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今でこそ、補助金を含めた経営コンサルタントのプロとして報酬をもらって活動しているけれど、駆け出しのころは「どこに報酬が発生するのか?」というのは良く疑問を持っていた。

本文『そのスキルは目に見えるものではないし、特殊な資格が必要な場合を除いて、「(実際がどうであれ)がんばれば自分でもできるもの」に映るからだ。』 という、錯覚に特に独立当初は陥りがちな気がする。

ただ現実には頑張ればできるけど、そこに労力をかけられないのが現状で、そういったクライアントの希望に答えるのが、プロなんですね。無くても良いけど、あったら使いたいサービスというか。

本文『要は、素人でもある程度できる人がいる分野……もっと率直にいえば、「プロレベルの素人」や「プロよりうまい素人」がゴロゴロいる分野において、『プロ』への無償依頼問題は起こりやすいのだ。

なぜって、この「プロのアマチュア」さんたちは、無償でバンバンその技術を提供していくから。』

本文『その「プロのアマチュア」が親切に高い技術をバラまくことによって、「プロ」はより軽い存在になってしまう。

相手にとって大事なのは「自分の要望を叶えてくれるかどうか」であって、その人が「プロ」を自認しているかどうかは関係ないしね。』

この2文は、ちょっとプロとしてどうかな?と思う。経営分析でよく使われる、「VRIO」分析。「Value(経済的な価値)」「Rarity(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」

模倣可能性が高く、代替されやすいサービスは価値が高まらないです。なので、プロのアマチュアさんが高い技術をバラまこうが、プロの持つ市場における価値が模倣されないのであれば、有償での依頼が途切れることはないはずなんです。

本文『そのうえさらに厄介なのは、「プロのアマチュア」と同時に、「アマチュアのプロ」がいるということだ。それで生計を立てたいと思ってはいても、まだ駆け出しのひよっこで、「タダでいいので仕事をください!」と頭を下げて回る人は少なくない。そうすれば、「プロ」の価値はそれだけ下がる。』 

ここの文章で、不動産屋さんが相談料を取ろうとされているシーンが紹介されていますが、不動産売買の相談で料金を取る方を私は聞いたことはありません。不動産業の方は売買された際に法律で定められた仲介手数料を取って生業とされています。

私の仕事は、コンサルタントとして新規事業についてや、資金調達に係る相談をよく受けますが、すべて無償で相談に乗っています。これは、すでに「アマチュアのプロ」が存在しており、地域の商工会議所や金融機関、行政が展開する経営支援などすでに無料で提供されている公的なサービスになるので、私も相談料は取らないのです。

私の提供する情報はそういった機関へいけば誰でも手に入る情報です。しかし、そういった機関を利用されず相談していただく企業さんがおられるということは公的機関との差別化・模倣可能性の低さが実現できているのかとも思います。要はクライアントにとっての個人、企業の能力は、この無償の交渉部分で計られているように思うのです。

経営支援という意味では公的機関が提供するサービスは知識も豊富で丁寧に対応していただけます。(一部そうではない時もありますが・・・)では「アマチュアのプロ」とどう差別化するのか?というのは、クライアントとの利害を一致させらえるかどうか?でしょうか。顧客の持つ市場での利益に責任を負う場合、報酬が発生する。顧客の持つ市場利益に責任は負わないが顧客のニーズに応える場合報酬は発生させず、CSRとなる。つまり営業活動。

どちらの行為も安定した経営を目指す上では何ら、咎められる行為ではないように思えます。