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校内ポータルサイトで校務のDX化を推進

 勤務校では校内の情報共有をサポートするために、校内ポータルサイトを作成しています。校内ポータルサイトは、Googleドライブ上に保存した様々な情報へアクセスするための校内でのみ利用する「入り口サイト」です。
 情報を一か所に整理することで、アクセスの手順がシンプルになります。また、対応の漏れや二重対応の防止にもつながります。さらに、情報の周知が迅速になることやペーパーレス化もメリットとしてあげられます。

 校内ポータルの概要をざっくりと説明します。


①からは各分掌で作成した資料(教務だより、週予定、職員室通信、運動会や学芸会などの係提案等)や校区の中学校のポータルサイト、小中一貫の資料をまとめたページへのリンクを置いています。
②は日報へ。
③は職員会議議題へ。
④は職員用のクラスルーム、中学校区のクラスルームへ。
⑤はGoogle共有ドライブの各分掌ごとのフォルダへ。
⑥は現在進行形で職員が取り組んでいる作業の手順と作業用ファイルへのリンク。
⑦は連絡事項を記載したドキュメントなどへのリンクです。終会や研修などで使用します。
⑧は行事の提案文書や実際に使用するスプレッドシートやスライドなどへのリンクをまとめて記載。関係する職員はもちろん、校内で進行中の準備や保護者向けの説明を共有しています。

 校内ポータルサイトは、あくまでも職員間でのみで利用することを目的に構築したサイトです。サイトは「共有指定したアカウントのみ」で共有されるため、一般には公開されません。共有ドライブのファイルについても同様です。
 また、リンクを他校と共有することはできますが(ポータルを閲覧させることは可能)、市のセキュリティに対する考え方で、市から配付されたドメイン以外のアクセスは遮断されます。よって、個人のアカウントでログインしている場合、閲覧することはできません。個人アカウントで試してみましたので間違いありません(笑)。
 ヒューマンエラーを防ぐために掲載する情報は個人情報を含まないものに限定しています。校内での利用を考えると、このあたりのセキュリティに対する考え方がしっかりと設計されていると安心感が違います。

 校務のDX化を考えたとき、「共有ドライブに入れたから使ってね」だけでは、ICTに苦手意識を持っている職員は動きません。そこにはアクセスの手順の煩雑さがハードルになっています。

7回

 これは、本校の共有ドライブに保存されているファイルまでの平均的なクリック数です。
①アプリランチャー
②ドライブ
③共有ドライブを展開
④目的の共有ドライブを展開
⑤分掌のフォルダを展開
⑥必要な情報が格納されているフォルダを開く

⑦目的のファイルを開く

 対して、ポータルサイト上に共有したいファイルのリンクを設置しておくことで、1回のクリックでアクセスが可能です。
 また、共有ドライブのフォルダに格納されているファイルへも3回程度のクリックでたどりつくことができます。
①分掌の共有ドライブフォルダへのリンク
②必要な情報が格納されているフォルダを開く
③目的のファイルを開く

 アクセスの向上は、職員の使用頻度を上げ、ICT活用の浸透とスキルアップをもたらします。活用が浸透しスキルが上がればさらに効率よく仕事を進めることができるようになります(好循環)。

 使う側の視点に立って、利便性を高めることが校務のDX化を推進する上では大切です。

 けっして、
「今はこういう時代だから使うのが当たり前だ!」
「早く慣れなさい!」
というように上から押し付けてはいけません。推進には逆効果ですが、依然として昭和の体育会系気質の人間が上にいる学校も少なくないと思います。悲しいことです…。

 令和の時代の私たちは、デザイン思考でいうところの、「共感・理解」からスタートすることを校内での推進における出発点としましょう。

デザイン思考


 令和の日本型学校教育を担う教師に求められる資質能力は多岐にわたります。「どうすれば全員ができるようになるか」を考えることは大事ですが「できないことは何かを知ること」はもっと大切です。
 職員室の現状を分析して、苦手があるならそれを補完するための校内組織や教師間のネットワークを生かす方法を考えましょう。その方法を考える際も、一人で仕事を完結させるのではなく、他人の頭(知見、コンテンツ)やスキルを相互に活用しながら協働していくことこそが令和の時代の学校教育を生き抜く知恵ではないでしょうか。しなやかに、したたかに生き抜いていきましょう!


 



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