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ある日のおもてなし

これは、南会津のお蕎麦屋さんでの、ニューヨークから来日した友人との写真です。

アメリカでは、お蕎麦は健康食として知られています。英語でいえばbuckwheat noodle。でも日本食になれた人はSobaといえば理解してもらえることもしばしばです。

ただ、蕎麦とはいっても、海外では本当に美味しいそばにはなかなかありません。こしがあって、つるりとした本格的な手打ち蕎麦は、信州や東北などの「本場」でないと簡単には出会えないのです。

彼は、初冬の会津路の田舎屋でふるまわれる蕎麦に接したとき、今までの蕎麦とは比べものにならないと喜んでくれました。

最初、冬なのであったかい蕎麦を頼もうとしていたのですが、私が敢えて山菜の天ぷらを添えた冷たい蕎麦を薦めました。

我々も、海外に行ったとき、地元の人のおすすめや案内には耳を傾けます。そうすれば、観光名所のおきまりのものとは異なるその国ならではの味わいに接することができるはずです。

その逆の体験を、海外からきた人にしてもらえるよう、ぜひ積極的に「本場」を案内してみたいものです。

ちなみに、蕎麦とならんで、海外ではラーメンへの人気が高まっているとよくききます。

そういえば、最近、ラーメンではないものの、オフィスの近くの長崎ちゃんぽんの店によく海外からのビジターが入っています。彼らの口コミのパワーは侮れません。

我々は、日本を紹介するとき、肩を張って「これぞ日本」と我々が思うおもてなしをするよりも、もっと気軽な日常の中にある彼らならではの発見を共有する姿勢が大切です。彼らからみれば、意外なところに、とても新鮮な出会いがあるのです。

蕎麦を堪能してくれた友人とは、そのあと会津若松までドライブして、街を歩いたあと、那須にある私の自宅に戻りました。そして、夕食には途中で買った地元の酒を酌み交わしました。その酒の味が、またアメリカでは味わえない美酒だったと、彼は冷酒のまま何杯も楽しんでいました。

冷たい手打ち蕎麦、会津の酒をひやで。

この二つが、海外ではなかなかできない体験だったというわけです。

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