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人口800人の限界集落が「NFT」を発行したその後

限界集落「山古志」がNFTを発行してみて

こんにちは。山古志住民会議の中の人です。
私たちが「800人+10,000人」の新しいクニづくりを目指し、山古志村のデジタル住民票を兼ねたNishikigoiNFT ”Colored Carp”を発行してから約2ヵ月。今日に至るまで各方面から賛否両論、様々な声をいただきました。

「あんな田舎の村が、NFT!?」
「はじめて購入したいと思ったNFT」
「自治体公認と言っているが、本当に??」
「地方創生の文脈でも、一石を投じる取り組みなのでは。」
「ずっと応援してきているのに、疎外されたようで何だか悲しい。でも、応援している。」

「山古志」という限界集落から世界に目を向け、発行した10,000点のNFT。国内からの反響は、私たちの想像を超えるものでした。約40%の方が、はじめてのNFT購入者だったということ、私たちの取り組みに共感してくださる方、新たな取り組みに戸惑いつつも応援してくれてる方、山古志の未来に期待を寄せてくれた方から等の反響から、NFTおよび地方創生においても新たな一歩を踏み出すことができたのではないかと、私たちは考えています。

実際に、少し前まで山古志という名すら知らなかったデジタル村民の方々が、自らまとめサイトや動画、記事などを作成したり、実際に山古志を訪れるなどのアクションが生まれています。

試行錯誤の取り組みの中、錦鯉をモチーフとしたNFTを接点に約350人ものデジタル村民が誕生し、地域独自の資金調達ができたことに、今後さらに知恵やネットワーク、資源が集まる可能性を感じた2ヶ月間でした。

山古志DAOへの挑戦

現在、私たちは、NFTホルダーであるデジタル村民専用のコミュニティチャット内(Discordを使用)でコミュニケーションをしながら、メンバーからの意見の集約・投票など、可能な限り民主的な手法を取り入れた地域づくりを目指しています。Discordコミュニティ内では、日々のこと、現在山古志の仲間たちが取り組んでいることなどについて共有しつつ、今後の取り組みについてのアイデアなどを通して「何かアクションしたい!」「自分が出来ることで山古志に貢献したい!」というデジタル村民の熱い想いが伝わってきます。反面、現段階で彼らのポテンシャルや想いに答えられるような仕組みづくりをできていない。という現状に直面しています。

山古志の仲間として、より自律的にアクションし挑戦できるよう、デジタル村民コミュニティの方向性を、このように定めることにしました。

山古志デジタル村民からはじまる挑戦 

私たちは、デジタル村民に一部の予算執行権限を渡します。NishikigoiNFT”Colored Carp”の売上の一部をもとに、デジタル村民発案の取り組みを投票等によって意思決定し、アクションしていきたいと思います。同時に、このようなデジタル村民コミュニティの仕組みについても、彼らと作っていくことを目指します。

まず最初の取り組みとして、山古志地域を存続させるためのアイデアプランを、デジタル村民の投票によって意思決定し、第1弾セールの売り上げの約30%(約3ETH)を活動予算として取り組む「山古志デジタル村民総選挙」をおこないます。

「山古志デジタル村民」総選挙
デジタル村民による、山古志のための「アクションプラン」を募集
募集(立候補)資格:山古志デジタル村民(NishikigoiNFTホルダー)
募集締切:2/18(金)
議  論:2/19(土)~2/25(金)※Discord内にて  
投  票:2/26(金)~2/28(月)         
*当選プランは第1弾セール売上の約30%(約3ETH)を活動予算として付与
申し込みhttps://forms.gle/nhgySJ7cRdfjkqze9

この総選挙は、デジタル村民より事業プランの提案を募集し、そのプランについてコミュニティで公開しながらディスカッションし、投票をする予定です。選挙結果はもちろん、プランに取り組んでいく過程もリアルタイムで共有することによって、デジタル村民同士が協働して地域づくりを目指す、いわばデジタル村民との新たな挑戦です。

一歩ずつ、前へ

正直、デジタル村民に予算執行権限を委ねること、時間感覚の違う山古志のリアルとデジタル村民コミュニティの接続についての葛藤はあります。
しかし、私たちは彼らのことをゲストでも、ボランティアでもなく、口先ではない「仲間」として認めたいのです。お互いに、仲間として認めあい、信頼関係を築いていく過程の葛藤や嬉しさ、気づきも体感し合いたいと思うのです。

今日も、山古志では雪が降り続いています。降り続く雪は3mを越え、豪雪地帯の最も厳しい冬を迎えたいま、住民たちは当たり前のごとく自宅の雪を降ろし、地域に住む仲間たちの除雪を助け、暮らし続けています。
この地で生き、私たち山古志の文化を保持し、体現し続ける山古志住民と、居住の有無や様々な制約を越えた共感者であるデジタル村民とともに、持続可能な「山古志」を目指し、挑戦し続けます。